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凝縮したピアノの音のきらめき! ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノ・リサイタル@王子ホール 2023.2.21

ユリアンナ・アヴデーエワのソロ・ピアノ・リサイタルはおよそ4年ぶりに聴きます。コロナ禍は長かった・・・。待望の演奏でした。今回を皮切りに横浜みなとみらいホール、トリフォニーホールでも聴きます。やはり、彼女のピアノは凄かった!! ピアノの演奏の素晴らしさを満喫しました。ピアノは一瞬、一瞬の音の響きがたまらなく、心に響きます。それを実感させてくれるアヴデーエワのピアノでした。一瞬に込められた凝縮した音の塊が何とも素晴らしい音楽に昇華します。アヴデーエワの演奏は次の一瞬にどういう音の塊が投げかけられるかわからないので、気が抜けない演奏です。新しい驚きに次々と感動させられます。音楽全体の構造はある意味、どうでもよくなってきます。瞬間の芸術に対峙するという感じで演奏を味わいました。

前半の武満 徹は楽譜を置いての何か、たどたどしい感じの演奏です。と思っていると、急に素晴らしいパッセージが響いてきます。油断ならない演奏です。全体には弾きこみ不足に思えますが、彼女の音楽的センスでまとめ上げた演奏です。

次はリストです。最初の2曲は晩年の作品で難解な曲想です。ここからアヴデーエワは暗譜の演奏に変わります。演奏は滑らかになりますが、つかみどころのない曲想は武満 徹と共通するものがあります。
最後の3曲目、「伝説」より 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ はリストの全盛期の作品。これは物凄い演奏です。ロ短調ソナタにも匹敵するような素晴らしさ。ピアニズムの極致をいくような圧巻の演奏に圧倒されました。

休憩後、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ 第29番「ハンマークラヴィーア」。これはもう何も語る必要のない素晴らしい演奏でした。何故にこんなに美しい音が出るのかな! 高音の強音の美しいきめきに魅了されます。それに鍵盤の端から端までの動きの鍛え上げられた様と出てくる音の響きの素晴らしさ。ピアノは手と指だけで弾くのではなく、体全体を使って、躍動感あふれる演奏をするのだと強烈に印象づけられました。ピアノを弾くために鍛え上げられたアヴデーエワの美しい体に驚嘆しました。

今週、あと2回、アヴデーエワのピアノを聴けると思うと、嬉しくなります。


今日のプログラムは以下です。

  武満 徹:雨の樹 素描
  武満 徹:リタニ ―マイケル・ヴァイナーの追憶に
  リスト:調性のないバガテル S216a
  リスト:凶星! S208
  リスト:「伝説」より 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ S175-2

   《休憩》

  ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 Op.106 「ハンマークラヴィーア」

   《アンコール》

    シュピルマン:マズルカ
    シュピルマン:組曲「ザ・ライフ・オブ・ザ・マシーンズ」より トッカティーナ


最後に今回の予習について、まとめておきます。

武満 徹の作品は、以下のCDで予習しました。

  小川典子 雨の樹~ピアノ作品集 1996年7月11,12日 スウェーデン、ダンデリド・ギムナジウム セッション録音
  
小川典子の「BIS」デビュー盤。武満 徹とも親交を結んだ小川典子の会心の演奏。


リストの調性のないバガテルは以下のCDで予習しました。

  スティーヴン・ハフ 2018年12月10-14日、ロンドン、ケンティッシュ・タウン、殉教者聖サイラス教会 セッション録音

何とも見事な演奏です。


リストの凶星! は以下のCDで予習しました。

  マウリツィオ・ポリーニ 1989年6月 ミュンヘン セッション録音

文句なしの素晴らしい演奏。


リストの「伝説」より 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコは以下のCDで予習しました。

  ヴィルヘルム・ケンプ 1974年9月2-4日 ハノーファー、ベートーヴェンザール セッション録音

78歳のケンプがリストのベストアルバムを録音したものです。実はケンプはリストを得意にしており、中でもこの曲や「巡礼の年」のような宗教色の濃い曲をよくコンサートでも取り上げていました。ハイレゾで聴くこの演奏は奥深いものがあります。


ベートーヴェンのピアノ・ソナタ 第29番「ハンマークラヴィーア」は以下のCDで予習しました。

  イリーナ・メジューエワ  ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集 2020年6月~7月、新川文化ホール(富山県魚津市) セッション録音

新コロナウィリスで中止になったベートーヴェンの全曲演奏会の代わりに録音した2度目のベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集です(1度目の全集は2007年~2009年に録音。10年ほどの時間を置いての再録音です。)。saraiもチケットを購入し、全曲演奏会を聴く予定でしたが、1~4回が中止になり、5~8回の半分だけ聴きました。中でもこの「ハンマークラヴィーア」は圧巻の演奏でした。録音で聴く演奏は実演ほどの迫力には欠けますが、素晴らしい演奏です。



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ジャンル : 音楽

       アヴデーエワ,

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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