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東響の新しい星、原田慶太楼凄し!暴力的とも思えるショスタコーヴィチは圧倒的@サントリーホール 2021.4.17

原田慶太楼が東響の新しい正指揮者になり、今回はそのお披露目のコンサート。以前、彼がN響を指揮したときは彼のストレートな表現にN響が反応できずに歯がゆい思いでしたが、今日は違いました。東響は原田慶太楼の指揮に完璧に反応し、熱い演奏を繰り広げてくれました。東響はジョナサン・ノットに加えて、また一人、強力な指揮者を加えて、万全な体制になりましたね。原田慶太楼の指揮を聴くのは今回で2回目ですが、これは本物であることを確信しました。冒頭の挨拶代わりのティケリのブルーシェイズのノリに乗った演奏も素晴らしかったのですが、ショスタコーヴィチの交響曲第10番の見事な演奏にこちらまで熱くなりました。実にストレートな表現、それも細部まで独自性に満ちた音楽作りです。特に暴力的、攻撃的とも思える凄まじい音楽表現に圧倒されましたが、決して、受け狙いではなく、緻密に音楽を解釈した上での演奏に思えました。哀調に満ちた美しい音楽も聴こえてきましたし、オーケストラのコントロールが完璧で、その完成度の高さに終始、聴き入ってしまいました。結果、saraiがこの作品にこれまで抱いていたイメージが一新されてしまいました。無論、ゲルギエフのような暗い沈痛な演奏も嫌いじゃありませんけどね。ショスタコーヴィチを聴いて、こんなにインスパイアされたのは久しぶりです。ショスタコーヴィチもこれから、多様な演奏スタイルが広がることで、音楽的な意味が問われていくことになるのでしょう。

それにしても、原田慶太楼と東響の相性は抜群に思えます。カリスマ性さえ感じられる原田慶太楼の思い切った音楽表現に完璧に反応する東響の素晴らしいアンサンブルは必ずや新しい地平を切り開いていきそうな予感がします。ジョナサン・ノットの知的で深い音楽表現、そして、原田慶太楼の個性的で思い切った音楽への切り込みの両輪で東響はさらなる進化を遂げていくことを願います。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:原田慶太楼
ヴァイオリン:服部百音
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  ティケリ:ブルーシェイズ
バーンスタイン:ソロ・ヴァイオリン、弦楽合奏、ハープと打楽器のためのセレナード(プラトンの『饗宴(シュンポシオン)』による)

  《アンコール》ハインリヒ・ヴィルヘルム・エルンスト:「フランツ・シューベルトの『魔王』による大奇想曲」Op.26

  《休憩》

  ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 ホ短調 Op.93


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のティケリのブルーシェイズを予習したCDは以下です。

  ユージン・コーポロン指揮ノース・テキサス・ウインド・シンフォニー 1997年 セッション録音

これは吹奏楽版。今日演奏されたのは管弦楽版でした。このCDが録音された時点では、まだ、吹奏楽版しかなく、その後、管弦楽版が作られました。演奏自体はノリのよい聴き応えのあるものです。


2曲目のバーンスタインのセレナードを予習したCDは以下です。

  ギドン・クレーメル、レナード・バーンスタイン指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 1978年10月 テルアビブ、フレデリック・R・マン・オーディトリアム ライヴ録音
  ヒラリー・ハーン、デイヴィッド・ジンマン指揮ボルティモア交響楽団 1998年5月 ボルティモア セッション録音

クレーメルは作曲者自身の指揮で共演し、完璧とも思えるヴァイオリン独奏を聴かせてくれます。一方、ヒラリー・ハーンは17歳でデビューCDでバッハの無伴奏の素晴らしい演奏を録音した後、デビュー第2弾がこのCDで、ヒラリーが18歳のときの演奏。既に亡くなっていた作曲者のバーンスタインに聴かせてみたかったような溌剌とした演奏です。


2曲目のショスタコーヴィチの交響曲第10番を予習したCDは以下です。

  ルドルフ・バルシャイ指揮ケルン放送(WDR)交響楽団 1996年10月 ケルン、フィルハーモニー セッション録音

ショスタコーヴィチの交響曲第14番の初演者でもあるバルシャイが私財を投じて完成させたショスタコーヴィチの交響曲全集は金字塔とも言えるものです。この演奏はその中の1枚。意外にあっさりした演奏で中庸的な演奏です。



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