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クァルテット・インテグラのチャレンジャブルなハイドン、ウェーベルン、ベートーヴェン後期に感銘!@上大岡 ひまわりの郷 2022.11.7

平日のお昼、実に低料金で今、輝きを放つ若手クァルテットのクァルテット・インテグラを聴きました。ほぼ1ヵ月前に鶴見で聴いたばかりです。さすがにそれから成長したとは思えませんが、何とも若々しい演奏に魅了されました。ベテランのクァルテットほどの熟成はありませんが、代わりに生硬とも言える瑞々しさが眩しいほどです。輝かしい将来に向けての無限の可能性が感じられます。その成長過程の今が何とも聴いていて楽しい限りです。

最初の曲はハイドンの後期の弦楽四重奏曲第74番「騎手」Op.74-3。第1楽章と第4楽章は演奏している彼らも聴いているsaraiも弾むように楽しい音楽です。一方、第2楽章のラルゴは美しい抒情の漂う世界を丁寧かつ緊張感高く歌っていきます。弦楽四重奏曲の様式を確立したハイドンの真骨頂を若い彼らが見事に演奏してくれました。

次のウェーベルンは今や彼の十八番の演目。前回のコンサートでも聴かせてくれた無調で幽玄な世界をさらに高い精度で素晴らしく演奏。ともかく、ウェーベルンらしく、極限まで切り詰められた音楽を高い緊張感で演奏してくれて、saraiも集中して拝聴。第3楽章と第6楽章の素晴らしい演奏に魅了されました。

休憩後、今日のメインの演目であるベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op.130 + Op.133「大フーガ付き」。第1楽章の自由な曲想を弁証法的に弾き進めていきます。ベートーヴェンの晩年の高く深い精神性の込められた音楽が表現されます。若手の音楽家としては実に精度の高い音楽が響き、とても魅了されます。第2楽章も抑えた演奏で密やかな音楽が見事に奏でられます。第3楽章は美しい緩徐楽章。これも素晴らしい演奏です。続く第4楽章はレントラー。特に中間部の美しさが見事です。いよいよ、この作品の中核部である第5楽章に入ります。ベートーヴェンが書いたもっとも美しい音楽であるカヴァティーナです。クァルテット・インテグラの演奏も美しいのですが、これはもっと美しく弾いてほしかった感があります。特に第1ヴァイオリンがもっと自己主張してでも豊かな演奏にしてほしかったと思います。以前、何度も聴いたロータス・クァルテットの美しくて、とろけるような演奏が思い出されます。そして、今日の終楽章は大フーガです。saraiはベートーヴェンが書き直した終楽章よりも、もともとのこの大フーガを終楽章とした演奏を好みます。クァルテット・インテグラはこの雄大な大フーガを冒頭からがんがんと弾き進めます。とてもよいですね。実に長大で深遠な音楽が語られます。素晴らしい演奏ではありましたが、クァルテット・インテグラの演奏はまだまだ熟成への時間が必要だと思えました。

やんやの拍手でアンコールは再び、カヴァティーナ。心なしか、肩の力が抜けて、本編での演奏よりも美しい演奏に思えました。

最近は若手も臆することなく、西洋音楽の最高峰、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲に挑みます。彼らがこの素晴らしい音楽をどう熟成させていくかを聴いていくのも興味深いところです。来年1月には、クァルテット・アマービレの演奏で、このベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op.130 + Op.133「大フーガ付き」を聴きます。楽しみは尽きません。


今日のプログラムは以下です。

  弦楽四重奏:クァルテット・インテグラ
   三澤響果 vn  菊野凜太郎 vn 
   山本一輝 va  築地杏里 vc

  ハイドン:弦楽四重奏曲第74番 ト短調 Op.74-3「騎手」
  ウェーベルン:弦楽四重奏のための6つのバガテル Op.9

   《休憩》

  ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op.130 + Op.133「大フーガ付き」
 
   《アンコール》
     ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op.130 から 第5楽章 カヴァティーナ

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第74番「騎手」Op.74-3は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ弦楽四重奏団 2003年1月21-23日 聖トリニティ教会、ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音
 
リンゼイ四重奏団のハイドンはどれも素晴らしいです。


2曲目のウェーベルンの弦楽四重奏のための6つのバガテルは以下のCDを聴きました。

 ラサール弦楽四重奏団 1968年、1970年 ミュンヘン セッション録音
 エマーソン・カルテット 1992年10月  ニューヨーク州立大学パーチェス校、パフォーミングアーツセンター セッション録音

ラサール弦楽四重奏団の新ウィーン楽派の弦楽四重奏曲集は永遠の金字塔です。一方、エマーソン・カルテットの演奏の完成度の高さはウェーベルンが今や、古典であることを実感させます。


3曲目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op.130 + Op.133「大フーガ付き」は以下のCDを聴きました。

 リンゼイ四重奏団 1983年 聖トリニティ教会,ウェントワース、ヨークシャー、英国 セッション録音
 
リンゼイ四重奏団の旧盤のベートーヴェンの弦楽四重奏団全集からの1枚です。新盤もいいのですが、旧盤はさらに感銘深い演奏です。第13番の第6楽章は大フーガに差し換えて聴きました。PCのHDDの音源で聴いているので、差し換えは簡単なんです。



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ジャンル : 音楽

       クァルテット・インテグラ,

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