稀有なプログラムに満足 白井 圭 + 日髙 剛 + 津田裕也@上大岡 ひまわりの郷 2021.4.4
シューマン、ディートリヒ、ブラームスの合作のF.A.E.ソナタはディートリヒの作曲した第1楽章以外はそれぞれ聴いたことはあります。ディートリヒの作曲した第1楽章も師匠のシューマンの面影を感じる出来ですね。ただ、ちょっと内容的に長過ぎる感じは否めません。ブラームスの作曲した第3楽章のスケルツォとシューマンが作曲した第4楽章のフィナーレは白井圭の素晴らしいヴァイオリンの響きが聴けて、なかなかのものでした。
シューマンの《アダージョとアレグロ》もホルンとピアノという元々の楽器構成での演奏です。現在はむしろ、チェロとピアノの構成で聴く機会のほうが多い曲です。ホルンの柔らかくて、茫洋とした響きで聴くのもよいものでした。特にアダージョがロマンティックでよい演奏でした。
シューマンのアラベスクはお馴染みの作品。終盤のロマンティックな部分にはいつもうっとりとします。
最後のブラームスのホルン三重奏曲が今日のメインの曲目です。第3楽章のアダージョ・メストがうっとりと素晴らしい演奏でした。
今日は本当によいものを聴かせてもらいました。ホルンの絡む室内楽作品だけでも珍しいのに、さらにF.A.E.ソナタですからね。
今日のプログラムは以下です。
ヴァイオリン:白井 圭
ホルン:日髙 剛
ピアノ:津田裕也
シューマン、ディートリヒ、ブラームス(合作):F.A.E.ソナタ(白井+津田)
シューマン:アダージョとアレグロ Op.70 (日髙+津田)
《休憩》
シューマン:アラベスク Op.18 (津田)
ブラームス:ホルン三重奏曲 Op.40
《アンコール》
ブラームス:5つのリート Op. 105 から 第1曲 調べのように私を通り抜ける(ヴァイオリンとホルンとピアノ編)
最後に予習について、まとめておきます。
1曲目のF.A.E.ソナタは以下のCDを聴きました。
イザベル・ファウスト、アレクサンドル・メルニコフ 2014年9月 セッション録音
この二人の演奏は今年、シューマンを中心としたプログラムで聴いたばかりです。この録音も充実の演奏を聴かせてくれます。
2曲目のシューマンの《アダージョとアレグロ》は以下のCDを聴きました。
マリー=ルイーズ・ノイネッカー(ホルン)、アレクサンドル・ラビノヴィチ 1994年9月18日、コンセルトヘボウ、ナイメーヘン、オランダ ライヴ録音
よい演奏に思えます。ホルンでの録音はあまりないので貴重です。
3曲目のシューマンのアラベスクは以下のCDを聴きました。
田部京子 2007年12月5日 浜離宮朝日ホール ライヴ録音
素晴らしい演奏。気品があって、優しい演奏に心がほっこりします。
4曲目のブラームスのホルン三重奏曲は以下のCDを聴きました。
イザベル・ファウスト、トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールト、アレクサンドル・メルニコフ 2007年6月 テルデックス・スタジオ、ベルリン セッション録音
素晴らしくロマンティックな演奏にうっとりとします。
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