fc2ブログ
 
  

デュティユー、ドビュッシー、ラヴェルというフランス音楽でも魅了してくれるカルテット・アマービレ@鶴見サルビアホール3F音楽ホール 2022.6.29

先週のハクジュホールでのコンサートに引き続いて、saraiのお気に入りの若手カルテット、カルテット・アマービレの演奏を聴きます。

最初はデュティユーの弦楽四重奏曲「夜はかくの如し」です。無調と調性が入り混じるような幻想的な作品ですが、カルテット・アマービレは魅力に満ちた響きを聴かせてくれます。とりわけ、後半は音楽的レベルも高潮し、幻想的でいて、熱情にあふれた音楽を表現してくれました。趣きは異なりますが、ベルクの音楽を想起させられました。カルテット・アマービレは、響きの底をチェロの笹沼 樹がきっちり、安定的に支え、その上を第一ヴァイオリンの篠原悠那が美しく舞い踊るという風情で、その横で内声の2人、北田千尋、中 恵菜が響きを充足させるという感じで、四人の力量がますますアップしているようです。それによって、繊細で美しい響きからドラマチックなフォルテの響きまで、見事に演奏してくれます。その上で音楽的な表現が素晴らしく熟成してきているのが感じられます。

次のドビュッシーの弦楽四重奏曲は冒頭から凄まじい響きの音楽が続きます。フランス音楽でここまで力強く演奏するのはかなり個性的とも思えます。それが第二楽章まで続きます。このあたりは聴く人によって賛否両論があるかもしれません。saraiは一応、面白く聴かせてもらいました。別の表現はあるかもしれませんが、シンフォニックな響きの個性的な表現は考えた上での表現だったのでしょう。第三楽章は一転して、音量も抑えて、実に抒情に満ちた音楽で魅了されます。第二楽章までの奔放なまでの演奏はここへの布石だったのでしょうか。第四楽章は静謐さと熱さを適宜表現して、見事な演奏です。バランスのよい演奏で曲を閉じます。

後半はシックな黒のドレスに着替えて登場。ラヴェルの弦楽四重奏曲です。第一楽章は美しいメロディーを前面に出した美しい演奏です。特に第二主題でしょうか、途中のメロディーの美しい表現に魅惑されます。第二楽章はピチカートで活き活きとした演奏です。きびきびと音楽が進行します。第三楽章は内省的な気分の緩やかな音楽ですが、カルテット・アマービレの丁寧で心の込められた演奏で惹き付けられます。第四楽章は再び、活気に満ちた音楽で、カルテット・アマービレの充実した響きで気持ちよく音楽が閉じられます。

カルテット・アマービレのフランス音楽への取り組みは上々の演奏でした。今後さらに熟成していくことでしょう。

アンコールはプッチーニの弦楽四重奏曲 「菊」。先週聴いたばかりですが、プッチーニらしい美しいメロディーの音楽をカルテット・アマービレは思いっ切り、魅惑的に演奏し、このよく響くホールにそのプッチーニが響き渡ります。素晴らしい演奏に満足、満足。

カルテット・アマービレを先週に続いて聴き、彼らがますます、音楽の表現の幅を広げていることに感銘を受けました。とりわけ、個々の力量が確実に上がっていることが印象的でした。今後、ますます、期待できそうです。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:カルテット・アマービレ
   篠原悠那vn   北田千尋vn   中 恵菜va   笹沼 樹vc

  デュティユー:弦楽四重奏曲「夜はかくの如し」
  ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 Op.10

   《休憩》

  ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調

   《アンコール》
   プッチーニ:弦楽四重奏曲 「菊」I Crisantemi 嬰ハ短調


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のデュティユーの弦楽四重奏曲は以下のCDを聴きました。

 ベルチャ弦楽四重奏団 2000年5月 イギリス、サフォーク、ポットン・ホール セッション録音
 アルカント・カルテット 2009年10月 ドイツ、Teldex Studio Berlin セッション録音

ベルチャ弦楽四重奏団も見事な演奏ですが、アルカント・カルテットは最高級の素晴らしい演奏です。なお、どちらのアルバムもデュティユー、ドビュッシー、ラヴェルの弦楽四重奏からなるアルバムです。


2曲目のドビュッシーの弦楽四重奏曲は以下のCDを聴きました。

 アルカント・カルテット 2009年10月 ドイツ、Teldex Studio Berlin セッション録音
 ベルチャ弦楽四重奏団 2000年5月 イギリス、サフォーク、ポットン・ホール セッション録音
 
これはいずれ劣らぬ素晴らしい演奏です。


3曲目のラヴェルの弦楽四重奏曲は以下のCDを聴きました。

 アルカント・カルテット 2009年10月 ドイツ、Teldex Studio Berlin セッション録音
 ベルチャ弦楽四重奏団 2000年5月 イギリス、サフォーク、ポットン・ホール セッション録音
 
これはベルチャ弦楽四重奏団のほうが気持ちよく聴けました。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!








関連記事

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       カルテット・アマービレ,

コメントの投稿

非公開コメント

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR