fc2ブログ
 
  

サプライズのアンコールに度肝を抜かれ、チェロの上村文乃の音楽センスに感銘 原田慶太楼&東京交響楽団:モーツァルト・マチネ 第49回@ミューザ川崎シンフォニーホール 2022.5.28

15日連続コンサートの9日目です。遂に半分過ぎました。ふーっ。

今日は朝早起き(saraiとしては)して、午前11時からのモーツァルト・マチネに駆けつけました。この時間帯のコンサートはいつも朝寝坊のsaraiとしては厳しいものがあります。
まずはモーツァルトの初期の交響曲2曲。モーツァルトが14歳、15歳の時の作品です。さすがの天才モーツァルトも14歳で作曲した交響曲第10番はまだ、様式感も整っていません。しかし、東響の第1ヴァイオリン群の目覚ましい演奏には聴き惚れてしまいます。短い作品ですが、東響のアンサンブルに魅了されました。
続く15歳で作曲した第12番はわずか1年で長足の進歩を見せ、古典派の交響曲の様式を確立したものになっています。ここでも東響の第1ヴァイオリン群の素晴らしい響きに魅了されます。原田慶太楼のきっちりとした指揮にも好感を覚えます。この原田慶太楼指揮の東響のモーツァルトならば、全交響曲を聴いてみたくなります。

続いて、サン=ジョルジュの交響曲第2番。サン=ジョルジュは18世紀のフランスの作曲家ですが、今日まで、その存在すら知りませんでした。モーツァルトよりも10歳ほど年上で、モーツァルトがパリに旅した際に接触したようです。この曲の作風は古典派そのものですが、モーツァルトともハイドンとも異なる個性を持ち、心地よい響きの作品に仕上がっています。原田慶太楼指揮の東響は素晴らしいアンサンブルでこの曲を演奏し、気持ちよく演奏を楽しめました。と言っても全曲10分ほどの軽い作品ではあります。

最後はボッケリーニのチェロ協奏曲第9番。フリードリヒ・グリュッツマッハーによる編曲版の演奏と思っていたら、何とオリジナルの原譜による演奏でした。したがって、まったくの初聴き。予習も無駄になりました。チェロは若手の上村文乃。彼女はいつもバッハ・コレギウム・ジャパンで弾いているのを聴いています。もっとも次席なので、ほとんど、その響きを聴くことはありません。今日の演奏は派手なものではありませんが、手堅い演奏で好感を持ちました。全体の印象はよいアンサンブルの美しい演奏。満足して聴きました。
アンコールが秀逸でした。ボッケリーニの弦楽五重奏を上村文乃がオーケストラ用に編曲したそうですが、その編曲が見事。バロックの協奏交響曲みたいにチェロとヴァイオリンの独奏が活躍し、とても素晴らしい演奏です。驚いたのは、ヴァイオリンはもちろん、チェロもギターのように抱えて、指で弾いて演奏したこと。チェロを抱えて演奏するのは初めて見ました。サプライズの多い面白い演奏でした。上村文乃の音楽センスが光りました。

なお、全体に原田慶太楼のしっかりしたまとめが効いていました。素晴らしい指揮者です。


今日のプログラムは以下です。

  指揮:原田慶太楼(東京交響楽団 正指揮者)
  チェロ:上村文乃
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:水谷晃

  モーツァルト:交響曲第10番 K.74
  モーツァルト:交響曲第12番 K.110(75b)
  サン=ジョルジュ:交響曲第2番 Op.11-2
  ボッケリーニ:チェロ協奏曲第9番 G.482(オリジナル版)

  《アンコール》
    ボッケリーニ:弦楽五重奏 ハ長調から Passa Calle~ある小径で(オーケストレーション:上村文乃)

   休憩なし


最後に予習について、まとめておきます。

1~2曲目のモーツァルトの交響曲第10番と第12番を予習したCDは以下です。

 ジェイムズ・レヴァイン指揮ウィーン・フィル 1984~1990年、ウィーン楽友協会大ホール セッション録音

レヴァインとウィーン・フィルのコンビで、1991年のモーツァルト没後200年に向け企画されたモーツァルト交響曲全集。気品の高い演奏です。


3曲目のサン=ジョルジュの交響曲第2番を予習したCDは以下です。

 ベルナール・ワール指揮ヴェルサイユ室内管弦楽団 1982年1月 セッション録音

なかなか美しい演奏です。


4曲目のボッケリーニのチェロ協奏曲第9番を予習したCDは以下です。

 ジャクリーヌ・デュ・プレ、ダニエル・バレンボイム指揮イギリス室内管弦楽団 1967年4月17,24日 ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ セッション録音

これはフリードリヒ・グリュッツマッハーによる編曲版です。昔はこれがよく知られていました。見事な演奏ですが、予習としては外れ。今日はオリジナル版の演奏でした。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








関連記事

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

最後までレビューありがとうございます。最後は時間の都合がつかず視聴できず、非常に残念でした。

アンコールも含め好評のレビューを見てますます残念ですが、お陰様でど

04/02 12:33 

michelangeloさん

saraiです。大変、ご無沙汰しています。
このたびは過分なご評価いただき、恐縮しています。

よいコンサート、オペラを聴くと、興奮して、記事を書き過

03/31 01:42 sarai

sarai様

こんばんは。

3月に8回も《トリスタンとイゾルデ》公演が開催される東京は音楽都市です。再び御感想を拝読し、改めて感じるのはsarai様のクラシック音楽オペラ公

03/29 21:28 michelangelo

《あ》さん、saraiです。

結局、最後まで、ご一緒にブッフビンダーのベートーヴェンのソナタ全曲をお付き合い願ったようですね。
こうしてみると、やはり、ベートーヴェン

03/22 04:27 sarai

昨日は祝日でゆっくりオンライン視聴できました。

全盛期から技術的衰えはあると思いましたが、彼のベートーヴェンは何故こう素晴らしいのか…高齢のピアニストとは思えな

03/21 08:03 

《あ》さん、再度のコメント、ありがとうございます。

ブッフビンダーの音色、特に中音域から高音域にかけての音色は会場でもでも一際、印象的です。さすがに爪が当たる音

03/21 00:27 sarai

ブッフビンダーの音色は本当に美しいですね。このライブストリーミングは爪が鍵盤に当たる音まで捉えていて驚きました。会場ではどうでしょうか?

実は初めて聴いたのはブ

03/19 08:00 
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR