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ヒラリー・ハーンが戻ってきた!@横浜みなとみらいホール 2012.6.2

ちょうど2年ぶりのヒラリー・ハーンでした。メンデルスゾーンのコンチェルト、オーケストラの開始とともにヒラリーが有名な第1主題を弾き始めます。その最初の音を聴いただけでもうsaraiはうるうるです。まさしくヒラリーの美音です。長く離れていた最愛の恋人に再会した想いです。昨年の3月に来日が流れ(当然のことですね。)、2年間待ちに待ったコンサートでした。何と2年前のまったく同じ日にチャイコフスキーのコンチェルトを聴いて以来です。あれは最高のチャイコフスキーでした。そのときの記事はここです。
考えてみたら、結果的に、ここ2回はメンチャイのコンチェルトだったわけで、ヒラリー・ハーンは名曲弾きのヴァイオリニストみたいですが、もちろん、そんなことはありません。ただ、今日もsaraiの生涯最高のメンデルスゾーンでした。名曲を弾いても、難解な曲を弾いても、彼女のヴァイオリンは常に最高のパフォーマンスを発揮します。saraiにとって、世界最高のヴァイオリニストです。多分、saraiの生涯で彼女を超えるヴァイオリニストは決して現れないでしょう。今回の来日公演はまだあと2回聴けるので、今日は余裕で聴けました。最後のサントリーホールのコンサートはしばらく聴けなくなる悲しみに襲われるかもしれません。昨日、来シーズンのウィーン・フィルのスケジュールを調べていたら、5月にウィーン・コンツェルトハウスでヒラリー・ハーンがシベリウスのコンチェルトを2回弾くことが分かりました。うっ・・・聴きたい! でも来年はもう4月と6月にウィーンに行くべく、ちゃくちゃくとチケット入手中なので、日程を割り込ませるのは絶望的です。誰かウィーン往復の航空チケットでのプレゼントしてくれないと無理ですね。

話がどんどんそれていくので、今日のコンサートの話に戻しましょう。

まず、今日のプログラムは以下です。

  ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン
  指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
  管弦楽:フランクフルト放送交響楽団

  メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
   《アンコール》バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番 BWV1003よりアンダンテ、アレグロ

《休憩》

  ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調
   《アンコール》シベリウス:悲しきワルツ

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は第1楽章の第1主題から、もう感じまくって、大満足。こんなふうな聴き飽きたとも思える曲でもヒラリーが弾くと、実に新鮮に響いてきます。本当に何もいうことはありません。CDでの演奏もレベルの高い演奏でしたが、もう遥か昔の演奏。凄いバージョンアップした演奏に感動しました。第1楽章のフィナーレの緊張感の高い演奏は、とても平静な気持では聴けませんでした。
第2楽章はちょっぴり不満。ヒラリーなら、もっと美しい響きで魅了してほしかったところ。彼女には珍しくちょっとしたミスもあったしね。もちろん、世界最高のヴァイオリニストへの注文です。次回のサントリーホールではもっと精度の高い演奏を期待しましょう。
第3楽章はもうパーフェクトでした。実にのりにのった演奏で爽快そのものです。いつまでもいつまでも終わらないでほしいと願うばかりの素晴らしい演奏です。ライブでCD再録音をお願いしたいです。
今日の演奏、特に高域の響きの繊細で柔らかい美しさにとても魅了されました。2年前よりも音楽がおおらかになって、音楽の楽しさを感じさせてくれるものに変容してきました。ますます成熟の時を迎えてきたようです。
アンコールのバッハはもちろん、最高でした。ソナタの第2番はまだCDにも含まれていない曲です。完璧な演奏です。第3曲のアンダンテのあまりに美しい演奏にうっとりしていたら、続く第4曲のアレグロの疾走する響きにさらなる感動。バッハの無伴奏の全曲のリサイタルを聴きたくなる一方です。せめて、CDで全6曲をリリースしてほしいと願っています。

