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圧巻のニルセン、巨匠ブロムシュテットのもと、目の覚めるような極美のアンサンブル NHK交響楽団@サントリーホール 2022.10.26

NHKホールでのマーラーの交響曲第9番では、第4楽章はともかく、老巨匠ブロムシュテットはあまりに動きに乏しくて、心配な状況でしたが、今日はおぼつかない歩行状況はともかく、とてもしっかりした指揮で、少ない動きで的確な指示で、それに呼応するNHK交響楽団も必死にくらいつくような新鮮な演奏。これまで聴いたことのないような圧倒的な極美のサウンドを聴かせてくれました。

ニルセンと言えば、ブロムシュテットの代名詞とも言えるものです。N響とのコンビでは、昨年、交響曲第5番を聴きましたが、実に美しい演奏でした。その前にも、ウィーンの楽友協会でウィーン交響楽団を指揮して、その曲を演奏するのを聴きました。単に北欧系の家系だけでの親和性ではないような気がします。今日の演奏はもはや爆演ではなくて、ニルセンのどこまでも世界に突き抜けるような美しさの限りを尽くすようなものです。これがブロムシュテットの総決算なのでしょう。N響はブロムシュテットの精いっぱいの手の動きに反応して、見事な演奏を聴かせてくれました。ポジティブな世界肯定の感覚を美しい音楽の響きで歌い上げるような瑞々しい表現にブロムシュテットはこの老境で至ったようです。我々はただただ、この美し過ぎる音楽世界を自然に受容するだけで、幸福感に浸ることができます。これが巨匠の音楽を聴く最後の機会になったとしても、悔いの残らないような一期一会とも思える最高の音楽が脳裏に刻み付けられました。

前半のグリーグのピアノ協奏曲、ムストネンの爆演とやりたい放題の演奏に心を揺さぶられました。ピアノの陰で見えませんでしたが、ブロムシュテットは温かく、そういうムストネンの演奏をサポートしているようでした。ムストネンはミスタッチを恐れぬ自己表現に徹して、それをsaraiは好感を持って聴き入っていました。グリーグの音楽の真髄に迫るような演奏に思えました。ムストネンは初聴きですが、CDではベートーヴェンのバガテルや変奏曲の演奏に注目していました。まさか、こういう演奏スタイルとは、驚きました。また、別の機会に聴かせてもらいましょう。


今日のプログラムは以下のとおりでした。


  指揮 : ヘルベルト・ブロムシュテット
  ピアノ : オリ・ムストネン
  ソプラノ : 盛田麻央
  バリトン : 青山 貴
  管弦楽:NHK交響楽団 コンサートマスター:白井圭

  グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
   《アンコール》ヘンデル:調子のよい鍛冶屋(『ハープシコード組曲第1集』第5番 ホ長調 HWV.430 の終曲「エアと変奏」)

   《休憩》

  ニルセン:交響曲 第3番 Op.27「広がり」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のグリーグのピアノ協奏曲を予習したCDは以下です。

  田部京子、小林研一郎指揮東京交響楽団 2018年6月10日 ミューザ川崎シンフォニーホール ライヴ録音

とても素晴らしい演奏です。大変、感銘を覚えました。


2曲目のニルセンの交響曲 第2番を予習したCDは以下です。

  ナンシー・ウェイト・クロム(S)、ケヴィン・マクミラン(Br)、ヘルベルト・ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団 1989年12月 サンフランシスコ、デイヴィス・シンフォニー・ホール セッション録音

ニルセンの交響曲全集から1枚です。ブロムシュテットはデンマーク国立放送交響楽団との全集録音に続いて、2回目の全集です。ともかくブロムシュテットはニルセンのスペシャリストですね。この演奏も見事です。旧盤のデンマーク放送交響楽団を指揮したもののほうが爆演で熱い演奏です。



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