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エイフマン振付バレエ《アンナ・カレーニナ》@ウィーン国立歌劇場 2012.4.9

初めて観るバレエ《アンナ・カレーニナ》です。もちろん、ウィーン国立歌劇場です。この演目は今シーズンの最終公演です。このバレエはもともとフォルクスオーパーでプレミエをやって、そこでの公演が続いていましたが、何といってもエイフマンの振付の秀逸のバレエで現在はウィーン国立歌劇場に引っ越して上演されています。ウィーン国立歌劇場での公演ということは、フォルクスオーパー管弦楽団から演奏が実質ウィーン・フィルに変わったということです。音楽はチャイコフスキーの弦楽セレナード、交響曲第6番《悲愴》、幻想的序曲《ロミオとジュリエット》という名曲が演奏されるので、それをウィーン・フィルで聴くだけでもお得感が増します。事実、ダナイロヴァがコンサート・ミストレスを務めた今夜の演奏の美しかったこと、賛辞を惜しみません。それに彼女のヴァイオリン独奏が多く、その響きの美しかったこと、とても気持ちよく聴けました。昨夜の《パルジファル》でも彼女はオーケストラの一員として演奏していましたが、コンサートマスターはキュッヒルでした。もちろん、彼のヴァイオリン独奏も美しかったんです。さすがにウィーン・フィルのコンサートマスターとなれば、皆、そこらのソロヴァイオリニストにも出せない音楽を奏でます。
肝心のバレエですが、まあ、唖然とするほどの美しさです。特にアンナ・カレーニナ役のダグマー・クローンベルガーの美しさは言葉では表現できないほどです。リフトでのピタッと決まる姿勢、それも斜め逆さの姿勢で微動だにしません。体のラインの美しさも人間の限界を極めています。また、ベッドの手すりの上に見事に直立した姿勢から体を投げ出すときのケレンミのないことには驚きます。見事に受け止めるパートナーも立派ですけどね。実際の夫婦だからこその信頼関係でしょうか。でも、夫婦で信頼関係があるとは限らないので、やはり、これは鍛え上げられた練習の賜物でしょう。

実は今日はプログラムを購入し、予定されていたキャストが変更になったことを知りました。主役に予定されていたパパヴァの妖艶な演技も期待していましたが、今夜のダグマーのパーフェクトな演技を見ては何も言うことはありません。

今夜のキャストは以下です。

 指揮:グイレルモ・ガルッチァ・カルヴォ
 振付:ボリス・エイフマン
 管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団
 アンナ:ダグマー・クローンベルガー
 カレーニン:エノ・ペシ
 ウロンスキー:シェーン・ A・ヴュルトナー
 
第1幕はチャイコフスキーの弦楽セレナードのとても美しい演奏のもと、舞踏会のシーンでアンナ役のダグマーの美しい体の線、そして、夫カレーニン役のエノ・ペシとの踊りで早速、魅了されます。その後、アンナが密会するウロンスキーとの絡みの美しいこと、ダグマーもシェーンも最高で、うっとりし続けです。
そして、最高潮に達するのがチャイコフスキーの交響曲第6番《悲愴》の第1楽章の演奏でダグマーとシェーンの踊るところの美しさ。バレエの美しさを最高に極めたものです。まあ、陶然とするほどのウィーン国立歌劇場管弦楽団の演奏、これはバレエ抜きでも最高に素晴らしい響きです。その上、素晴らしい踊り、特に見たことのないような高度で美しいリフトの数々、それがパーフェクトに決まり、その姿の美しいこと、まるで夢の世界のようです。初心者のsaraiでも、これが如何に素晴らしいか、確信を込めて、賛美できます。
古典的なバレエと違って、全編、息抜く暇のない、凝縮した踊りの連続、3人のダンサーだけでなく、群舞のダンサー達も体力・技術の限りを尽くし、観るものを圧倒し続けます。

休憩になり、はっぱさんと合流し、一気に盛り上がりました。そして、第2幕です。
第2幕もダグマーの美しさが光ります。アンナとウロンスキーがイタリアに駆け落ちし、ヴェネチアでの仮面舞踏会。このシーンでの仮面を付けた群舞の凄まじさには圧倒されるのみです。とても美しく、爽快感のあるダンスシーンです。
イタリアでウロンスキーがアンナをモデルに絵を描くシーンも、とても愛に満ちたというよりも、愛に燃え上がる感じが素晴らしく、またしても、ダグマーの美しさに魅せられます。やがて、イタリアでの生活にピリオドを打ち、ロシアに戻った二人は舞踏会に登場。そして、最高潮に達するのがチャイコフスキーの交響曲第6番《悲愴》の第3楽章に乗って、狂おしいダンスが踊られるシーンです。ここでもオーケストラの響きの素晴らしさに圧倒されます。切れがよく、美しい響き、最高です。
この後はアンナの転落の詩集です。どこまでも落ちていくアンナ。ダグマーが渾身のダンスで表現していきます。
それでも、チャイコフスキーの幻想的序曲《ロミオとジュリエット》の美しい音楽で踊られるダグマーの秀逸で美しいダンスで救いも感じます。何故、こうも美しいのか・・・。
最後は客席が振動するほどの機関車のダッダッという響きでアンナが身を投げて、轢死してフィナーレ。実際に高いところからダグマーが身を投げたようなのですが、この最高のシーンは照明がブラックアウトして、saraiの目には見えませんでした。また、このブラックアウトのせいで、そこでフィナーレと勘違いした観客が拍手してしまい、間抜けな終わり方になってしまいました。照明ももう少し何とかしてほしかったものです。

それにしても、実に美しいバレエでした。この路線のバレエはsaraiも大好きです。しかし、来シーズンはラインアップされていないようで、今夜の公演でこの演目は見納めかも知れません。やはり、バレエ監督のルグリの路線には合わないかも知れません。そういう意味でも、いいものを見せてもらいました。ダグマー始め、素晴らしいダンサー達、そして美しい演奏のオーケストラに感謝です。
なお、このバレエについてはわが友はっぱさんが素晴らしい記事を書いており、かなり、参考にさせていただきました。これにも感謝です。



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ジャンル : 音楽

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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