休憩で気持ちを切り換えて、ブルックナーの大曲に備えます。これも期待大です。
期待は残念ながら、裏切られました。実に平凡な演奏。これでは日本のオーケストラでも演奏できるレベルです。一番の問題は後期ロマン派の香り高い美しさが感じられないことです。それだけでなく、抑制のきいていない指揮ぶりで静寂さが表現できていなく、強音はうるさく感じます。これが第1楽章、第2楽章と続きます。第2楽章は聴いたこともないような早いテンポでいただけません。ブルックナーの音楽の頂点のひとつである第3楽章では立ち直りを期待しましたが、やはりブルックナー本来の美しさはとても感じられません。救いは第4楽章でした。美しい表現もみられ、その対極の力強さも感じられました。最高の演奏とまではいきませんが、まあ、ほどほど満足できるレベルです。せめて、第4楽章のレベルで第3楽章も演奏してくれれば、これほど酷評しなくても済んだのにね。オーケストラ自体はもっと能力がありそうなので、パーヴォの指揮に問題がありそうです。サントリーホールでは修正してくれることを切に願います。
アンコールはパーヴォお得意というか、いつもこれに決まっているシベリウスです。この演奏は今までで一番よかったような気がします。まだ、父親のネーメ・ヤルヴィの域には達していませんけどね。ネーメ・ヤルヴィの《悲しきワルツ》についてはここに書きました。

6月7日のサントリーホールでもまったく同じプログラムを聴きます。さて、どんな演奏になるでしょう。ヒラリーの演奏、楽しみです。


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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2012/06/03 17:20
saraiさん、こんにちは。

Pヤルヴィ/フランクフルトRSOのコンビは三年ぐらい前にマーラー9番を聴いて、結構気に入りました。ですので今回もマーラーの5番を聴く予定です。この人のブルックナーは一度も聴いていませんが、個人的な勘で余り気が進まなかったのです。
saraiさんの今回の感想からすると、「やはり」という気もします。サントリーでリベンジしてくれると良いですね。

2, saraiさん 2012/06/03 23:38
ハルくんさん、こんばんは。saraiです。

ははあ、勘ですか・・・。ブルックナーもマーラーもいい指揮者って、あまり、いないですね。パーヴォはマーラーですか。
もっとも、私の狙いはあくまでもヒラリーでしたから、これはこれで納得です(ただの強がり・・・)。
マーラーの5番がよい演奏であれば、いいですね。ブルックナーは秋のティーレマンに期待します。

3, Masaさん 2012/06/05 12:37
こんにちわ。どうも同じホールにいたようですね。
Saraiさんと同じくメンコンは、ヒラリーの素晴らしさに魅了されました。もう何回も聴いたこの曲ですが、新たな感動をもらいました。
ブルックナーも同じ感想で、やや残念さが残りました。僕はどちらかというと、ホルンとトランペットの不調さにがっくりでした。もちろんヤルヴィの指揮にも問題ありとも感じましたが・・・・
次の日に名古屋に戻り、アリスのピアノでリスト、そしてマーラーを聴きましたが、こちらは両方とも非常に満足できるものでした。
確かに、マーラーもブルックナーもいい指揮者って少ないのかも知れませんねー。

4, saraiさん 2012/06/05 13:26
Masaさん、こんにちは、saraiです。

ヒラリー素晴らしかったですね。ブルックナーはあまりの酷さに家でチェリビダッケの伝説のリスボン・ライブを聴きました。物凄く感動しました。指揮者によって、天と地の差です。

そのパーヴォがマーラーではよい演奏だったんですね。音楽の世界は難しい!

5, Masaさん 2012/06/06 07:27
チェリのリスボン・ライブのブルックナー、私も持っています。しばらく聴いてなかったので今日にでも聴いてみます。

6, saraiさん 2012/06/07 00:03
Masaさん、こんばんは。

チェリビダッケのあまりの素晴らしさのとりこになって、東京ライブまで聴いて、また感動。明日のパーヴォの演奏が恐い!
チェリビダッケについて記事まで書いてしまいました。是非、読んでみてくださいね。
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       ヒラリー・ハーン,

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尻上がりに素晴らしくなりました!
あの弦の響きにもうハマるのですよ!
あと2公演ありますが、もう既に同じプログラムを2回演奏しているので、ますます良くなるか、ち

11/09 10:56 えりちゃ

えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai
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