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ウィーンがやってきた! ハイドン尽くしのキュッヒル・クァルテット@サントリーホール ブルーローズ(小ホール) 2021.6.24

今日から3日間、キュッヒル・クァルテットでハイドン尽くしです。今さらながら、ハイドンの音楽を再評価したい気持ちで一杯です。

それにしても、キュッヒル・クァルテットは過去及び現役のウィーン・フィルのメンバーで構成され、中心は45年間もコンサートマスターを続けてきたライナー・キュッヒルです。今日もウィーン・フィルの響きを満喫しました。覚えている読者の方もいるでしょうが、昨年の5月はsaraiの渡欧30周年を記念して、ウィーンで個人的なパーティを開くつもりでした。あえなく、コロナ禍で中止にしましたが、そのパーティの中心はウィーン・フィルのメンバーによる弦楽四重奏でした。図らずもサントリーホールに別のメンバーがやってきて、別の形でウィーン・フィルのメンバーによる弦楽四重奏を聴くことができて、留飲を収めた気持ちです。かぶりつきの席で聴きましたから、自分のためにだけ演奏してくれていると錯覚することも可能でした。

今日は、そして、明日も明後日もハイドン尽くし。そんな経験はこれまで皆無です。なかなか、ハイドンのチクルスなどはないので、これからも経験できそうにありません。このところ、この3日間に向けて、ハイドンの弦楽四重奏曲ばかりを聴いていますが、こんなにハイドンをきちんと聴いたことはありません。これも今さらながら、ハイドンの素晴らしさを再認識しました。バロックから出発して、古典派のスタイルを確立し、さらにその先に上り詰めた音楽です。
ということで、ちょっと肩に力がはいった感じで今日の演奏に臨みましたが、ある意味、違う方向の感触に至ります。それはハイドンこそはウィーンの音楽そのものだということです。ウィーンと言えば、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトに始まり、ブルックナーやマーラー、さらにはシェーンベルク、ベルク、ウェーベルン。軽いところでは、ヨハン・シュトラウスなど多士済々。しかし、今日のようにハイドン尽くしをウィーン・フィルのメンバーで聴かされると、ウィーン=ハイドンと思えてしまいます。もっとも古き良きウィーンですけどね。本編での3曲とアンコール曲でこれだけハイドンを聴くと、まさにウィーンの街にいるような錯覚を覚えます。ああ、ウィーンの街が懐かしい!!

今日の演奏は個々に触れても仕方がありませんが、簡単に概観しておきましょう。バロック的な第32番 Op.20-2は彼らが弾くと、美しいウィーン・フィル風の演奏になります。第60番 Op.55-1は古典派としてスタイルが確立した後で、さらに洗練された作品ですから、とってもウィーン・フィル風の演奏が似合います。第79番 「ラルゴ」Op.76-5はハイドン後期の傑作です。まさにキュッヒル・クァルテットの実力がフルに活かされる作品で、圧巻の演奏。スキのない完璧な演奏でした。3曲通して、ハイドンの音楽を大回顧しているようなものです。おまけに次々と繰り出してくるアンコール曲。明日と明後日の予習ですね。気が付いてみれば、結局、第38番「冗談」 Op.33-2 を全曲、演奏してしまいました。これは明後日の本編で聴く曲です。『ロシア四重奏曲』6曲の中の1曲ですが、『ロシア四重奏曲』はハイドンが古典派の弦楽四重奏曲を確立した作品で、モーツァルトがこれにインスパイアされて、ハイドン・セット6曲を書いたのは有名な話です。やはり、それだけのことはある傑作です。キュッヒル・カルテットが見事に演奏してくれました。明後日も楽しみです。

何かと楽しいコンサートでした。明日も明後日も充実した演奏が聴けそうです。ハイドン!ハイドン! そして、ウィーン!ウィーン!


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:キュッヒル・クァルテット
    ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル
    ヴァイオリン:ダニエル・フロシャウアー
    ヴィオラ:ハインリヒ・コル
    チェロ:シュテファン・ガルトマイヤー

   ハイドン:弦楽四重奏曲
    第32番(第25番)ハ長調 Hob. Ⅲ:32 Op.20-2
    第60番(第45番)イ長調 Hob. Ⅲ:60 Op.55-1

    《休憩》

    第79番(第64番)ニ長調 Hob. Ⅲ:79「ラルゴ」Op.76-5 

    《アンコール》
    ハイドン:弦楽四重奏曲第57番(第42番)ト長調 Hob. III:58 Op.54-1 より 第2楽章
    ハイドン:弦楽四重奏曲第38番(第30番)変ホ長調 Hob. III:38「冗談」 Op.33-2 より 第4楽章、第2楽章、第3楽章、第1楽章


最後に予習について触れておきます。

1曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第32番 Op.20-2は以下のCDを聴きました。

 キアロスクーロ弦楽四重奏団 2014年2月 ブレーメン、センデザール セッション録音
 モザイク弦楽四重奏団 1990-92年 セッション録音

キアロスクーロ弦楽四重奏団は響きが素晴らしく、ハイドンの録音がこれから揃っていくのが楽しみです。一方、モザイク弦楽四重奏団はまるでバロックの響き。これまた素晴らしい演奏です。


2曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第60番 Op.55-1は以下のLPとCDを聴きました。

 アマデウス弦楽四重奏団 1972年 ミュンヘン セッション録音 LPレコード
 リンゼイ弦楽四重奏団 1994年 聖トリニティ教会、ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音
 モザイク弦楽四重奏団 1990-92年 セッション録音

いずれも素晴らしく、甲乙つけがたしの感です。強いて言えば、リンゼイ弦楽四重奏団が頭ひとつ出ているかなあ。


3曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第79番 「ラルゴ」Op.76-5は以下のLPとCDを聴きました。

 アマデウス弦楽四重奏団 1970年 ベルリン セッション録音 LPレコード
 モザイク弦楽四重奏団 1998-2000年 セッション録音
 エルサレム弦楽四重奏団 2008年9月 セッション録音

アマデウス弦楽四重奏団とモザイク弦楽四重奏団が素晴らしい演奏を聴かせてくれます。エルサレム弦楽四重奏団の演奏も高い水準のものです。



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       キュッヒル,

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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