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上原彩子+東京都響@サントリーホール 2011.9.27

やはり、コンサートに通い続けると、こんな名曲・名演奏にぶつかることもあります。上原彩子の演奏するチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番です。あの有名な第1番ではありませんよ。このコンサートまで、この曲はまったく知らずにいました。こんなに長くクラシック音楽を聴いているのにです。
もちろん、第1番っていうのだから、第2番もあるんだろうとは思ったことがありますが、こんなに話題にならないのだから、よほど価値のないものだろうと想像していました。
とりあえず、コンサートに先立って、CDで予習ですが、あまりCDはないようです。ここは本場ものということでエミール・ギレリスの演奏するCDを入手。劇的過ぎるほど劇的な曲で第1番の協奏曲とはかなり趣が異なります。まあ、聴いていて退屈する曲ではないので、コンサートでもそれなりに楽しめそうだと結論付けたところで本番に臨みました。

今日は東京都交響楽団の定期演奏会。会場はサントリーホールです。
今夜のプログラムは以下です。

 プロコフィエフ:歌劇《戦争と平和》序曲 Op.91
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第2番ト長調 Op.44(原典版)

  《休憩》

 プロコフィエフ:交響曲第5番変ロ長調 Op.100

指揮はマーティン・ブラビンスです。

まず、プロコフィエフの歌劇《戦争と平和》序曲です。ほんの5分ほどの短い曲です。新古典というか、社会主義リアリズムというか、明快そうな曲ですが、演奏は妙に大げさでこのホールには珍しく強音の響きが崩れ、ある意味うるさく感じられます。この指揮者が大きな音をオーケストラに要求しているのかもしれません。あまり、楽しめませんでした。

次はお目当ての上原彩子です。
これは冒頭に書いた通り、まことに見事な演奏。キレがあるとともに、抒情性も兼ね備えた滅多に聴けないピアノ演奏です。
オーケストラもピアノをステージに備えるために、少し、ステージから下がったせいか、音量も適度です。というのもsaraiの定期会員席が2列目とかなりステージに近いせいもあります。
そうそう、上原彩子のコンサートでいつも気になるピアノですが、今日もスタインウェイです。特に今日の曲目のような大音量の曲の場合、パワーがあり、音の豊かなスタインウェイがいいですね。
第1楽章、まさにダイナミックな演奏。風格さえ感じさせるピアノ演奏。素晴らしいです。響きもたっぷり。ピアノソロの部分ははっとする美しさです。
第2楽章にはいると、その傾向が如実に表れます。まず、コンサートマスターの矢部達哉の素晴らしいヴァイオリンソロ。続いて、チェロの古川展生の気迫のこもったソロ。さすがにこの二人は違うなと思って聴いていたら、続いての上原彩子のソロの抒情的な演奏、まあ、うっとりとして聴くだけ。これは哀歌です。一体、何の哀歌でしょう。ここだけ聴いても今夜のコンサートを聴いた甲斐があったというものです。まるでジャズのジャムセッションみたいな構成です。
やがて、この3人が一緒に演奏する部分があります。まさにピアノ3重奏です。ベートーヴェンのトリプルコンチェルトよりも素晴らしい。
第3楽章では、ピアノの目くるめく華やかな演奏に耳を奪われっぱなし。ここでもソロの素晴らしいこと。
この日の演奏は原典版で45分という長大なものでしたが、その長さを感じさせない名演でした。これまでは短縮改訂版での演奏が多かったそうです。
今後、この曲もメジャーになるに違いありません。もっともピアニストの大変な力量が要求されるでしょうが。

話は脱線しますが、この日の上原彩子を見てびっくり。すっかりスリムになっていました。お子さんを産む前はこんなだったでしょうか。見栄えも音楽性も一段とレベルアップした上原彩子でした。来年初めのサントリーホールでのリサイタルが一層楽しみになりました。

休憩後のプロコフィエフの交響曲第5番ですが、東京都響らしく、緻密な弦楽合奏が素晴らしかったです。ただ、やはり、強音では響きが崩れたのが如何にも残念です。指揮のブラビンスは協奏曲のときのように少し肩の力が抜けるといい演奏になるのになあと感じてしまいました。でも、あくまでも素人の感想です。

来週からヨーロッパへ旅立つので、国内の演奏会は次は11月の庄司紗矢香のコンチェルトまでありません。その分、10月はヨーロッパ、特にウィーンで連日のオペラ・オペレッタ・バレエ・コンサートで音楽に耽溺します。



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この記事へのコメント

1, ハルくんさん 2011/09/28 12:37
こんにちは。

ピアノ協奏曲2番は生で聴いたことも有りますしCDも持っていますが、正直言って曲に感銘を受けたことはありません。
上原さんの演奏がよほど良かったのかもしれませんね。
今度CDを聴きなおしてみます。

秋のヨーロッパいいですね。存分に楽しまれてきてください。

2, saraiさん 2011/09/28 23:36
こんばんは。

上原彩子のピアノソロの部分に感銘したというのが正確なところです。流石のギレリスも大袈裟といえば、大袈裟な演奏。それに上原彩子は原典版の演奏なので、ピアノソロのパートが十分に聴けたかもしれません(短縮版との違いは知りませんが)。CDは是非、原典版のかつ、ピアノソロパートにご注目ください。特に第2楽章です。YOU-TUBEの上原彩子のメッセージでも第2楽章に言及しています。

ヨーロッパですが、ウィーン楽友協会でプレートル+ウィーン・フィルでブルックナーの第7番を聴くのが一番の楽しみです。現在、CDで聴き比べ中。結果はハルくんさんのページに報告します。現在6枚聴きました。
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ジャンル : 音楽

       上原彩子,

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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