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田部京子のシューベルトは世界初演のピアノ協奏曲? 藤岡 幸夫&東京シティ・フィル@ティアラこうとう(江東公会堂)大ホール 2022.1.29

恐いものみたさでこのコンサートに足を運んでみました。何と言っても、ピアノ曲の最高峰のひとつであるシューベルトのピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調D.960を協奏曲に編曲というのですから凄い。しかし、これを原曲と比較するというのは野暮過ぎます。そりゃーね、saraiが愛してやまぬシューベルトのピアノ・ソナタ第21番ですからね。先月も田部京子の演奏で素晴らしい演奏を聴いたばかりです。まだ、頭の中にそのときの演奏が残っています。
もっとも、編曲した吉松隆さんもそもそも田部京子さんの弾くシューベルトのピアノ・ソナタ第21番に魅せられて、この編曲を行ったそうです。そういうシューベルトへの愛を聴くというのが正しい聴き方なのかもしれません。そういう意味では、隅々まで熟知した名曲を違った形で聴いて、楽しめました。編曲が一番成功していたのは第2楽章。寂漠としたところこそ、もうひとつでしたが、とても美しい音楽に仕上がっていました。田部京子のピアノは珍しくベーゼンドルファーでした。演奏はもちろん、お得意のシューベルトですから悪かろう筈はありません。ですが、ちょっとオーケストラに合わせ気味でテンポが平板な感じになっていたのが残念なところ。いつもの詩的表現が前面に出ていない印象でした。

実はこの東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団を聴くのは今日が初めてです。評判はこれまでも聞いていたので、お手並み拝見というところです。後半のシベリウスの交響曲第1番、とても見事な演奏でした。最高の演奏と言ってもいいでしょう。冒頭のクラリネットの独奏から素晴らしくて、ぐっと惹き込まれます。第1楽章は第1ヴァイオリンのアンサンブルがもうひとつに思えましたが、それを補って余りあるのが、管セクションの素晴らしい演奏。ヴィオラも見事です。第2楽章にはいると、第1ヴァイオリンも美しいアンサンブルに変わります。すべてのパートが素晴らしいアンサンブルで響きます。実に瑞々しいシベリウスです。響きも音楽表現も最高です。そのまま、第3楽章、第4楽章と進みます。そして、圧巻のフィナーレ。実演で聴いたこの曲の演奏では最高のものです。こういう響きでチャイコフスキーを聴いてみたいとふと思います。在京オーケストラでは、もっとアンサンブルのよいオーケストラもありますが、どこか魅力を感じさせて、音楽に惹き込む力があります。思わず、3月のマーラーの交響曲第9番も聴きたくなって、ぽちっとチケットを買ってしまいました。来季の春シーズンもとりあえず、聴いてみましょう。東響、読響、都響、N響に続いて、気になる存在が増えました。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:藤岡 幸夫(首席客演指揮者)
  ピアノ:田部 京子
  管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団  コンサートマスター:戸澤哲夫

  シューベルト(吉松隆編):ピアノ協奏曲・・・ピアノ・ソナタ 変ロ長調D.960(第21番)のピアノとオーケストラのための演奏用バージョン(世界初演)

   《休憩》

  シベリウス:交響曲第1番 ホ短調 Op.39


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のシューベルト(吉松隆編)のピアノ協奏曲は世界初演なので予習は原曲のピアノ・ソナタ 変ロ長調D.960(第21番)を聴きました。

 田部京子 1993年10月20~22日 秋川キララ・ホール セッション録音

これは田部京子のシューベルト作品集の最初の録音です。もう、30年近く前の録音です。最近も聴いたばかりでしたが、何度聴き直してみても、やはり、素晴らしい演奏です。聴き惚れてしまいました。今度はライヴで再録音してもらいたいものですが、たとえ、再録音されなくても満足の1枚です。


2曲目のシベリウスの交響曲第1番は以下のCDを聴きました。

 パーヴォ・ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団 1997年10月 セッション録音
 
シベリウスの同郷人であるベルグルンドはシベリウスのスペシャリストとも言える最高の存在。その彼が最後に残した3回目の交響曲全集は何とフィンランドのオーケストラではなく、ヨーロッパ室内管弦楽団。彼がドリームチームと呼んだだけのことはあり、そのピュアーな響きは最高です。これがベルグルンドが最終的に見つけたシベリウスだったんですね。saraiの一番のお気に入りのシベリウスです。ベルグランドを含めたフィンランド人指揮者によるヘルシンキ・フィルのシベリウスも好きですが、一番のお気に入りはこのCDです。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       田部京子,

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