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瑞々しい感性の音楽に感銘:クァルテット・ベルリン=トウキョウ@鶴見サルビアホール 2020.2.13

クァルテット・ベルリン=トウキョウの演奏は2年前からこのホールで毎年、この時期に聴いていて、今回が3度目になります。ヴィオラが前回からグレゴール・フラーバルに代わりましたが、今回は前回と同じメンバーです。ヴィオラ以外の残りの3人は創設メンバーです。

彼らの演奏は2回聴いただけですが、すっかり、本格ファンになりました。彼らはベートーヴェンとシューベルトとハイドンというウィーンを軸にした音楽を聴かせてくれますが、そのどれもが1級品。第1ヴァイオリンの守屋剛志とチェロの松本瑠衣子の外声部がしっかりとした演奏で聴き応えがあります。今日のプログラムもハイドンから始まりますが、彼らのハイドンは素晴らしく、その活き活きとした表現は聴く者の心を躍らせてくれます。いっそのこと、ハイドンの全曲チクルスを聴かせてもらいたいくらいです。まあ無理ですが・・・。それにしても、今日のハイドンの弦楽四重奏曲 第30番Op.33-2 「冗談」は見事な演奏で、その演奏レベルが高いからこそ、この曲のユーモアが楽しめました。この曲はハイドンの《ロシア四重奏曲》という作品33の6曲の中の一つですが、素晴らしい傑作です。彼らの素晴らしい演奏のお蔭でハイドンの音楽の上質さを再認識させられました。2曲目のヴォルフの《イタリアのセレナード》も美しい演奏でした。

3曲目はシューベルトの弦楽四重奏曲 第12番「四重奏断章」です。前回弾いた第15番も素晴らしい演奏でしたが、今日の演奏も見事なシューベルトです。シュトルツ・ウント・ドランクを思わせる颯爽とした演奏で、さらにシューベルトの歌謡性もたっぷりと味わわせてくれる盤石の演奏です。シューベルトの全曲チクルスも聴きたくなります。彼らの表現する瑞々しいロマンは魅力的です。

後半のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第14番はベートーヴェンの全作品の中で、弦楽四重奏曲 第13番と並んで最高傑作であるとsaraiは常々思っています。そういう特別な曲ですが、クァルテット・ベルリン=トウキョウは何の不満もない立派な演奏で応えてくれました。とりわけ、第1楽章の抒情的で繊細さに満ちた演奏、第7楽章(終楽章)の雄々しくて、精神性の深い演奏は圧巻でした。彼らはさらなる上を目指してもらいたいものです。もっともっと弾ける筈です。次のコンサートでは第13番と大フーガに挑戦してくれるのでしょうか。

今日も室内楽を聴く喜びを味わわせてもらいました。クァルテット・ベルリン=トウキョウに感謝です。

今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:クァルテット・ベルリン=トウキョウ
   守屋剛志(vn) モティ・パヴロフ(vn) グレゴール・フラーバル(va) 松本瑠衣子(vc)

   ハイドン:弦楽四重奏曲 第30番 変ホ長調 Op.33-2 「冗談」
   ヴォルフ:イタリアのセレナード ト長調
   シューベルト:弦楽四重奏曲 第12番 ハ短調 D.703「四重奏断章」

   《休憩》

  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 Op.131

   《アンコール》
    クルターク:ミハーイ・アンドラーシュへのオマージュ「弦楽四重奏のための12のミクロリュード」Op.13 より、第5番 Lontano, calmo, appena sentito
    ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番ニ長調Op.18-3 より、第4楽章 Presto

最後に予習について触れておきます。
1曲目のハイドンの弦楽四重奏曲 第30番Op.33-2 「冗談」は以下のCDを聴きました。

 ヴェラー弦楽四重奏団 1965~67年録音

1960年代のウィーン・フィルのコンサートマスターだったワルター・ヴェラーを中心にしたウィーン・フィル団員のカルテットが演奏したものです。非の打ち所がない見事なハイドンです。


2曲目のヴォルフの《イタリアのセレナード》は以下のCDを聴きました。

 ハーゲン・カルテット 1988年録音

ヤナーチェクのアルバムに一緒に録音されたものです。


3曲目のシューベルトの弦楽四重奏曲 第12番「四重奏断章」は以下のCDを聴きました。

 エマーソン・カルテット 1996年録音
 リンゼイ弦楽四重奏団(リンゼイズ) 1988年12月12日-15日 キャッスルトン・パリッシュ教会、シェフィールド、英国

いずれもそれぞれの四重奏団の特徴を生かした素晴らしい演奏。


4曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第14番は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ弦楽四重奏団(リンゼイズ) 2001年6月25日-27日 聖トリニティ教会、ウェントワース、ヨークシャー、英国
 ブッシュ四重奏団 1936年

ステレオなら、このリンゼイズ、モノラルなら、ブッシュ四重奏団がこの曲の最高の演奏だとsaraiは確信しています。その深い味わいには感銘を覚えるのみです。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico

kicoさん、初めまして。saraiです。

心配ですね。私はそのまま、沈静化するのを待っています。シュターツオーパーのチケットも購入しました。何としても行こうとは思って

03/09 22:12 sarai

はじめまして。私も同じ時期にウィーン滞在の計画をしており、楽友協会でのベルリンフィルのチケットを購入しました。が、新型コロナの件で、そもそも旅行に出られるのかど

03/09 16:59 kico

お役に立てて、なによりです。我が家では今でもメインのCDプレーヤーとして活躍しています。ただ、最近はCDはいったんリッピングしてHDDに格納し、USBオーディオでオーディ

01/18 15:18 sarai

父からアンプとセットで譲り受けたもののトレイが動かず困っていましたが、
ブログを見て自分で購入・修理することができました。
利益目的でもなくまた素人でも分かる記事

01/18 13:50 hisa

のりしんさん

saraiです。コメントお寄せいただき、ありがとうございました。
同じ追っかけ仲間、今後ともよろしくお願いいたします。
彼女の声は素晴らしいですね。

12/01 12:07 sarai

私も中村さんの追っかけやっております。昨日の演奏も圧倒的でしたね。中村さんの歌を聴いていると、なぜか涙腺が緩んで来ます。

12/01 09:39 のりしん
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