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京都探訪:市立美術館~琵琶湖疏水記念館~三十三間堂

今日は京都探訪の最終日。昨日までで当初の予定は完了。さて、今日はどう過ごしましょうか。
まずは今年の3月にリニューアルオープンした京都市美術館に行ってみましょう。名称は京都市京セラ美術館に改称したそうです。
コロナ禍の中、密を避けるために、予約者のみが入館できるそうです。昨日の締め切り時間、18時ぎりぎりに電話して、予約は済ませてあります。
滞在しているリゾートマンションから美術館へは歩いて10分もかかりません。
リニューアルした京都市京セラ美術館は正面の外観はこれまでの外観を踏襲していますが、地下にメインエントランスが新設されて、ゆるやかなスロープを下って、その地下エントランスに入館するようになっています。

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入館時の手順はお決まりのコロナ対策、手のアルコール消毒と体温測定を行います。で、予約確認後、ようやく、入館できます。窓口でチケットを購入し、入館です。今日はコレクションルームだけを鑑賞します。要するに常設展です。
季節ごとに展示作品を入れ替えて、日本画を中心とした展示を行っていくとのこと。写真撮影は基本不許可ですが、上村松園の作品の一部だけは撮影できるのだそうです。

上村松園の《初夏の夕》です。1949年、松園、74歳頃の作品です。さすがの筆さばきで美しく描かれています。

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上村松園の《晴日》です。1941年、松園、66歳頃の作品です。たすきがけで着物の洗い張りをしている女性の何気ない姿が描かれています。彼女の母の面影を描いたのでしょうか。

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上村松園の《待月》です。1926年、松園、51歳頃の作品です。うら若い女性の後姿が抒情深く描かれています。

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上村松園の《人生の花》です。1899年、松園、24歳頃の作品です。婚礼の席に向かう花嫁とその母の姿です。

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いずれも上村松園の代表作ですが、もうひとつ、saraiの心には響いてきません。

このほか、日本画を中心とした作品が展示されていましたが、何か華がありません。いずれも日本人画家の作品ですが、一部を除いて、個性に乏しい感じです。明らかに欧米の有名画家に影響を受けた作品もありましたが、そのほうがかえって、感じるところも多かったような気がします。

美術館を出て、仁王門通りを歩いて琵琶湖疏水記念館に向かいます。

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インクラインの線路を渡って、記念館への通路に上がります。

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疏水の水がさわさわと流れています。

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初日に散策したコースで疏水の水が暗渠に消えた先がここです。暗渠から勢いよく水が流れ出ています。この隣に記念館があります。

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記念館前から岡崎の疏水を眺めます。右手に動物園、美術館が並びます。

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記念館の中には興味深い展示が並びます。入館無料とは思えない充実度です。これは琵琶湖疏水のジオラマで、スイッチを押すと、ランプが付き、説明のアナウンスが流れます。今、第1疏水の説明を聞いているところです。

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これが若干23歳で疏水の技術面をリードした田邊朔朗です。技術者として、実に尊敬できる偉業を果たした人物です。彼なしに琵琶湖疏水の事業はなしえなかったでしょう。下に見えているのが、工部大学校(現在の東大)の卒論で書いた琵琶湖疏水の草稿です。

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琵琶湖疏水記念館の感慨深い展示を見て、動物園の裏手のほうに歩くと、何やら、立派なお屋敷があります。白河院庭園です。

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白河天皇のゆかりの庭園だそうです。ちょっと中を拝見しましょう。綺麗な池の周りに庭園があり、その先に瀟洒な2階建ての建物があります。

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緑の庭園と池は素晴らしい景色を作っています。

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何気ないところにこういうものがあるのが京都の魅力ですね。

さて、お昼時ですから、バスで四条河原町のあたりに移動して、うどんでもいただきましょう。四条の鴨川沿いには川床のお店が並んでいますがあまりお客さんがいませんね。

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四条大橋を渡ると、南座が見えます。

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そのお隣に鰊そばで有名なお店、松葉があります。ここでお昼をいただきます。

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狙いは1点、たぬきうどんです。京都ではあんかけのきつねうどんのことをたぬきうどんと言います。あやうく間違えて、きつねうどんを注文しそうになりますが、配偶者がちゃんと確認して、たぬきうどんを注文。絶品の美味しさです。

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たぬきうどんに舌鼓を打った後、京都の街中を散策しながら、三十三間堂に向かいます。ちゃんと三十三間堂の千体の千手観音像を見ていないような気がするからです。
祇園の花見小路に出ます。こんなに人がいない花見小路は初めてです。本当に観光客が激減しています。もちろん、外国人観光客はまったく見ません。

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これは京料理の豆寅。祇園で3階建ての建物は珍しいですね。

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そのまま、建仁寺の境内を抜けていきましょう。

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驚くべきことに建仁寺の境内にも人影が見えません。

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法堂もひっそりと佇んでいます。

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両足院の前には栄西禅師ゆかりの茶碑があります。栄西が宋から茶を持ち帰って、高山寺の明恵上人がその種を譲り受け、茶園を開きました。栄西が茶を日本に広めた功績を記念して、この茶碑が建てられています。

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さて、建仁寺の境内を南の端まで歩くと、一見、どん詰まりになっています。無理に禅居庵の門内に入ります。

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すると、横手の門に抜けられます。

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ゆずりあいの道という抜け道です。

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抜け道の先には摩利支尊天堂があります。ここのご厚意で抜け道があるそうです。

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抜け道の先には、大和大路通りがあります。

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この大和大路通りをまっすぐに五条通りを突き抜けていくと、やがて、三十三間堂の前に出ます。

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途中、豊国神社や京都国立博物館の大きな建物もあります。

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三十三間堂の大きな拝観受付の建物の前に出ます。ここで拝観券を求めます。

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受付の先に蓮華王院 三十三間堂の巨大な本殿が奥に伸びています。

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本殿の中に入ると、有名な通し矢の行われた長い回廊があります。その回廊の裏手に周ると、千手観音立像が並びます。夥しい数の千手観音立像です。その数、千体です。国宝です。
その千手観音立像の手前には、両端に雷神と風神像。これも国宝。凄い迫力です。その雷神と風神に挟まれて、前列に28体の仏像が並びます。これもすべて、国宝。その表情の異なる仏像はとても印象的です。
そして、中央には大きな千手観音像(中尊)が鎮座しています。もちろん、国宝です。大仏師湛慶(運慶の長男)82歳の作で、湛慶はこの千手観音像を完成させて、この世を去ります。
この頭上に11の顔、両側に40の手を持つ11面千手千眼観世音はとても優しく、こちらを見守ります。譬えは変ですが、西欧のマリアに比肩するかのようです。すべてをゆだねて、許されたいと感じます。
ちなみに本殿の建物自体も国宝です。

建物も仏像もすべて国宝というのにふさわしく、素晴らしい美の世界を満喫しました。

本殿の中を出て、本殿のまわりを巡ります。本殿の中央の正面です。

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本殿を奥の方から眺めます。

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奥の塀は豊臣秀吉が寄進した太閤塀です。

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これで今回の京都探訪はお終い。コロナ禍で、異常な状態の京都でしたが、実りのある旅になりました。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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久々のコメント、ありがとうございます。
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