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天才指揮者カーチュン・ウォンのバルトークの管弦楽のための協奏曲は真髄を抉り出す超名演 日本フィルハーモニー交響楽団@サントリーホール 2023.1.20

カーチュン・ウォンの凄い評判は聞いていたので、一体、バルトークをどう演奏するのかと思って、初めて聴いてみました。まさに驚天動地の凄まじい演奏でした。昨年のマケラの春の祭典にも優るとも劣らないような圧倒的な名演でした。昔、ベルティーニが都響を指揮して、みなとみらいホールでマーラーの交響曲第5番を演奏したときに受けた衝撃を思い出しました。指揮者によって、日本フィルがシカゴ響レベルにグレードアップするのを目の当たりにして、驚かざるを得ませんでした。もう、これ以上は書くことがありませんが、それもなんですから、もう少し書いてみましょう。

前半は昨日に続いて日本人作曲家の作品が演奏されます。伊福部昭のシンフォニア・タプカーラです。まず、たっぷりした抒情が歌われますが、その響きの素晴らしさに圧倒されます。そして、さらにテンポアップしたパートのノリに乗った演奏と指揮にあっけに取られます。カーチュン・ウォンは完璧にこの曲を掌握し、最高の演奏を聴かせてくれました。素晴らしい作品に素晴らしい演奏です。もっとも初めて聴くので比較はできませんが、きっと最高レベルの演奏だったでしょう。日本的でもあり、インターナショナルでもある曲と演奏です。演奏後、カーチュン・ウォンはスコアを持ち上げて、作品を讃えていました。saraiとしては指揮したカーチュン・ウォンを讃えたい気持ちです。そうそう、第4楽章はまるでバルトークを思わせるパートもあり、この後に演奏されるバルトークに期待してしまいます。

で、そのバルトークの管弦楽のための協奏曲は無論、細部に至るまでsaraiも把握していますから、十分に演奏のレベルを評価することができます。しかし、そのsaraiを嘲笑うようにカーチュン・ウォンは聴いたこともないようなフレーズを深く掘り下げた演奏で驚嘆させます。ううっ、これは本当はこんな曲だったのかと次から次へと新しい驚きを繰り出してきます。しかも日本フィルの響きの素晴らしさにも驚嘆します。目をつぶって聴いていれば、世界のビッグ5のオーケストラのひとつが演奏していると思ってしまいまいそうです。特にヴィオラのパートの素晴らしさには目を瞠ります。管も絶好調です。
第1楽章は完璧でした。ここまでの完成度の演奏は聴いたことがありません。実演でもCDでもそうです。第2楽章は部分的に少しレベルが落ちたところもありましたが、それは第1楽章が凄過ぎたせいでしょう。第3楽章以降は持ち直し、またもや、完璧の上をいくレベルです。第3楽章の夜の歌のダークな演奏も秀逸です。第4楽章のノリは異常に凄いとしか言えません。こんな演奏が可能だとは想像だにできません。第5楽章の急速なパッセージははらはらするようなスピード感ですが、見事に弾きこなしていきます。凄いぞ!日本フィル。特にヴァイオリンとヴィオラは凄まじい! そして、対位法的な音楽が見事に構成されていきます。緊張感で息もできないほどですが、演奏者、特に指揮者は緊張感だけでなく、楽興的でもあります。これが真のバルトークですね。神業のような演奏が高潮して、圧倒的なフィナーレ。一瞬の沈黙がありました。振り向いたカーチュン・ウォンを見て初めて気が付きましたが、彼は暗譜での指揮でした。そうですね・・・これって、暗譜でなくてはあんな指揮はできませんね。

こんな凄い指揮者がこれから日本フィルの首席指揮者になるとは何と言う僥倖でしょう。カーチュン・ウォン&日本フィルはジョナサン・ノット&東響と並ぶ存在になりそうです。saraiの心の中で日本フィルの位置づけが大きくなりました。2023年シーズンから、定期会員になろうかな・・・そのためには、どこかのオーケストラと縁を切らないとね。


今日のプログラムは以下です。


  指揮:カーチュン・ウォン[首席客演指揮者]
  管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団 コンサートマスター:田野倉 雅秋

  伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ

   《休憩》

  バルトーク:管弦楽のための協奏曲


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目の伊福部昭のシンフォニア・タプカーラを予習したCDは以下です。

 広上淳一指揮日本フィルハーモニー管弦楽団 1995年8&9月 セッション録音

伊福部昭の芸術シリーズのCDで、作曲家自身の立ち合いの下、録音された記念碑的なCDです。実に熱のある素晴らしい演奏です。


2曲目のバルトークの管弦楽のための協奏曲を予習したCDは以下です。

 フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団 1955年 セッション録音

実は新たにユニバーサルプレーヤーを購入し、このSACDを初めて聴いてみました。ハイブリッドCDなので、これまでは通常のCD面を聴いていましたが、70年ほど前の録音とは思えない瑞々しさに改めて、感銘を受けました。50年前にレコードでこの演奏を聴いて、バルトークに夢中になっていた日々が蘇りました。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       カーチュン・ウォン,

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

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・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
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03/01 19:22 aokazuya

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10/07 08:57 堀内えり

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08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
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07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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