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パウル・クレー・センター:バウハウス時代のクレー

2019年9月13日金曜日@ルツェルン~バーゼル~ベルン/6回目

ベルンBern郊外のパウル・クレー・センターZentrum Paul Kleeを訪れています。早速、入館して、チケットを購入。

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この美術館には日本語の美術館紹介のパンフレットも置いてあります。日本人に人気の高いパウル・クレーの最大のコレクションを所蔵する美術館ですから、日本人の美術愛好家も多数、訪れるのでしょう。

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荷物をロッカーに預けて、鑑賞開始。またまた、今回も見たこともないクレーの作品が並んでいます。この美術館は、毎回テーマを決めて作品を入れ替えます。前前回の訪問時は「日本とクレー」、前回の訪問時は「ピカソとクレー」でした。今回は「チャップリンとクレー」。笑いと涙をテーマにした、なかなか渋い、面白い展示です。これがパンフレットです。

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展示順ではなく、制作年順にご紹介していきます。実は晩年近くの1939年の作品、それも天使シリーズの線画の展示が多かったのですが、それは後でご紹介するので、お楽しみに。

《デッサンの後で》。1919年、クレー40歳頃の作品です。瞑想(自画像)という表題も付いています。この頃、クレーは画家として認められて、この年にミュンヘンの画商ゴルツと契約を結びます。淡い色彩でシンプルな構図で淡々と描かれた自画像には、画業に集中するクレーの思いがみなぎっています。

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《人形劇場》。1923年、クレー44歳頃の作品です。クレーは1920年にミュンヘンのゴルツの画廊で大回顧展を開き、同年、ヴァルター・グロピウスの招聘を受け、翌1921年から1931年までバウハウスで教鞭をとることになります。クレーが絵画研究に没頭し、芸術的に深化していく時期にはいっていきます。この作品のテーマ、人形劇もしばしば取り上げていきます。黒い背景に平面的なパーツを配置したような実験的な作品です。色彩の調和に注目しましょう。

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《俳優》。1923年、クレー44歳頃の作品です。舞台に立つ俳優が描かれていますが、俳優というよりも生意気なガキという感じで微笑ましく感じます。この作品でも暗い背景に暖色系の色彩を配置しているところが注目されます。

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《衣装と仮面を着けた女性》。1924年、クレー45歳頃の作品です。非常に繊細にデザインされた作品です。細い手足、細い首の女性がゆったりとしたエレガントな衣装で身を包み、仮面を着けた顔を横にずらしています。カールしたピンクの髪、ピンクのブーツなど、デフォルメした画面の中で、強調すべきところは細部を描き込んでいます。クレーが自分の絵画的なセンスをすべて注ぎ込んだような渾身の一作です。

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《円のなかの魚》。1926年、クレー47歳頃の作品です。まるで金魚鉢のような円形の中に色んな色彩の魚が描かれています。傑作、《金色の魚》(1925年、ハンブルク市立美術館)を連想しますね。《金色の魚》よりも地味ですが、なかなか、素晴らしい作品です。

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《グロテスクな劇場の小像》。1929年、クレー50歳頃の作品です。クレーはまだ、バウハウスの職に留まっていますが、時代は確実に不穏になってきています。クレーの不安な心理状態をこの絵から感じ取るのは間違いでしょうか。この世界恐慌の年の4年後にはナチスの弾圧により、クレーは長年住んだドイツからスイスへの亡命を余儀なくされます。

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《顔:滑稽なおばあさん》。1929年、クレー50歳頃の作品です。クレーはしばしば、人間の顔を画面いっぱいに様々な表情で描き込んでいます。この作品ではおばあさんがコミカルに描かれています。クレー独特の人間観察なのでしょうか。

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クレーのバウハウス時代の充実した作品がまだ、続きます。しかし、時代の不穏な足音は確実にクレーを追い詰めていきます。



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