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ハンブルク市立美術館:マックス・リーバーマン、ドイツ印象派を代表するドイツ画壇の重鎮

2018年8月22日水曜日@ハンブルク/16回目

今日はハンブルクHamburgでゆったり散策。まずはハンブルク市立美術館Hamburger Kunsthalleで名画鑑賞。
2階の常設展示室で20世紀の作品の展示から古典的な絵画の展示に移りました。現在、フランス絵画の鑑賞中ですが、いったん、ドイツの印象派、マックス・リーバーマンのコレクションに立ち寄ります。

マックス・リーバーマンの《神殿の12歳のイエス》。1879年頃、リーバーマン、32歳頃の作品です。リーバーマンはフランスの印象派に傾倒し、ドイツの印象派の代表的な存在です。ユダヤ系ドイツ人であった彼はナチスの台頭によって、ドイツ画壇の中心的存在の座から追われ、寂しい最期となったそうです。それでもクレーなどとは違って、彼の作品群がドイツの各地でこうして見られるのですから、まだしもではないでしょうか。
本作は現実の場面にキリストが登場しているので、普通の意味での印象派ではなくて、宗教性との融合を図った作品です。その真価はsaraiにはまだ理解できません。フリッツ・フォン・ウーデにも同じような意図の作品があるので、当時の流行だったのかもしれません。しかし、この作品はスキャンダルになり、リーバーマンも作品の改訂を余儀なくされることになりました。

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マックス・リーバーマンの《オランダのレースを織る女》。1881年頃、リーバーマン、34歳頃の作品です。リーバーマンはフランスのパリで勉強した後、この頃はオランダに移り絵画を勉強していました。本作はいかにもオランダ風の絵画作品になっています。

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マックス・リーバーマンの《エヴァ》。1883年頃、リーバーマン、36歳頃の作品です。上の作品と同様に本作もオランダ風の絵画作品になっています。

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マックス・リーバーマンの《庭の中のアムステルダムの孤児の少女》。1885年頃、リーバーマン、38歳頃の作品です。本作は印象派風に戸外で描いた作品ですが、随分、オランダ風です。彼はこのテーマを繰り返し描いています。そこに彼独自の作風が感じられます。

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マックス・リーバーマンの《網を繕う人たち》。1887/89年頃、リーバーマン、40/42歳頃の作品です。この作品はドイツを題材にしながらも印象派的に描かれたリーバーマンの代表作です。中央に立ち、彼方に視線を送る娘の姿が美しく表現されています。何となく、ミレーの《羊飼いの少女》を思い浮かべてしまいます。

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マックス・リーバーマンの《エルベ川のニエンシュテッテンにあるレストラン・ヤコブのテラス》。1902年頃、リーバーマン、55歳頃の作品です。この作品はパリの印象派そのもののような描き方です。ハンブルク近郊のエルベ川河畔のホテル、ルイス C.ヤコブのガーデンレストランで菩提樹の立ち並ぶテラスの風景の印象を描いた秀作です。人々の賑わいがルノワールやモネに比べると、しっとりと落ち着いているところがドイツ風です。

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マックス・リーバーマンの《アルフレッド・フォン・ベルガー男爵》。1905年頃、リーバーマン、58歳頃の作品です。この作品に描かれたアルフレッド・フォン・ベルガー男爵は、オーストリアの劇作家、劇場監督、作家でした。特にウィーンのブルク劇場の監督として知られています。ウィーンの女優、ステラ・ホーエンフェルスと結婚していました。この作品が描かれたころはハンブルクに新しく設立されたドイツシャウシュピールハウスの最初の監督をしていました。当時、52歳くらいでリーバーマンとも同世代です。その後、1910年にウィーンのブルク劇場に転身します。

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マックス・リーバーマンの《自画像》。1909-1910年頃、リーバーマン、62-63歳頃の作品です。リーバーマンは批判的な眼差しで一時的に停止した姿勢でこちらを向いています。壁に寄りかかったキャンバス、背景の鏡、白いスモックは彼の職業を暗示していますが、手はブラシとパレットの代わりにタバコを持っています。スモックの下のスーツ、ベスト、ネクタイ、白いシャツはきちんとした印象です。彼の安定した立場と地位を誇示しています。

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マックス・リーバーマンの《ウーレンホルスターのフェリーハウスの夜》。1910年頃、リーバーマン、63歳頃の作品です。本作はハンブルクで舟遊びに打ち興じる人々の眺めを描いています。3つのバージョンがあるようです。これはそのひとつ。この作品を描くためにリーバーマンは何度もベルリンからハンブルクを訪れる熱の入れ方だったようです。パリの印象派の舟遊びの作品を連想させますね。

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マックス・リーバーマンの《ゲルハルト・ハウプトマン》。1912年頃、リーバーマン、65歳頃の作品です。ゲルハルト・ハウプトマンは、ドイツの劇作家、小説家、詩人。この肖像が描かれた1912年にノーベル文学賞を受賞しました。ハウプトマンは当時、50歳でした。

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マックス・リーバーマンの《ヴァン湖の芸術家の庭》。1918年頃、リーバーマン、71歳頃の作品です。ヴァン湖は、ドイツのベルリン南西部のシュテーグリッツ=ツェーレンドルフ区に位置しています。日光浴やレクレーションスポットとしてよく知られています。どうやら、この風光明媚な地にリーバーマンの別荘でもあったようですね。彼の栄光に満ちた時代です。この2年後の1920年から1932年までプロイセン芸術院の総裁の地位にいましたが、ナチスの台頭でその地位を降り、1935年に寂しい死を迎えます。87年の生涯の最後は苦難に満ちていました。

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ベルリンにずっと居を定めていたリーバーマンはこのハンブルクも度々訪れており、ゆかりの地です。そのため、このハンブルク市立美術館には充実したコレクションがあります。次は綺羅星のように並ぶフランス印象派の画家たちの作品を見ていきます。



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