fc2ブログ
 
  

中村恵理、愛と絶望の絶唱 《蝶々夫人》@新国立劇場 2021.12.5

最初に白状しますが、中村恵理のファンであるsaraiは彼女の蝶々さんが聴きたくて、この公演に駆けつけました。今日が初日ですが、saraiの思いを知る友人からチケットを譲り受けました。そもそも、この公演のことを知り、それも一因となり、今年から、新国立劇場の定期会員になったんです。ということはsarai自身のチケットもあるので、もう一度、中村恵理の蝶々夫人を見れるんです。

で、その中村恵理の蝶々夫人ですが、実は既に実演で聴いたことがあります。宮崎国際音楽祭で2018年にコンサート形式で聴きました。苦手だったこのオペラの真髄を初めて理解させてくれる見事な歌唱でした。これが中村恵理の初めて歌った蝶々夫人でした。そして、今日の公演が中村恵理が舞台で演じる初めての蝶々夫人です。音楽的には宮崎国際音楽祭での歌唱に軍配が上がります。やはり、演技も含めての歌唱は負担が大きかったのでしょう。歌唱自体は前回同様に素晴らしかったのですが、声量がわずかに足りない感じです。階段を多用した動作などで音楽以外の部分で苦労したんでしょう。これは慣れの問題ですから、次に聴くときにはもっと素晴らしい歌唱が期待できます。

とは言え、全体には期待通りの歌唱を聴かせてくれました。純真な乙女である蝶々さんのひたむきな愛は真情が伝わるものでしたし、最後のアリア《かわいい坊や》はその短さにもかかわらず、強い衝撃を覚えました。愛故の絶望感を完璧に歌い上げて、もう、これは感動するしかありません。涙なしには聴けませんでした。

ピンカートン役は代役となった村上公太ですが、これが予想外の好演。素晴らしい喉を聴かせてくれました。スズキ役の但馬由香も好演でしたが、第2幕の花の2重唱はもっと歌えるでしょう。これは次に期待します。ゴロー役の糸賀修平は演技も歌唱も合格点です。よい役どころを聴かせてくれました。

そうそう特筆しないといけないのは下野竜也指揮の東フィルのとても美しい演奏です。まさか東フィルがここまでの演奏のレベルに達するとは失礼ながら思っていませんでした。プッチーニの甘い旋律を見事に奏で、そして、ダイナミックさも兼ね備えた素晴らしい演奏でした。今日の中村恵理の歌唱と共に満足しました。

聴くたびにこの新国立劇場は日本の歌劇場でこれほどのオペラが聴けるのかという驚きの連続です。舞台や演出も見事なものでした。次は金曜日に聴きます。もっとよい公演が聴けることを期待しています。まあ、中村恵理が聴けるだけで満足なんですけどね。


今日のキャストは以下です。

【指 揮】下野竜也
  【演 出】栗山民也
  【美 術】島 次郎
  【衣 裳】前田文子
  【照 明】勝柴次朗
  【再演演出】澤田康子
  【舞台監督】斉藤美穂


【蝶々夫人】中村恵理
  【ピンカートン】村上公太
  【シャープレス】アンドレア・ボルギーニ
  【スズキ】但馬由香
  【ゴロー】糸賀修平
  【ボンゾ】島村武男
  【神官】上野裕之
  【ヤマドリ】吉川健一
  【ケート】佐藤路子

  【合唱指揮】冨平恭平
  【合 唱】新国立劇場合唱団
  【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

最後に予習について、まとめておきます。

  ジョン・バルビローリ指揮ローマ歌劇場管弦楽団&合唱団 演出: ヴォルフガング・ヴァーグナー 1966年 ローマ歌劇場
    レナータ・スコット、カルロ・ベルゴンツィ、ローランド・パネライ、アンナ・ディ・スタジオ

うーん、凄いCDですね。涙と感動なしには聴けませんでした。バルビローリの指揮するローマ歌劇場管弦楽団がプッチーニの抒情的な旋律を余すところなく表現。そして、レナータ・スコットって、こんなに素晴らしいソプラノだったのですね。ミレッラ・フレーニとはまた違いますが、リリックなソプラノの双璧と言っても過言でありません。いつもはフレーニの蝶々さんを聴いていますが、世界は広い。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








関連記事

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       中村恵理,

コメントの投稿

非公開コメント

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

たかぼんさん、初めまして。saraiです。

嬉しいコメント、ありがとうございます。ブッシュ四重奏団は素晴らしいですよ。とりわけ、第14番は最高です。
もっとも、ブッシュ

09/17 02:04 sarai

とても素晴らしいお話をお聞かせ頂き感謝いたします。
私は今まで、後期の4曲はブダペスト四重奏団できまり!と思っておりました。
ブッシュ四重奏団は別なレコード(死

09/16 13:52 たかぼん

ミケランジェロさん、saraiです。

遅レスで申し訳けありません。敬愛するジョナサン・ノットをご評価いただき、ありがとうございます。

相変わらず、独自の音楽探求を続

06/23 23:50 sarai

こんにちは。

ジョナサン・ノット氏の公演鑑賞を拝読したく参りました。毎回とても沢山の公演記録を私達に届けて下さり、ありがとうございます。

マエストロは数年前のイ

06/14 08:27 michelangelo

えりちゃさん、コメントありがとうございます。
最終公演に行きますが、ムーティ&ウィーン・フィルは渾身の力で凄い演奏を聴かせてくれますよ。特にシューベルトは有終の

11/09 22:13 sarai

尻上がりに素晴らしくなりました!
あの弦の響きにもうハマるのですよ!
あと2公演ありますが、もう既に同じプログラムを2回演奏しているので、ますます良くなるか、ち

11/09 10:56 えりちゃ

えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR