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辻彩奈の瑞々しいブラームス、ロマンティックなプロコフィエフ@ミューザ川崎シンフォニーホール 2021.5.3

このところ、辻彩奈のヴァイオリンを聴き続けていますが、今日は大失策。開演時間を30分間違えて、1曲目のベートーヴェンは聴き損ねました。ショック・・・
ようやく、ベートーヴェンが終わったところで、スタッフの方に先導されて、席に着きました。初体験です。

それで始まったブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」は辻彩奈の伸びのある、しなやかなヴァイオリンの響きでうっとりするような演奏。ともかく、ヴァイオリンの響きが素晴らしいです。これが彼女のこの曲の初披露とは驚きました。ピアノの江口玲の演奏もとてもよくて、気持ちのよいブラームスです。1曲目を聴き逃がしたショックからもこの演奏で立ち直れました。まあ、今日、1番、楽しみにしていた曲だったので、満足です。それにしても、このブラームスの作品は、シューベルト~シューマンというロマン派の王道の流れの1曲であることを強く感じさせられました。ブラームスはこの曲をヴェルター湖畔のペルチャッハで作曲しましたが、同時期にこの地では交響曲第2番、ヴァイオリン協奏曲というロマン派を代表する名曲も書かれました。ブラームスがロマンの極みに到達した時期の1曲です。辻彩奈はこのロマンの香り高い名曲を瑞々しく、清新に描き出しました。こうなると、次はシューマンやシューベルトも聴かせてもらいたいものです。

休憩後、今度はモダニズムの代表のようなプロコフィエフです。この曲はsaraiは最初はフルート・ソナタで聴きましたが、今はすっかり、ヴァイオリン・ソナタで違和感なく聴けるようになりました。しかし、辻彩奈のヴァイオリンは今まで聴いてきた演奏と異なり、まるでロマン派の名曲を聴くかごとくの演奏です。最初は少し、驚きましたが、しばらく聴いていると、実にその爽やかなロマンが心地よくなります。辻彩奈の伸びやかでありながら、抑え気味に弾くヴァイオリンの響きが新しいプロコフィエフ像を描き出します。無機的でクールな雰囲気のプロコフィエフも好きですが、こういう温かみのあるロマンに満ちたプロコフィエフもいいですね。それに辻彩奈のヴァイオリンはロマン派に向いているような気がします。ロマン派を起点にモダニズムや古典派にその演奏の幅を広げていくのがいいのかもしれません。

今日の3曲はすべて、辻彩奈の初レパートリーだったそうです。今後、協奏曲だけでなく、こういう室内楽にもどんどんチャレンジしていってもらいたいものです。次は都響と共演するサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番を聴く予定です。彼女に向いた曲なので、好演が期待できそうです。その次には日本フィルと共演するシベリウスもあります。聴く機会が多くて、楽しみです。


今日のプログラムは以下です。

 辻 彩奈 ヴァイオリン・リサイタル

  ヴァイオリン:辻彩奈
  ピアノ:江口玲

  ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番 ト長調 Op.96
  ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」 ト長調 Op.78

   《休憩》

  プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 Op.94bis
 
   《アンコール》
     マリア・テレジア・フォン・パラディス:シチリアーノ

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第10番は以下のCDを聴きました。

 ギドン・クレーメル、マルタ・アルゲリッチ 1993年12月、モントルー セッション録音
 
このコンビは素晴らしいヴァイオリン・ソナタ全集を聴かせてくれますが、これは彼らとしてはフツーの出来です。


2曲目のブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」は以下のCDを聴きました。

 アンネ=ゾフィー・ムター、ランバート・オーキス 2009年11月-12月 ポリング ライヴ録音
 
ムターの余裕の演奏。大胆にして、細心とはこのことでしょうか。


3曲目のプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第2番は以下のCDを聴きました。

 ギドン・クレーメル、マルタ・アルゲリッチ 1991年3月、4月 リュッセル Maison De La Radio Bri/Rib Studio 4 セッション録音

このコンビの会心の演奏。これ以上の演奏は望むべくもありません。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       辻彩奈,

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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