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やはり、ジョナサン・ノットの指揮する東京交響楽団のブルックナーは美の極致@サントリーホール 2021.10.16

ジョナサン・ノットが指揮すると、東響が輝く! ありえないようなレベルのブルックナーに大いなる感銘を受けました。ブルックナーの交響曲第4番は第1楽章は弦を抑えめに管を浮き立たせた表現の演奏ですが、少しもうるさいところのない極めて繊細な音楽が進行します。時折、弦だけのパートでは、東響の強力な弦のアンサンブルが美しい響きを奏でます。ブルックナーの圧倒的な構造物が見事に表現されます。第2楽章にはいると、一転して、抒情に満ちたロマンが歌い上げられます。そのあまりの美しさに呆然として聴き入るのみです。長大な第1楽章と第2楽章がパーフェクトに演奏されました。第3楽章は勇壮なスケルツォ。勢いのあるフレーズがノットの指揮の下、一糸乱れずに演奏されます。身震いするような演奏です。しかし、本当に圧巻だったのは第4楽章。その素晴らしさに身じろぎもせずに一心不乱に集中して、耳を傾けます。ここには音楽のすべてがあります。それにノットの指揮の美しいこと。彼のタクトを振る様に見とれながら、そのタクトでドライブされる東響の美しい響きに存分に身を委ねます。コーダは息の長いクレッシェンドで高潮していき、その頂点で突然のように終止。音楽の素晴らしさを実感する瞬間です。完璧な沈黙がホールを覆い尽くします。演奏者と聴衆が共感した瞬間です。
少なくともsaraiには、長かったコロナ禍の後にジョナサン・ノットが完全に帰ってきてくれたという深い感動が沸き起こりました。もちろん、コロナ禍はまだ終わっていませんが、長かった空白がノットの完全復活で断ち切れたという思いでいっぱいです。

前半のベルクのヴァイオリン協奏曲も素晴らしい演奏でした。神尾真由子の気魄に満ちたヴァイオリンの響きと全体を支配するノットの完璧なコントロールでベルクの名作が見事に表現され尽くしました。とりわけ、第2楽章の充実度はいくばかりか! コラールが出現して、その恩寵に神尾真由子のヴァイオリンが優しく包まれて、最後は天上に昇天していきます。激しい緊張感の後のカタルシスがsaraiの心を揺さぶります。素晴らしい感動に襲われました。

今回の来日ではジョナサン・ノットはまだ、モーツァルトのレクイエムという大作を披露してくれることになっています。リゲティのルクス・エテルナを終盤に組み込むというノットならではのアイディアはどんな形で結実するのでしょうか。期待するしかありません。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:ジョナサン・ノット
  ヴァイオリン:神尾真由子
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:グレブ・ニキティン

  ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」

  《休憩》

  ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」(1878/80年稿ノーヴァク版)


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のベルクのヴァイオリン協奏曲を予習したCDは以下です。

  ヨセフ・スーク、カレル・アンチェル指揮チェコ・フィル 1963年録音 セッション録音
  アンネ・ゾフィー・ムター、ジェイムズ・レヴァイン指揮シカゴ交響楽団 1992年録音 セッション録音

スークはいかにも古い演奏でロマン的。ちょっとイメージが異なります。ムターはさすがの演奏。真髄を突くような見事な音楽を奏でます。


2曲目のブルックナーの交響曲第4番を予習したCDは以下です。

  オイゲン・ヨッフム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 1975年1月16日、ライヴ録音

ヨッフムのブルックナー、悪かろう筈はありません。それにオーケストラがアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団ですからね。このコンビでの第4番~第8番のCD6枚組セットは最高の演奏ばかりです。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ジョナサン・ノット,

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