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滅多に演奏されないフローラン・シュミットとショーソンの隠れた名曲を熱演 ヤン・パスカル・トルトゥリエ&東京都交響楽団@サントリーホール 2023.2.14

今日はまさにフランス系の隠れた名曲尽くしの感があります。演奏された3曲ともsaraiは初聴きです。実演だけでなく、CDでも聴いたことがありません。それどころか、こういう曲があることすら知らない有様。フローラン・シュミットの管弦楽とピアノのための協奏交響曲に至っては、この作曲家と初遭遇です。こういう隠れた名曲を紹介してくれる指揮者ヤン・パスカル・トルトゥリエはその名前でうーん。やっぱり、そうでした。往年の名チェリスト、ポール・トルトゥリエのご子息です。とは言え、saraiよりも年上の老境にはいる指揮者です。ちなみに父親のポール・トルトゥリエの実演に接したことはありませんが、バッハの名曲、無伴奏チェロ組曲の1982年録音の新盤を聴いて、その素晴らしい演奏に納得した覚えがあります。

冒頭のフォーレの歌劇『ペネロープ』前奏曲はフォーレらしい静謐な音楽にじっと聴き入りました。さほど面白味のある作品ではありませんが、しみじみとした抒情が伝わってきます。都響の弦楽アンサンブルが今日も美しい演奏を聴かせてくれました。高潮するパートでの管も素晴らしい演奏です。

次はフローラン・シュミットの管弦楽とピアノのための協奏交響曲。ピアノ独奏は若手の俊英、阪田知樹。この難曲を素晴らしく切れのある美音で弾きこなしました。この作品は3楽章とも、バルトーク的な音楽で始まりますが、すぐにフローラン・シュミットの独自の音楽書法に切り換わり、最後は熱く高潮します。フローラン・シュミットの独自の音楽書法と思えたのは、若干、無調のテーストで色彩感あふれる音響で切れのあるリズムの音楽ということです。少々、騒がしい音響という感じもあり、これが聴く人の好き嫌いに分かれるところかもしれません。saraiはニュートラルな立場です。現代音楽に通じるものと思えば肯定的にも聴けますし、 精神性を求めれば否定的にも思えます。バルトークのパロディー的な音楽はなかなか好ましいと思います。第2楽章の冒頭のバルトークの夜の音楽、第3楽章の冒頭のバルトークのピアノを打楽器的に扱うバーバリズム的な音楽あたりはなかなか好ましいです。バルトークのピアノ協奏曲第2番・第3番を想起します。そして、これらのパートを阪田知樹は見事に演奏します。彼の弾くバルトークが聴きたいですね。フローラン・シュミットの独自の音楽書法のピアノとオーケストラが渾然一体となった各楽章の終結部分は阪田知樹と都響が熱く燃え上がり、圧巻の演奏でした。トルトゥリエの指揮の捌き方も見事なものでした。

休憩後、ショーソンの交響曲 変ロ長調。これはフランクの交響曲にも匹敵する隠れた名曲です。軽く循環形式にもなっていることはさておいて、何と言っても格調高い美しいメロディーが横溢しており、聴くものを惹き付ける魅力にあふれています。トルトゥリエの的確な指揮のもと、都響の素晴らしいアンサンブルがこの名曲を奏でていきます。第2楽章の抒情にあふれた音楽は素晴らしい魅力を感じさせる演奏。,
そして、第3楽章で第1楽章の序奏のモティーフが金管でコラールとして回帰する輝かしい部分以降の高らかな高潮には思わず、身が引き締まる思いに駆られます。圧巻のコーダに感銘を覚えました。

いやはや、こんなに充実した隠れ名曲を聴く機会はそうはありません。こういう企画をたて、そして、それを素晴らしく演奏した都響に惜しみない喝采を送りたいと思います。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:ヤン・パスカル・トルトゥリエ
  ピアノ:阪田知樹
  管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:四方恭子(隣の席は山本友重)

  フォーレ:歌劇『ペネロープ』前奏曲
  フローラン・シュミット:管弦楽とピアノのための協奏交響曲 Op.82

    《休憩》

  ショーソン:交響曲 変ロ長調 Op.20


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のフォーレの歌劇『ペネロープ』前奏曲を予習したCDは以下です。

  ロビン・ティチアーティ指揮ベルリン・ドイツ交響楽団 2017年1月5-7,9日 ベルリン、イエス・キリスト教会 セッション録音

若きイタリア系イギリス人の俊英指揮者ロビン・ティチアーティがベルリン・ドイツ交響楽団の音楽監督に就任して早々の録音アルバムに含まれている曲です。瑞々しい演奏に思えます。


2曲目のフローラン・シュミットの管弦楽とピアノのための協奏交響曲を予習したCDは以下です。

  フセイン・サーメット(p)、デヴィッド・ロバートソン指揮 モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団 1993年6月 セッション録音

録音が少ない曲だけに貴重なアルバムです。フセイン・サーメットのピアノの切れは素晴らしいです。


3曲目のショーソンの交響曲 変ロ長調を予習したCDは以下です。

  ジャン・フルネ指揮オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団 1988年 セッション録音

ジャン・フルネの明快な指揮で美しい演奏です。この曲もそんなに録音が多くないので、名匠フルネの録音で聴けるのは僥倖です。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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