fc2ブログ
 
  

藤田真央のシューベルト、シューマンの最高の演奏に感動!@東京オペラシティ コンサートホール 2022.4.11

藤田真央は絶好調。ロマン派の作品の演奏ではモーツァルトを弾いているときとは打って変わって、燃焼度の高い演奏を聴かせてくれます。特にシューベルトとシューマンではこれぞ天才というパーフェクトで深みのある演奏を聴かせてくれます。saraiが大好きなシューマンとシューベルトでこういう演奏を聴かされると、嬉しくなってしまいます。

シューベルトの3つのピアノ曲 D946はシューベルトの最晩年の作品。3つの遺作ソナタとはまた違った凄みがある作品ですが、藤田真央は何かに憑かれたような直線的な演奏で聴く者を魅了してくれます。シューベルトの作品がそのままシューマンの世界につながっていることを初めて実感させられました。シューベルトもシューマンと同様に狂気の世界に足を踏み入れていることを藤田真央の演奏は教えてくれます。パッションと抒情が交錯するような演奏にただただ魅了されました。テクニックと音楽性が一体化したような高次元の音楽・・・藤田真央の上昇はどこまでの高みに達するのでしょうか。うーん、3つの遺作ソナタも聴いてみたくなります。

シューマンのピアノ・ソナタ 第2番は今年1月にこのオペラシティのリサイタルで聴いたばかりですが、こんなに凄い演奏だったのでしょうか。ソナタでありながら、ソナタでないような音楽。シューマンのピアノ曲では幻想曲やクライスレリアーナに比べて評価が低いように思えますが、藤田真央の演奏で聴くと、どうしてどうして、これはシューマンの傑作中の傑作に思えます。第1楽章の燃え上がるようなロマンは狂気をはらみ、圧倒的な高みに我々を誘います。第2楽章は歌曲をもとにしているそうですが、むしろ、コラールのような静謐さでただならぬ思いにさせます。無論、シューマンらしく、曲想が奔放に切り替わるのも魅力です。第2楽章まで聴いたところで、藤田真央の天才的な演奏に圧倒されます。第3楽章は一気呵成に突き進み、第4楽章は彼岸のようなところにある音楽が奏でられます。コーダは身震いするようなレベルの物凄い演奏。凄いものを聴いてしまったという感覚に震撼します。

今日の唯一の不満はブラームスの選曲。主題と変奏ではなく、晩年の作品116から作品119の間のどれかを弾いてもらいたかった。そう思っていると、アンコールの最後の曲がOp.118の中の1曲。なんとも美しい演奏でした。

藤田真央はモーツァルトもいいけど、ドイツ・オーストリアのロマン派もいいね。弱音を活かしたウィーン風とも思える演奏が素晴らしい。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  ピアノ:藤田真央

  モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第17番 変ロ長調 K.570
  シューベルト:3つのピアノ曲 D946

   《休憩》

  ブラームス:主題と変奏 ニ短調 Op.18b
  クララ・シューマン:3つのロマンス Op.21
  ロベルト・シューマン:ピアノ・ソナタ 第2番 ト短調 Op.22


   《アンコール》
     モーツァルト:ロンド ニ長調 K.485
     ラヴェル:ハイドンの名によるメヌエット
     J.S.バッハ/ラフマニノフ編:パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006より ガヴォット
     ブラームス :6つの小品 Op.118 から 第5曲 ロマンス ヘ長調


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のモーツァルトのピアノ・ソナタ 第17番を予習したCDは以下です。

  マリア・ジョアン・ピリス 1974年1-2月 東京、イイノ・ホール セッション録音

若きピリスが純粋無垢なモーツァルトを聴かせてくれます。後にDGで再録音したものとは一味違っています。saraiが最も愛好してやまないモーツァルトのピアノ・ソナタ全集です。


2曲目のシューベルトの3つのピアノ曲を予習したCDは以下です。

  グリゴリー・ソコロフ/ワルシャワ&ザルツブルク・ライヴ 2013年5月12日 ワルシャワ・フィルハーモニック・ホール ライヴ録音

ソコロフとしても、かなり意気込んだ演奏。


3曲目のブラームスの主題と変奏を予習したCDは以下です。

  ラドゥ・ルプー 1981年7月 ロンドン セッション録音

ルプーらしい美しい響きの演奏。


4曲目のクララ・シューマンの3つのロマンス Op.21を予習したCDは以下です。

  ヨゼフ・デ・ベーンハウアー 2001年8月 セッション録音

ベルギーの熟練ピアニストであるヨゼフ・デ・ベーンハウアーの『クララ・シューマン (1819-1896):ピアノ作品全集』(CD3枚)に含まれています。ロマンティックで美しい演奏です。


5曲目のシューマンのピアノ・ソナタ 第2番を予習したCDは以下です。

  スヴィヤトスラフ・リヒテル/リヒテル・イン・イタリー 1962年 イタリア ライヴ録音
  マルタ・アルゲリッチ 1971年6月 ミュンヘン、科学アカデミー、プレナールザール セッション録音

リヒテルの西側デビュー当時の演奏。以前聴いたキエフでのライヴ録音と同様にリヒテルらしい突っ込んだ演奏。一方、アルゲリッチの演奏も切れ味鋭い圧巻の演奏。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








関連記事

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       藤田真央,

コメントの投稿

非公開コメント

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai

私も18年前にドレスデンでバームクーヘン食べました。マイセンではB級品でもコーヒー茶碗1客日本円で5万円程して庶民には高くて買えなかったですよ。奥様はもしかして◯良女

06/18 08:33 五十棲郁子

 ≪…明恵上人…≫の、仏眼仏母(ぶつげんぶつも)から、百人一首の本歌取りで数の言葉ヒフミヨ(1234)に、華厳の精神を・・・

もろともにあはれとおもへ山ざくら 花よりほか

月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR