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「こうもり」@アン・デア・ウィーン劇場 2010.7.17

今日はウィーンでオペレッタ。
いったん、ホテルで休憩して、今夜のオペレッタに備えます。
昨日に引き続き、ヨハン・シュトラウスですが、今日は「こうもり」。劇場はアン・デア・ウィーン劇場です。
このアン・デア・ウィーン劇場はこの「こうもり」を初演した歴史ある劇場。モーツァルトの「魔笛」やベートーヴェンの「運命」、「田園」も初演しています。そういうわけで、一度、ここで聴くのも悪くないと思った次第。

ホテルからはナッシュマルクトを横切ると5分ほどで劇場に着きます。
劇場前では、テーブルが歩道に置かれ、ドリンクを楽しんでいる男女がいます。


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劇場の壁面には今回の「こうもり」の公演ポスターが貼られています。


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この公演ポスターはウィーン市内の各所に張り巡らせてありました。

さて、事前に予習したのは以下。

 ・グラインドボーン音楽祭2003
   指揮:ユロフスキ  ロンドン・フィル
   アイゼンシュタイン:トーマス・アレン ロザリンデ:アームストロング
   フランク:コルン オルロフスキー公爵:エルンマン
   アルフレート:リンドスコーグ ファルケ博士:ハーゲゴード
   ブリント博士:ウルフング アデーレ:ペトロワ
   フロッシュ:ザメル イーダ:シュッテングルーバー

 本場ウィーンものではありませんが、なかなか素晴らしい公演です。

で、今回のキャストは以下。

   指揮:コルネリウス・マイスター
   演出:フィリップ・ヒンメルマン  
   アイゼンシュタイン:クルト・シュトライト
   ロザリンデ:ニコラ・ベラー・カルボーン
   フランク:マルクス・ブッター
   オルロフスキー公爵:ヤチェック・ラシュツコフスキー
   アルフレート:ライナー・トロスト
   ファルケ博士/フロッシュ:フローリアン・ボエシュ
   ブリント博士:エリック・エルマン
   アデーレ:ジュアニタ・ラスカッロ
   イーダ:スヴィンタ・ゲルシュトホーファー

初演の内容とは強烈に異なる演出(初演を見たわけじゃないが(笑い))に驚かされます。
ただ、音楽的には、さすがにウィーンの音楽水準の高さを示す素晴らしいもの。ウィーンで音楽を聴くと、よそがどうしても霞んでしまいます。

演出もさほど、異様ではないと思いました。もっとも、そう思ったのも事前に友人から演出の強烈さについて、お話を聴いていたせいかもしれませんね。
これはオペレッタとして見ると、確かに異様かもしれませんが、オペレッタではなく、オペラとしての「こうもり」がこの劇場で再初演されたと考えると、納得がいきます。軽いオペレッタではなく、本格的なオペラの内容ともとれます。
もっとも、出演者がみんな服を脱いで下着姿になるのをどう考えるかは聴衆個々の自由ですが、従来の殻をぶちこわすという意味はあるかもしれません。まあ、この程度は最近のオペラの演出では特別のことではありませんが、オペレッタ「こうもり」だと異様かも・・・

演出のせいとはいえ、全員が出ずっぱりというのは大変ですね。例えば、アルフレードは本来、第2幕は全然出番がないのに、左手の舞台横のボックス席で観客と混じって、ずっと待機。まるで、スポーツの全員参加みたいです。実は開幕前から、写真のように舞台に近いボックス席は男性1人が座っていました。


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この人の横の席はずっと空いていて、第1幕後半でアルフレードが舞台から仕切りを跨いで、この空いたボックス席に座り込みます。第2幕がはじまってもずっとそのまま。第3幕になって出番になったところで、再び、仕切りを跨いで、舞台に復帰するわけです。

オルロフスキーも幕開きから、舞台中央のソファに腰かけているし、これでは、第1幕もオルロフスキーを主賓とした劇中劇みたいにも見えます。いろんな解釈が成り立つ奥行きの深い演出とも言えますが、必ずしも評価はよくないようです。
ただ、この演出の延長線上に新たな「こうもり」の展開も十分期待できるとも思いました。
それにかなり意味不明な部分も多いのは確かだとしても、何となく、面白かったのも事実です。

歌手はアイゼンシュタイン役のクルト・シュトライトとロザリンデ役のカルボーンがよかったと思います。
カルボーンは高い声の部分が出ませんでしたが(歌わなかった)、音楽的には誤魔化して辻褄を合わせましたからね。
あと、関係ないけど、イーダ役のゲルシュトホーファーがなかなか可愛かった! 
そうそう、アルフレード役のトローストもさすがのテノール。

特筆すべきはオーケストラのウィーン放送交響楽団。とても素晴らしい出来でした。東京のときよりも音の純度が高かった感じ。どうしても演出が奇抜なので、耳がオーケストラから離れるのが残念でした。
最前列中央の席だったので、幕間の休憩で第2ヴァイオリンのトップの金髪のきれいな女性に「東京で聴いたよ。よい出来だったよ」と声をかけると、「どこで聴いたの?」って返事。「オペラシティだよ」って言うと、「ありがとう。今回はバカンスで来ているの?」と言われ、「長いバカンスでね」って言うと、横の第1ヴァイオリンの男性が「楽しんで行ってね」とのこと。
写真はオーケストラピットにいる第2ヴァイオリンのトップの女性とその横で話し込んでいる第1ヴァイオリン(多分)の男性。


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劇場内部の様子もご紹介しておきましょう。今回の演出では、観客席も演出の対象。ということで、観客席の天井から派手な色のライトが当たっています。観客の顔色がおかしいのは写真のせいではなく、客席に赤い色の照明があたっていたからです。


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終演後、劇場の外に出ると、コンサートの途中で激しい雷雨があったようで、道路はビショビショ。まだ少し雨粒が落ちていましたが、この程度ではウィーンでは傘はさしません。私達もそれにならいます。満足、満足でホテルに。ホテルは5分ほどで着ける場所で便利です。

明日も夜は野外のオペレッタに出かけます。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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