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万感の思いでシューベルトを聴く・・・夢は枯野をかけ廻る 田部京子ピアノ・リサイタル《シューベルト・プラス第10回》@浜離宮朝日ホール 2022.12.4

田部京子のシューベルト・プラス・シリーズも今回で第10回、完了になります。こんな素晴らしいピアノが聴けて、大変幸せでした。最終回の今日は、ブラームスの最後のピアノ作品、ベートーヴェンの最後のピアノ・ソナタ、そして、シューベルトの最後のピアノ・ソナタ。いずれも既にこのシリーズで演奏されたものですが、最後にもう一度、これらの傑作を振り返ろうとするものです。そして、いずれも最高の演奏を聴かせてくれました。まさに天才ピアニスト、田部京子ならではの演奏でした。

最初のブラームスの4つの小品 Op.119は第1曲の間奏曲の深い味わいに始まり、第4曲のラプソディーの華やかで祝典的な演奏で心が高揚しました。

次のベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番が凄かった! 第1楽章の壮大な音楽の高揚、そして、第2楽章のアリエッタの抒情は何と形容してよいのか、頭を垂れて聴き入るのみでした。ベートーヴェンの崇高さを田部京子は最高の形で表現してくれました。今日のコンサートはこれで終わっても満足して帰れるようなものでした。

休憩後、田部京子の代名詞とも言えるシューベルトのピアノ・ソナタ 第21番。このシリーズで3回目の登場ですが、何度でも聴きたい音楽です。全4楽章、完璧な演奏が当たり前のように奏でられます。長大な第1楽章は永遠の憧憬を感じさせる詩情に満ちた圧巻の演奏。これ以上の演奏は望むべくもありません。そして、第2楽章は何と言う素晴らしい音楽の発露でしょう。即興曲の味わいです。憬れとも祈りとも思えるひたむきな音楽が、ここでも詩情豊かに奏でられます。ここは田部京子の独壇場の音楽です。彼女の美しい魂が優しい心の襞を撫でてくれるようです。深い感動を覚えます。煌めくような第3楽章を経て、心が高揚する第4楽章です。この長大な楽章は田部京子の冴えたピアニズムで盛り上がっていきます。今日もこの田部京子のための音楽がsaraiの心を癒してくれました。うーん、とても素晴らしかった。

アンコールもシューベルトが続きます。即興曲の素晴らしい演奏は魂の音楽です。最後はこれしかないアヴェ・マリア。美しい音楽を受容するのみです。

これでこのシリーズも完結。素晴らしかったシリーズを締めくくるのにふさわしい音楽を聴かせてもらいました。シリーズは完結しましたが、来年の6月はまた、CDデビュー30周年のリサイタルがあります。首尾よく、本日、チケットも入手しました。シリーズで唯一聴き逃がした第1回で演奏されたシューベルトのピアノ・ソナタ第18番《幻想》が聴けるという嬉しいサプライズ。saraiにとって、本当の完結編になりそうです。


今日のプログラムは以下です。

  田部京子ピアノ・リサイタル
   《シューベルト・プラス第10回》

  ピアノ:田部京子
 
  ブラームス:4つの小品 Op.119
  ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 Op.111

  《休憩》

  シューベルト:ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D960

  《アンコール》
   シューベルト :即興曲集 第3番 D 899 Op.90-3 変ト長調
   シューベルト(編曲:吉松隆) :アヴェ・マリア 

最後に予習について、まとめておきます。

ブラームスの4つの小品 Op.119を予習したCDは以下です。

 田部京子 2011年8月22日、23日、25日 上野学園 石橋メモリアルホール セッション録音

田部京子のブラームスの後期ピアノ作品集。これは名盤です。どれも素晴らしい。Op.116が収録されていないのが残念。


ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番を予習したCDは以下です。

 田部京子 2015年8月12-14日 東京都、稲城ⅰプラザ セッション録音

田部京子のベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタも最高です。何故、全集の録音をしないのか、不思議で残念です。


シューベルトのピアノ・ソナタ 第21番を予習したCDは以下です。

 田部京子 1993年10月20~22日 秋川キララ・ホール セッション録音

これ田部京子のシューベルト作品集の最初の録音です。もう、30年近く前の録音ですが、今回、また聴き直してみましたが、やはり、何度聴いても素晴らしい演奏です。聴き惚れてしまいます。今度はライヴで再録音してもらいたいものですが、たとえ、再録音されなくても満足の1枚です。


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       田部京子,

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

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03/01 19:22 aokazuya

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大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

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クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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