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最高の演奏!上原彩子+ラザレフ指揮日本フィル@サントリーホール 2012.5.18

上原彩子のピアノ演奏に心底、感動しました。音色、タッチともに申し分なく、このラフマニノフのピアノ協奏曲第3番という難曲をノーミスで余裕で弾き切ってしまいました。しかし、それ以上に高い音楽性に感じ入ってしまいました。
今日のラフマニノフの演奏は、saraiがイメージしている理想の演奏そのものを具現化してくれるもので、パーフェクトという言葉では表現しきれないものです。上原彩子という女性は何という素晴らしいピアニストでしょう。
4月にベルリンで聴いたペライアのシューマンの協奏曲の演奏にも比肩できるものです。ペライアは世界最高のピアニストであるとsaraiは思っていますので、それでは上原彩子もそのレベルだということになってしまいます。確かに上原彩子は演奏曲目によって、まだ、演奏の質にばらつきはあります。しかし、今日のような最高の演奏をすると、無敵のピアニストであると言えるでしょう。この素晴らしいピアニストの演奏を日本にいながらにして聴けるというのは何と幸せなことでしょう。それにしても客席には空席もありました。これほどの演奏に対して、とてももったいないことです。
saraiが最初に上原彩子の演奏に接して仰天したのは、このラフマニノフのピアノ協奏曲第3番でした。それからは聴ける限りのコンサート・リサイタルを聴き続け、数年ぶりにこの演奏に再会しました。思えば、最初に聴いたときのピアノはYAMAHAでした。今日はスタインウェイです。楽器も変わり、そして、演奏の質も恐ろしいくらいの高みに達しました。今日の演奏は上原彩子のベストの演奏であると確信を持って言えます。しかし、彼女はさらなる高みに飛翔していくでしょう。saraiはただただ、その演奏を聴き続けていくだけです。

今日のプログラムは以下です。

  ピアノ:上原彩子
  指揮:アレキサンドル・ラザレフ
  管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

  ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30

《休憩》

  チャイコフスキー:交響曲第3番 ニ長調 Op.29《ポーランド》

最初のラフマニノフについては何も言うことはありません。第1楽章から第3楽章まで緊張感のある音楽でした。上原彩子のピアノは弱音から強音に至るまで、クリアーでピュアーな響き。そして、高音での煌めく星のような澄んだ音色、これは細かい難しいフレーズでも変わることはありません。鍵盤の上を文字通り、駆け巡る指の動きはとても美しく、見ているだけでアートです。ずっと、金縛りにあったように見入り、聴き入っていました。第1楽章の後半、叩きつけるような和音の連打でオーケストラと盛り上がるところは興奮せざるを得ませんでした。そして、第3楽章のフィナーレ、渾身の演奏が展開されます。演奏はどんどん、頂点を目指して上りつめていきます。これで感動しない人はラフマニノフを聴く資格がないと言えるでしょう。saraiは頭が真っ白になるほど、感動の頂点で上原彩子の音楽とひとつになれました。音楽を聴いて、これ以上のことはありません。なお、付記しておくと、ラザレフの指揮による日本フィルの演奏も好サポートでとてもよい演奏でした。

休憩後のチャイコフスキーはアドレナリン不足の状態で聴きましたが、祝祭的な雰囲気が十分に出た楽しい演奏でした。あまりに楽天的過ぎる演奏ではありましたが、これもひとつの演奏スタイルでしょう。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       上原彩子,

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05/13 23:47 sarai
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