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ウィーン放送交響楽団@みなとみらいホール 2012.3.18

今日はウィーン放送交響楽団のコンサートです。ウィーン放送交響楽団を聴くのは、1年半ほど前にウィーンのアン・デア・ウィーン劇場でヨハン・シュトラウスのオペレレッタ「こうもり」を見たとき以来になります。そのときのことはここに書きました。そのときの指揮者も今日指揮するコルネリウス・マイスターでした。ちょうど、彼がウィーン放送交響楽団の首席指揮者に就任したころですね。

また、前回の来日公演はちょうど2年前の3月でした。そのときは前任の首席指揮者のベルトラン・ドゥ・ビリーの任期終了直前でした。そのときコンサートについてはここに書きました。プログラムはフランス音楽だったので、今回のドイツ・オーストリア音楽のプログラムでは、どう印象が変わるか、興味深いところです。

さて、今日のプログラムは以下です。

 ブラームス:悲劇的序曲 Op.81
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番《皇帝》 変ホ長調 Op.73
  ピアノ:シュテファン・ヴラダー
 
  《アンコール》リスト:コンソレーション(慰め)第3番 S.172-3(ピアノ・ソロ)

 《休憩》

ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68

  《アンコール》
    ブラームス:ハンガリー舞曲第5番 ト短調
    ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル『スポーツ・ポルカ』 Op.170
    ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル『休暇旅行にて』 Op. 133

オーケストラが拍手に迎えられて入場しますが、あれっ・・・。まず、配置が対向配置です。曲目から言って、普通の配置がいいのになと思いました。また、ステージの中央にぎゅっと凝縮した感じで演奏者が並んでいます。両脇が大きくスペースが空いた感じです。そもそも、オーケストラの人数も少なく感じます。ブラームスはそれなりの規模で演奏してほしいものです。そして、一番後ろのティンパニは左側に少し離れて配置されています。変わった配置ですね。
チューニングが終わると、指揮者のマイスターが颯爽と登場。まだ、30歳そこそこの若さでスリムなズボンをはいた好青年です。歩き方に特徴があり、まるで機械人形のように素早く足を運びます。出入りを見ると、つい笑いたくなってしまいます。そして、満面の笑顔。

まず、ブラームスの悲劇的序曲です。ジャ、ジャン・・・と悲劇的なテーマがフォルテで鳴り、曲が開始されますが、どうにも音が響きません。バーンと心に訴えかけてほしいところですが、演奏者の人数のせいかどうか分かりませんが、ホールの空気をつかみきっていなくて、響きが不足気味です。この曲はずっとこの調子で、音楽に没頭する以前の問題でした。2年前にも演奏したホールですが、そのときは前任者の指揮者のドゥ・ビリーで、今日のマイスターはみなとみらいホールは初めてでしょう。もちろん、リハーサルはしたでしょうが、満員の聴衆が入った状態ではありません。逆にピアノの部分では、美しい響きが聴こえてきます。これがウィーンの楽友協会のホールなら、よく響いてきたことでしょう。マイスターの若さが裏目に出たのかもしれません。百戦錬磨の指揮者なら、すぐにホールの特性をつかむのでしょうが、残念です。まあ、フォルテ以外は美しい響きが楽しめたので、よしとしましょう。ステージ近くで聴かれたかたはよく響いていたかもしれません。saraiも真ん中よりも前のほうだったんですが、席の問題もあったかもしれません。不完全燃焼でこの曲は終了。

次はベートーヴェンの《皇帝》です。ピアノはウィーンのピアニスト、シュテファン・ヴラダーです。初聴きです。楽しみにしていました。まずはカデンツァから始まります。ヴラダーのピアノの音は実に綺麗です。ベートーヴェンでは美し過ぎるほどの響きです。ただ、これはsaraiの好みです。ベートーヴェンのピアノ協奏曲は重厚な響きよりも、ピュアーでクリアーなタッチの響きが好きなんです。そういう意味では、実に満足できる演奏です。ピアノの音はきっちり響いています。伴奏とは言え、オーケストラは相変わらず、フォルテの響きのボリューム不足です。カデンツァの後、オーケストラが颯爽とテーマを演奏する部分はとても好きなんですが、ここでも不完全燃焼。フォルテの部分以外はとても美しい演奏でした。第2楽章は瞑想的な曲想です。あまり、響いてこないことも気になりません。ピアノの美しい響きとオーケストラが絡まって、うっとりします。オーケストラの木管、特にオーボエとフルートが実に美しい響きを聴かせてくれます。中間あたりから、ピアノが分散和音を弾き、その上を木管がメロディーを演奏するところの見事さには聴き惚れてしまいます。そのまま、第3楽章に突入です。このあたりから、ようやく、オーケストラがホールの空気をつかんだようで、よく響き始めました。ピアノも早いパッセージで少しもつれ気味のところもありましたが、美しい響きを最後まで聴かせてくれました。この第3楽章は納得の演奏でした。
ピアノのアンコールはリストのコンソレーション。これは聴いていて、分かりませんでした。ショパンのような、グリークのような・・・という感じで聴いていました。結構、愛聴している曲なのに分からないものです。で、この演奏がとても素晴らしかった! 最初、深い低音の響きで始まり、美しい高音のタッチに移ります。まるで、水の波紋が広がっていくようなイメージの美しさです。ピアノのピアノの部分の瞑想的で静まりかえった美しさは忘れられません。最高のリストでした。このヴラダーのピアノで同じリストの《ペトラルカのソネット》を是非、聴いてみたいものです。

休憩後、ブラームスの交響曲第1番です。最初のダン、ダン、ダン、ダン・・・という響きがちゃんとホールに広がっています。なんだか、今日は変な聴き方になってしまいました。空間に響きがちゃんと伝わってくるかどうか、気になってしょうがありません。ともあれ、美しいブラームスです。ドイツ系の響きではなく、どちらかと言えば、ウィーン・フィルのような響きですが、ウィーン・フィルはもっときらめくような美しさです。インターナショナルな響きでしょうか。高弦の美しさ、低弦の深さ、木管の美しい響き、どれをとっても素晴らしいです。ただ、saraiの趣味では、ブラームスはドイツ的な重厚な響きが好きです。唯一の例外がウィーン・フィルの美し過ぎる響きなんです。ですから、素晴らしい演奏とは言え、saraiの心をゆさぶることはありませんでした。それに、この曲は対向配置ではなく、普通の配置で聴きたかったこともあります。
このオーケストラなら、R・シュトラウスとか、もっと新しい時代のものが似合いそうな感じです。
まあ、結構、満足して聴いていました。いつもいつも、そんなに心を揺さぶられるような演奏があるわけじゃないし、そのなかでは、素晴らしい演奏でした。

アンコールは3曲。当然、まずはブラームスのハンガリー舞曲です。この曲はブラームスの作曲ではなくて、編曲ということになっているそうで、作品番号も付いていません。ロマの曲がオリジナルなんですね。ですから、題名もブラームスの誤解の産物。とても元気のよい演奏で結構でした。最後はウィンナーワルツが2曲。でも、どちらもsaraiの知らない曲です。今日のプログラムは名曲アルバムのような選曲だったのに、最後のアンコールだけがマイナー路線に走るとはね~。ポルカでウィーンを感じさせてもらいました。もっとも、もう2週間ちょっとで、saraiと配偶者はウィーン訪問です。そのお誘いのような音楽でしめてもらい、ありがとうと心の中でつぶやきながら、ホールを後にしました。



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ジャンル : 音楽

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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