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メンデルスゾーンの八重奏曲の室内楽的アプローチの緻密な演奏 エルサレム弦楽四重奏団×カルテット・アマービレ@サントリーホール ブルーローズ(小ホール) 2021.6.12

この日、2回目のコンサートです。オペラシティからサントリーホールは丸の内線、南北線を乗り継げば、意外に近いですね。

円熟のエルサレム弦楽四重奏団と日本の若手4人組のカルテット・アマービレによるメンデルスゾーンの八重奏曲が聴きたくて、このコンサートに足を運びました。

前半はそれぞれの弦楽四重奏団が個別の演奏を聴かせてくれます。最初はカルテット・アマービレと思っていたら、あれっ・・・エルサレム弦楽四重奏団の登場です。プログラム変更でしょうか。先にヤナーチェクの弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」を弾くようです。しかし、これはsaraiの勘違い。演奏が始まると、モーツァルトの弦楽四重奏曲第21番 ニ長調 K. 575「プロイセン王第1番」です。てっきり、カルテット・アマービレがモーツァルト、エルサレム弦楽四重奏団がヤナーチェクだと思っていましたが、逆でした。わざわざ、エルサレム弦楽四重奏団でヤナーチェクの予習までしたのにね。
気を取り直して、演奏を聴きます。うーん、なかなか、円熟味のあるモーツァルトです。安定した演奏できっちりとモーツァルトの後期の弦楽四重奏曲を奏でます。実はエルサレム弦楽四重奏団は初めて聴きますが、こんな演奏をするのだったら、前日まで続いていたベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲のチクルスを聴けばよかったと後悔します。きっと、いい演奏だったんでしょうね。

次はカルテット・アマービレの登場です。彼らの演奏を聴くのは2回目です。前回はシューベルトとブラームスでした。あの癖のあるヤナーチェクをどう演奏するんでしょう。固唾を飲んで、聴きます。うーん、なかなかの力演です。若さ漲る思い切った表現で好感を持てます。ヤナーチェクの音楽が完璧に表現できているかと言えば、少し違和感も感じますが、土台、モラヴィアのチェコ語法に基づくヤナーチェクの音楽はチェコ語を解さないと表現が難しいようです。そういうローカル性を除くと、モラヴィア音楽をインターナショナルに展開させた彼らの演奏は普遍性のあるものでしょう。実際、彼らの思い切った踏み込みの演奏は痛快であり、かつ、音楽性にも満ちており、極めて、集中して音楽にのめり込んでしまいました。とても素晴らしい演奏でしたし、やはり、ヤナーチェクの音楽はいいですね。

休憩後、エルサレム弦楽四重奏団×カルテット・アマービレがステージの左右に並びます。とても室内楽とは思えない大人数です。エルサレム弦楽四重奏団が中心になり、カルテット・アマービレがサポートするという感じの演奏が進んでいきます。とりわけ、エルサレム弦楽四重奏団の第1ヴァイオリンのアレクサンダー・パヴロフスキーが中心になって、音楽をリードしていきます。その後も色んなメンバーの組み合わせでの合奏が聴けるのも面白さのポイントのひとつです。音楽が高揚したのは第4楽章のフーガです。実に聴き応えがありました。若干16歳のメンデルスゾーンがこういう対位法の複雑な音楽を書けたというのが信じられません。ともかく、このあまり演奏されない曲を2つの弦楽四重奏団が一体になって、緻密な演奏を聴かせてくれたのは素晴らしいことでした。以前、聴いたのはライナー・キュッヒル率いるウィーン・フィルのメンバーとミュシャ・マイスキーや日本人奏者が混合したチームでのシンフォニックな演奏でしたから、室内楽的アプローチの演奏はこうなるのねっていう感じで面白く聴けました。
満場、大拍手でしたから、アンコールで第4楽章をもう一度、弾いてくれるともっと嬉しいところだったのですが。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:エルサレム弦楽四重奏団
   ヴァイオリン:アレクサンダー・パヴロフスキー
   ヴァイオリン:セルゲイ・ブレスラー
   ヴィオラ:オリ・カム
   チェロ:キリル・ズロトニコフ

  弦楽四重奏:カルテット・アマービレ
   ヴァイオリン:篠原悠那
   ヴァイオリン:北田千尋
   ヴィオラ:中恵菜
   チェロ:笹沼樹


   モーツァルト:弦楽四重奏曲第21番 ニ長調 K. 575「プロイセン王第1番」
   ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」

    《休憩》

   メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20

    《アンコール》
    なし


最後に予習について触れておきます。
1曲目のモーツァルトの弦楽四重奏曲第21番 ニ長調 K. 575「プロイセン王第1番」は以下のLPレコードを聴きました。

 アマデウス弦楽四重奏団 1969年 ベルリン セッション録音

アマデウス弦楽四重奏団を集中的に聴いています。この演奏は彼らにしてはもうひとつという感じです。


2曲目のヤナーチェクの弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」は以下のCDを聴きました。

 エルサレム弦楽四重奏団 2013年5月、7月録音、ベルリン セッション録音

意外と言っては失礼かもしれませんが、とても素晴らしい演奏に聴き惚れました。


3曲目のメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲は以下のCDを聴きました。

 スメタナ四重奏団+ヤナーチェク四重奏団 1968年 プラハ、スプラフォン・ドモヴィナ・スタジオ セッション録音

一世を風靡した両カルテットの演奏は見事です。第4楽章のフーガの素晴らしさに感銘を受けました。



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ジャンル : 音楽

       カルテット・アマービレ,

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