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戸田弥生の圧巻の美しい音色に酔う フランクのヴァイオリン・ソナタ@上大岡 ひまわりの郷 2021.3.21

戸田弥生は初めて聴きましたが、何と言っても、グァルネリ・デル・ジェスの美しい音色には参りました。音楽の基本は音の美しさであることを再認識させられます。ほとんど、その音色の美しさに酔っていました。大変な実力の持ち主です。何故、今まで聴かなかったんだろうと臍を噛む思いです。音程も安定していて素晴らしく、音楽表現もごく自然で無理がありません。日本のヴァイオリン界(そんな言葉ってあるのかな?)にはまだまだ逸材が多いようです。

冒頭のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ 第5番「春」、スプリング・ソナタって言ったほうが分かりやすいですが、最初の一音を聴いただけで戸田弥生のヴァイオリンの音色の美しさに魅了されます。あの有名な美しい旋律がすっと心に入ってきます。何と自然で美しいんでしょう。理想的とも思える演奏です。この主題が演奏されるたびに心が癒される思いです。ベートーヴェンが極めて美しい作品を書いたことに感動も覚えます。その後の楽章もそのヴァイオリンの美しい音色に魅了されっぱなしでした。素晴らしいスプリング・ソナタでした。

次は何故か、野原みどりのピアノの独奏です。先ほどのベートーヴェンは室内楽的な演奏でしたが、このショパンはいかにもピアノの独奏という感じで低域から高域までバランスのとれた響きの美しい演奏です。初めて聴きましたが、この人もなかなかの実力です。日本のピアノ界(そんな言葉はあるのか?)も実力者が目白押しですね。

次はまた、デュオです。このラヴェルは戸田弥生は野太い音色のヴァイオリンで逞しさのある演奏です。後半のテンポ感の演奏は迫力があります。こういう演奏もするんですね。響きの美しさは相変わらずです。

休憩後、後半はフランクのヴァイオリン・ソナタです。またもや、戸田弥生のヴァイオリンは冒頭から、何とも美しい音色を聴かせてくれます。グァルネリ・デル・ジェスの素晴らしさを十全に活かしきった最高の演奏にただただ、うっとりと聴き入るのみです。saraiはかぶりつきの席で聴いているので、その弱音のかそけきニュアンスも聴き取れます。第1楽章の循環主題の美しい演奏にとても満足します。これまで美しいヴァイオリンの音色はたくさん聴いてきたつもりですが、その中でも最高級の折り紙を付けてよいと心の中で評価します。第2楽章に入っても、その美しい音色は続きます。美し過ぎるところが欠点とも言えるような贅沢な音楽です。第3楽章もこのヴァイオリンはよく鳴ります。そして、第4楽章に入ります。もう、耳がその美しさに麻痺したような感覚に陥ります。どんなパートも美しさの限りを尽くしたような響きです。いつまでも続いてほしい音楽です。30分ほどの大曲ですが、ただただ、美しいヴァイオリンの音色に魅了されているだけでした。終わってほしくない美の極致ですが、終わってみても満足感だけが残ります。

アンコールは少し抑えた演奏で、それほど美しい音色を表出しませんでした。彼女は自分でも美し過ぎる音色を恥じているのかしら。思いっ切り、美しい音色の路線を突き進んでいいのにと思います。シューマンとかブラームスではどんな演奏をするのか、猛烈に興味を抱きました。また、彼女のヴァイオリンを聴いてみましょう。
ところで途中でトークがありましたが、戸田弥生は福井出身のようです。saraiの愛妻と同郷なんですね。年齢的にはずい分、若いようですけどね。幼少時代は地元では天才の誉れだったんでしょうね。うーん、これから贔屓にしましょう。


今日のプログラムは以下です。

 戸田弥生 & 野原みどり デュオ・リサイタル

  ヴァイオリン:戸田弥生
  ピアノ:野原みどり

  ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第5番 Op.24「春」
  ショパン:ポロネーズ 第7番 Op.61 「幻想」 <ピアノ・ソロ>
  ラヴェル:ツィガーヌ

   《休憩》

  フランク: ヴァイオリン・ソナタ イ長調
 
   《アンコール》
     ファリャ :7つのスペイン民謡 から 第5曲 ナナ(子守歌) (ヴァイオリン編曲版)
     ドビュッシー :前奏曲集 第1巻 から 第8曲 亜麻色の髪の乙女 La fille aux cheveux de lin (ヴァイオリン編曲版)

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ 第5番「春」は以下のCDを聴きました。

 ギドン・クレーメル、マルタ・アルゲリッチ 1987年3月 ベルリン セッション録音
 
クレーメルとアルゲリッチのベートーヴェンのソナタ集は切れ味のある素晴らしい演奏ばかりです。こんな演奏を聴き逃がしていたとはね。ともかく聴いていて、気持ちのいいこと、この上ありません。


2曲目のショパンのポロネーズ 第7番 Op.61 「幻想」 は以下のCDを聴きました。

 マウリツィオ・ポリーニ 1975年11月、ウィーン セッション録音
 
期待したほどの演奏ではありません。もちろん、水準以上のレベルではありますが、うーんと唸るほどではありません。


3曲目のラヴェルのツィガーヌは以下のCDを聴きました。

 オーギュスタン・デュメイ、マリア・ジョアン・ピリス 1993年9月、10月 ミュンヘン セッション録音

デュメイの美しい音色が心地よい演奏。


4曲目のフランクのヴァイオリン・ソナタは以下のCDを聴きました。

 オーギュスタン・デュメイ、マリア・ジョアン・ピリス 1993年9月、10月 ミュンヘン セッション録音

安定した美しい演奏で魅了してくれます。このコンビは何を弾かせても素晴らしい演奏をしてくれます。



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