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帰ってきたアンジェラ・ヒューイット、感動の最終章へ 愉悦のフランス風序曲 The Bach Odyssey 11@紀尾井ホール 2022.5.23

15日連続コンサートの4日目です。

今日は待ちに待ったアンジェラ・ヒューイットの“バッハ オデッセイ”の11回目。前回はコロナ禍の始まる前の2019年10月、イギリス組曲全曲を聴きました。その後、悪夢のような日々が続き、アンジェラ・ヒューイットはおろか、海外の音楽家の来日はほぼすべて、ままならなくなりました。そして、2年半以上も経った今日、遂にアンジェラ・ヒューイットが日本のステージに帰ってきました。もう、それだけで十分です。しかし、彼女は愉悦に満ちたバッハで感動の音楽を聴かせてくれて、全12回にわたるバッハの鍵盤音楽の全曲演奏の最終章を完璧な形でしめくくるべく、1日目の演奏を終えました。

前半はあまり、ポピュラーでない曲ばかり。鍵盤音楽全曲演奏ならでは曲目です。ある意味、なかなか普段は聴けない曲で貴重な機会ではありました。前半で一番、印象に残ったのは、最後に演奏された幻想曲とフーガ イ短調 BWV944の素晴らしいフーガの演奏です。とても勢いのある演奏でした。実はこのフーガ部分はオルガン曲に転用されて、前奏曲とフーガ イ短調 BWV 543に改訂されています。ちょうど、昨日、バッハ・コレギウム・ジャパンの鈴木雅明の素晴らしいオルガン独奏で聴いたばかりでした。ピアノとオルガン、それぞれの特性があり、とても同じ曲には思えませんけどね。切れ味鋭いピアノ版、豪快なオルガン版、どちらも素晴らしいフーガです。

後半、傑作のフランス風序曲。アンジェラ・ヒューイットの自在な演奏に魅了されます。冒頭の序曲は実に荘重な演奏。メロディアスさを抑えて、堂々とした演奏に仕立てています。フーガの部分に入ると、実に流暢さを強調した演奏でその切り替えが効果的です。再び、荘重な部分に回帰して、序曲は終了。続いて、舞曲集が始まります。パルティータです。クーラントの精密な演奏、ガヴォットの明快な演奏、パスピエの活き活きした演奏に続き、深い味わいのサラバンドにはうっとりとしてしまいます。その後は一気にブレー、ジーグ、エコーとたたみかけるような演奏には楽興と愉悦を感じます。アンジェラも時折、笑みを浮かべて、その愉悦を聴衆と共有する余裕の演奏です。いやはや、素晴らしい演奏でした。
最後は超有名なイタリア協奏曲。もう、愉悦以外の何ものでもありません。第2楽章では哀愁を味わわせてくれましたが、第3楽章は圧巻の勢いで終了。音楽って、最高の楽しみですね。

アンコールの2曲目はこれまた、有名な《主よ、人の望みの喜びを》です。マイラ・ヘス編曲版でしょうか。ちょっと違うような気もします。いずれにせよ、魂のこもった感動的な演奏でした。胸にジーンときますね。彼女も何か心に思うことがあるようです。

長く続いたアンジェラ・ヒューイットのThe Bach Odysseyもようやく明後日の最終回を残すのみになりました。最後はやはり、フーガの技法です。


今日のプログラムは以下です。

ピアノ:アンジェラ・ヒューイット
 
J.S.バッハ・プログラム Odyssey 11

 4つのデュエット BWV802-805
 18の小前奏曲 BWV924-928,930,933-943,999
 幻想曲とフーガ イ短調 BWV944


 《休憩》


 フランス風序曲(パルティータ)ロ短調 BWV831
 イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971

《アンコール》

 ゴットフリート・ハインリヒ・シュテルツェル(アンジェラ・ヒューイット編曲):私があなたとともにいるのなら(歌劇「ディオメデス」より)
 J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びを


最後に予習したCDですが、もちろん、アンジェラ・ヒューイットのCDを軸に聴きました。

 バッハ:4つのデュエット、フランス風序曲、イタリア協奏曲
  アンジェラ・ヒューイット 2000年10月4-7日 ヘンリー・ウッド・ホール、ロンドン ピアノ:スタインウェイ セッション録音

 バッハ:18の小前奏曲
  アンジェラ・ヒューイット 1995年6&8月 ピアノ:スタインウェイ セッション録音

 バッハ:幻想曲とフーガ イ短調 BWV944
  アンジェラ・ヒューイット 2004年 ピアノ:スタインウェイ セッション録音


いずれもアンジェラ・ヒューイットらしい、一点の曇りもない明晰な演奏です。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       アンジェラ・ヒューイット,

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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