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ハンブルク市立美術館:クールベ、ミレー、テオドール・ルソー

2018年8月22日水曜日@ハンブルク/15回目

今日はハンブルクHamburgでゆったり散策。まずはハンブルク市立美術館Hamburger Kunsthalleで名画鑑賞。
2階の常設展示室で20世紀の作品の展示から古典的な絵画の展示に移りました。現在、フランス絵画を鑑賞中です。
自然派・写実派のジャン=バティスト・カミーユ・コローに続き、写実主義の画家ギュスターヴ・クールベです。

ギュスターヴ・クールベの《花でいっぱいの枝》。1855年頃、クールベ、36歳頃の作品です。クールベは後に代表作とみなされることになる《オルナンの埋葬》を既に描いていますが、この頃はまだ、一般に評価されることはありませんでした。この1855年は世界で2番目の万博がパリで開かれました。その万博に《オルナンの埋葬》の出品を拒否されたクールベは世界で初めての個展を開くことになります。そういうときのクールベが狩猟画や風景画以外の「花の静物画」シリーズに取り組み始めたのが本作です。結局、今ではあまり知られることのない「花の静物画」シリーズですが、クールベが未来に向かって、あがいていたことを知るための貴重な資料です。

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ギュスターヴ・クールベの《ルー川の洞窟》。1864年頃、クールベ、45歳頃の作品です。クールベはよくフランシュ・コンテ地方の村である故郷のオルナンの出来事や風景を描きました。代表作の《オルナンの埋葬》もその一枚です。本作は、オルナンの中心を流れるルー川の巨大な岩層と洞窟を描いています。結構、地味な風景画にしか見えませんが、対象を克明に観察し、その質感を表現した佳作です。なお、ほぼ、同じ構図の作品がワシントン・ナショナル・ギャラリーにありますが、そこには本作にない漁師の姿が描き加えられています。同じ構図に対する画家の執念のようなものが見えます。

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ギュスターヴ・クールベの《ダン=デュ=ミディ山の冬の風景》。1876年頃、クールベ、57歳頃の作品です。クールベは1870年、パリ・コミューン(コミューン美術委員会議長になっていた)に参加し、反乱に加担し、ヴァンドーム広場の円柱破壊事件の責任を問われて逮捕されました。その後、1873年にクールベはスイスに亡命します。亡命後のスイスでバレー州内に位置するサボア・アルプスの最高峰ダン=デュ=ミディ山の冬の風景を描いたのが本作です。この作品を描いたクールベの心中はいかなるものだったのか・・・単なる風景画ではなかったと確信します。本作を描き上げた翌年の1877年、クールベは亡命先で失意のうちに58歳の生涯を閉じました。

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次はバルビゾン派を代表するミレーです。

ジャン=フランソワ・ミレーの《ルイーズ・ミレー、画家の娘》。1863年頃、ミレー、49歳頃の作品です。1849年、パリでコレラが大流行したことや、ミレーの政治的支援者が失脚したことから、ミレーは、バルビゾンに移住し、先に滞在していたルソーらの仲間入りをしました。以後、農民画家として、名作を生み続けることになります。本作を描いた1863年は既に『落穂拾い』、『晩鐘』の2大名作を描き終えていましたが、まだ、世間の評価は定まっておらず、質素な暮らしをバルビゾン村で送っていました。子だくさんのミレーの第2子のレオンティーネ・ルイーズ・ミレーを描いたものと思われます。1847年生まれの第2子のレオンティーネ・ルイーズ・ミレーが描かれたものとすると、このとき、娘は16歳の少女だったわけです。ミレーはこの年に名作《羊飼いの少女》を描いて、翌年のサロンで絶賛を浴びます。それでもミレーが巨匠としての名声を確立するのは、4年後の1867年に、パリ万国博覧会の美術展覧会で一室を与えられ、傑作を展示するときを待つことになります。巨匠としての地位を得て、8年後の1875年にミレーは家族に看取られて、バルビゾンで亡くなりました。60年の生涯でした。

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次は同じバルビゾン派の有力な画家、テオドール・ルソーです。

テオドール・ルソーの《コンピエーニュの森のピエールフォンズ村での伐採》。1833年頃、テオドール・ルソー、21歳頃の作品です。彼は1833年にバルビゾンを訪れ、1836年には当地に定住します。この作品はごく初期の作品です。コンピエーニュの森はフランス、オワーズ県に位置する広大な森です。皇太子時代のルイ16世(ルイ=オーギュスト)とマリア・アントーニア(のちのマリー・アントワネット)が初めて相見えた地でもあります。

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次はいったん、ドイツの印象派を代表するマックス・リーバーマンのコレクションを見ていきます。その後、綺羅星のように並ぶフランス印象派の画家たちの作品になります。



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実は初めて聴いたのはブ

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