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レオポルド美術館:ゲルストル

2019年9月29日日曜日@ウィーン/29回目

今日は旅の最終日。ウィーンの最終日でもあります。もう、今晩は飛行機で帰国の途につきます。しかし、その前に精一杯、ウィーンの1日を楽しみます。
最後のウィーンの街歩き中で、ウィーン美術史美術館Kunsthistorisches Museum Wienを鑑賞した後、レオポルド美術館Leopold Museumの名品を鑑賞しているところです。ムンクのコレクションを鑑賞したところです。最後は再びゲルストルです。

リヒャルト・ゲルストルRichard Gerstl(1883年9月14日 - 1908年11月4日)の1908年、24歳頃の作品、《庭のマティルデ・シェーンベルク Mathilde Schönberg im Garten》です。
ゲルストルが自殺した年の作品です。ゲルストルは大の音楽好きで作曲家シェーンベルクとも親しくなり、彼の肖像画も描いています。そのシェーンベルクの紹介で彼の妻マティルデの肖像画を何枚も描いています。その中でゲルストルとマティルデは不倫関係になります。この年の夏、ゲルストルはシェーンベルク夫妻とトラウン湖で過ごします。その時に不倫が発覚し、ゲルストルとマティルデは駆け落ちします。しかし、アントン・ウェーベルンの説得でマティルデは夫の元に戻ります。ゲルストルはその失意のうち、芸術上の行き詰まりもあり、若干25歳で自殺します。この時代、ウィーンには、クリムト、シーレ、ココシュカという天才芸術家がいて、才能のあったゲルストルも行き詰まりを感じざるを得なかったわけです。この作品を見ると、ゲルストルも芸術上の発展の余地はあったと思うのですが・・・。自殺の際に多くの作品を焼いてしまったそうで、現存する作品は66点の油彩画と8点の素描だけだそうです。

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リヒャルト・ゲルストルRichard Gerstlの1908年、24歳頃の作品、《半身像のマティルデ・シェーンベルクの肖像 Bildnis Mathilde Schönberg als Halbfigur》です。
これもマティルデの肖像です。多くの肖像画のモデルとなるうちに愛し合うようになったのでしょう。ちなみにマティルデはゲルストルよりも6歳年上です。ゲルストル24歳、マティルデ30歳の許されない恋でした。

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リヒャルト・ゲルストルRichard Gerstlの1908年、24歳頃の作品、《緑のブラウスで座る女性 Sitzende Frau in eine grüne Bluse》です。
モデルが特定されていませんが、モデルは女優Schauspielerinのようです。このモデルの肖像画は3枚描かれています。家具や背景、服装は緑で統一されています。1908年2月から6月下旬にかけて、ウィーンのリヒテンシュタイン通りのシェーンベルクと共有したスタジオで描かれたものです。実に魅力的な作品ですね。

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これで素晴らしいレオポルド美術館の鑑賞が完了しました。最後までウィーンの文化を思いっきり、楽しみました。レオポルド美術館のエゴン・シーレのコレクションは今回も圧倒される素晴らしさでした。
これで長かった今回のヨーロッパ遠征も完了です。イスタンブールに始まり、前半のウィーン、グラーツ、ルツェルン、そして、アルプス再訪、ヴヴェイ、ローザンヌというオーストリア・スイス訪問、その後のフランス周遊、そして、後半のウィーン、29日の旅が完結しました。これから最後の行程、日本への帰還に移ります。



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