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ウィーン交響楽団、ヨルダン、ツァハリス@ウィーン楽友協会 2012.4.19

今日からは楽友協会でオーケストラのコンサートを聴きます。

今夜のキャストとプログラムは以下です。

 指揮:フィリップ・ヨルダン
 ピアノ:クリスティアン・ツァハリス
 管弦楽:ウィーン交響楽団

 ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.83

  《休憩》

 ストラヴィンスキー:バレエ音楽《火の鳥》

今日は特上の平土間中央の席です。
大きなピアノが正面にドーンと置いてあります。
ピアニストのツァハリスと指揮のヨルダンが登場します。
ツァハリスはこれまで縁がなく、初聴きです。
まず、ピアノの音がホールに響き渡るに驚きます。オーケストラ全体と変わらないくらいに感じます。このホールの特性でしょうか。昨年、ベートーヴェンのピアノ協奏曲を聴いたときには、特にそういう印象がなかったので、ツァハリスがブラームスということで鳴り響かせているのかも知れません。タッチ自体はクリアーですが、ともかく響きます。オーケストラパートにはいると、ウィーン交響楽団がこれぞブラームスという美しい弦の響きを聴かせてくれます。ウィーン風のブラームスですね。渋さは感じられません。オーケストラパートだけ聴いていると、まるで交響曲を聴いている感じです。一方、ピアノが弾き始めると、オーケストラ並みに響き、これもピアノによる交響曲を聴いている感じです。まとめると、ピアノ版オーケストラと通常オーケストラの2つのオーケストラが一緒に交響曲を演奏している感じに聴こえます。この曲って、そんな風でしたっけ。まあ、それはそれで実に面白く聴けます。そもそも4楽章構成なので、無理なく、交響曲として聴けます。指揮者もピアノ演奏部分はツァハリス、通常オーケストラ部分はヨルダンとそれぞれ分担して、お互いの領分を守って演奏している感じです。実際、この曲はそれぞれが別々に演奏する部分が多いので矛盾もありません。この曲は結構苦手なんですが、こういう演奏は分かりやすく聴けます。それにしても、楽友協会のホールの響きの良さは、素晴らしいなんてものではありません。こういうホールで聴くブラームスの響きはなんとも気持ちのよいものです。楽友協会は今年で200周年だそうですが、これこそ世界遺産にすべきホールです。ともあれ、長大なピアノ協奏曲を聴き、ピアノと通常オーケストラと2つの交響曲をいっぺんに聴いてしまったような妙なお得感を感じました。本来はsaraiの趣味では、先日、ベルリンで聴いたペライアのような澄み切ったクリアーなピアノ演奏が好みなんですが、ブラームスのこの曲に関しては、こういう演奏もありかなと納得しました。まあ、音楽は楽しめれば、それでいいでしょう。例え、ツァハリスのピアノにミスタッチが多かったにせよ・・・

休憩後はストラヴィンスキーのバレエ音楽《火の鳥》全曲です。組曲版ではありません。
これは大変、聴き応えがありました。バレエの伴奏でこんな演奏をやったら、ダンサーが踊れないのではないかというようなオーケストラ演奏の極致を感じさせる、ド派手な演奏です。それでいて、決して、下品とかいうのではなくて、表現力豊かな演奏です。火の鳥が登場する場面では、決して誇張ではなく、楽友協会のホールの上を火の鳥が飛びまわっていました。最初から最後まで、息つく暇もなく、物語がオーケストラの響きとともに進んでいきます。トゥッティでのホール全体が鳴動するのには驚嘆しかありません。体全体で音楽を受け止める感じです。ロシアの民俗風のメロディーが優しく流れるときのソロ奏者たちの演奏の素晴らしさ。特にフルートの響きの美しさは特筆ものでした。ストラヴィンスキーの音楽はやはり木管の上手いオーケストラでないといけませんが、ウィーン交響楽団は皆達人揃いでした。
指揮のヨルダンですが、タクトなしで、長い両手の長い指を駆使して、見事にオーケストラを操ります。彼自身が魔王カスチェイであるかのごとき、魔術のような指揮です。平凡な演奏であると、特に全曲版は退屈なものに陥ることもありますが、これだけの指揮を見せてくれた非凡な才能には、これからも期待が膨らみます。縦横に音楽を動かし、構成していく力はオペラ指揮者としての彼の今後が楽しみになってきます。昨日も書きましたが、《薔薇の騎士》のような自在な音楽の組み立てが必須なものには、ヨルダンの才能が最も活かされると感じます。

楽友協会のホールの響きのよさ、ヨルダンの自在な指揮、ウィーン交響楽団の素晴らしい響きに魅了された、大変、幸福なコンサートでした。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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