FC2ブログ
 
  

インバル+東京都響playsショスタコーヴィチ@東京文化会館 2011.12.12

今日のように素晴らしい演奏に巡り合うと本当に幸せな気持ちになります。都響の定期会員になって、最高の演奏でした。決してパーフェクトな演奏ではありませんでしたが、そんなことは問題ではありません。演奏者の熱い思いが伝わる演奏でした。ここまでくると、音楽的によいとか悪いとか第3者的な気持ちでいられなくなります。要はみんなで感動を共有できたかどうかでしょう。インバルの指揮もいつになく、細かい表情をつけた丁寧なものです。あまりのテンポの変化、ダイナミズムの変化にオーケストラも完璧についていけたわけではありませんが、やはり、こういう個性的な指揮を期待しているんです。
とりあえず、今日のプログラムを紹介します。

 指揮:エリアフ・インバル
 チェロ:ガブリエル・リプキン
 管弦楽:東京都交響楽団
 
 ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第2番 Op.126

  《休憩》

 ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調 Op.47

上記の感想は休憩後の交響曲第5番に関するものですが、まずは最初のチェロ協奏曲について、述べます。

リプキンのチェロの音色は深く美しいです。冒頭のチェロ独奏は美しいというよりも沈痛な響きですが、その深い音色に救われる思いです。ショスタコーヴィチの後期の音楽はどうしてこんなに沈痛なんでしょう。時代状況もあったかも知れませんが、ベートーヴェンの音楽が中期の輝かしいものから後期の深く精神的なものに変化したように、ショスタコーヴィチの音楽も精神性を深めると同時に沈痛さを持つようになったような気がします。
第1楽章は徹頭徹尾、沈痛な表情を崩しません。実に聴き応えのある音楽が展開されていきました。チェロの素晴らしい響きがこの音楽の中核をしっかりと支えていました。
第2楽章以降は少し表情を緩めますが、底流には沈痛さがあります。重い重い音楽です。

休憩後、冒頭に既に激賞した交響曲第5番です。色々と取沙汰されることの多い音楽ですが、中期の輝かしい傑作であることは間違いありません。それに少年時代、saraiが夢中になった曲で思いも深いものがあります。ですから、作曲の背景とか時代背景とかは忘れて、ただただ音楽的に楽しむ気持ちで臨みます。

第1楽章はあの有名な低弦の合奏で開始されます。弦楽合奏は続き、第1ヴァイオリンが主旋律を演奏するあたりは都響のもっとも得意とするところです。今日も第1ヴァイオリンは素晴らしい響きです。次に木管のソロが続きますが、フルート、オーボエの音色の素晴らしさに驚かされます。都響って、木管がこんなに上手かったでしょうか。ともかく、第1ヴァイオリン、木管の響きに気持ちよくなっているうちにこの楽章はあっという間に終わりました。

第2楽章は結構テンポがスローに感じます。まあ、それ以上にインバルが細かいニュアンスを付けた指示を出し、テンポが揺れます。聴いているほうとしてはとても面白く感じますが、ともすると若干の破綻もありますが、かえってそれが楽趣をそそられます。聴いたこともないようなパッセージがあらわれるからです。実に面白いです。もっと合奏を完璧に仕立てあげていくことも良いでしょうが、これはこれで未完成の荒削りの妙も感じます。全体としてはオーケストラはよくインバルの注文に応えた良い演奏です。

第3楽章、これは素晴らしい! 弦楽合奏で始まる美しい演奏です。何の文句もない演奏です。長大な楽章で、この交響曲の中核をなす重要な楽章です。このあたりから、演奏も熱を帯びてきました。saraiもぐっと手に力がはいります。深く心に刻まれる演奏です。十分に満喫したところでこの楽章は閉じられますが、間髪をおかず、次の終楽章に突入します。

第4楽章、超有名なジャジャンジャンジャン~とド派手な曲が始まります。前楽章とのあまりの対比に高揚感が高まり、思わず、感極まってしまいます。曲の持っていき方がとても上手いし、何より、熱のこもった演奏にこちらまで熱くなります。お互いストレート勝負って感じです。この高揚感はフィナーレで最高潮に盛り上がります。指揮者の意図通りに乗せられてしまいました。分かっていても、その術中にはまってしまうという実にレベルの高い素晴しい演奏でした。最後、早過ぎる拍手の聴衆もいましたが、許しましょう。そんな気分の終わり方ではありました。

来年秋からのインバルのマーラーチクルスも楽しみになりました。このように細かい表情を付けたマーラーならば聴いてみたいです。少々の傷のある演奏でも構いません。saraiの心を燃焼させてくれる演奏を期待しましょう。2番、5番あたりが期待です。

もっとも今月はまだサントリーホールでのショスタコーヴィチの交響曲12番とヴァイオリン協奏曲も残っています。今年最後のコンサートにふさわしい演奏を期待しましょう。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!



関連記事

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR