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リヒテルのカーネギーホール(1960年)の超名演も超える圧巻のプロコフィエフ8番 ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノ・リサイタル@すみだトリフォニーホール 2023.2.26

ユリアンナ・アヴデーエワのソロ・ピアノ・リサイタルはこれが最後の3回目。最高の演奏を聴かせてくれました。そのピアノの響きの純粋無垢なきらめきは甘く優しく、心に沁みてきます。前半は前回のみなとみらいホールのプログラムと同じですが、その曲想に耳慣れしたせいか、より精度の高い演奏に思えます。
そして、今回の3回にわたるリサイタルでさ最高の演奏だったのは後半のプロコフィエフのピアノ・ソナタ第8番《戦争ソナタ》です。これ以上の演奏はあり得ないと断言できるようなパーフェクトな演奏でした。硬質過ぎず、かと言って甘さを感じさせない最高の響きで、第1楽章のクールな音楽を深く抉るように弾き抜いて、第2楽章は特上の叙情を湛えた表現で、そして、第3楽章は猛烈なタッチで超絶的なパッセージを圧巻の演奏。細部まで磨き上げられた完璧な演奏は激しく燃え上がり、聴くものを圧倒します。1960年にアメリカ・デビューしたリヒテルがカーネギーホールの聴衆を熱狂の渦に巻き込んだ超名演にも優るとも劣らない凄まじい演奏でした。
前半のプログラムの演奏も素晴らしかったんです。ショパンの幻想ポロネーズは序奏の美しい演奏、主部の美しいメロディーなどの聴かせどころを見事に表現し、とても魅了してくれました。
シュピルマンのピアノ組曲「ザ・ライフ・オブ・ザ・マシーンズ」は第1楽章と第3楽章のメカニックな音楽を軽々と超絶技巧で弾き抜いた素晴らしい演奏で驚愕させられます。
ヴァインベルクのピアノ・ソナタ第4番は第1楽章の新古典的なソナタ形式の音楽が実に心地よく響きます。第3楽章の哀感あふれるアダージョには共感を覚えます。そして、第4楽章は再び新古典的なフレーズが展開され、終盤は高潮していき、最後は何とも静謐な雰囲気で哀しく終わります。底深い音楽を音楽性高く表現したアヴデーエワの素晴らしい演奏でした。

アンコールの1曲目は3回連続でシュピルマンのマズルカ。ショパンのマズルカと聴き間違えるような作品も3回も聴くとすっかり耳馴染みます。そして、最後のアンコール曲は前回の哀しいシルヴェストロフに変わって、ショパンのスケルツォです。最後にふさわしい物凄い演奏でした。

アヴデーエワがリヒテルにも並び立つような存在に上り詰めていくのが実感できた3回のリサイタルでした。次はどんなに大きなピアニストになっているんでしょう。恐ろしいくらいです。


今日のプログラムは以下です。

  ショパン:ポロネーズ第7番 変イ長調 Op.61「幻想ポロネーズ」
  シュピルマン:ピアノ組曲「ザ・ライフ・オブ・ザ・マシーンズ」
  ヴァインベルク:ピアノ・ソナタ第4番 ロ短調 Op.56

   《休憩》

  プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第8番 Op.84《戦争ソナタ》
  
   《アンコール》

    シュピルマン:マズルカ
    ショパン:スケルツォ 第3番 Op.39


最後に今回の予習について、まとめておきます。

ショパンのポロネーズ第7番「幻想ポロネーズ」は、以下のCDで予習しました。

  イリーナ・メジューエワ ショパン・リサイタル 2010 2010年7月16日 新川文化ホール・小ホール(富山県魚津市) ライヴ録音
  
メジューエワの力感あふれる演奏。


シュピルマンのピアノ組曲「ザ・ライフ・オブ・ザ・マシーンズ」は音源が見つからず、予習していません。


ヴァインベルクのピアノ・ソナタ第4番で予習しました。

  アリソン・ブリュースター・フランゼッティ ヴァインベルグ:ピアノ作品全集 2009年11月23-25日 シェリー・エンロウ・リサイタルホール キーン大学 ニュージャージー、米国 セッション録音

何とも素晴らしい演奏。


プロコフィエフのピアノ・ソナタ第8番《戦争ソナタ》は以下のCDで予習しました。

  スヴィヤトスラフ・リヒテル 1960年10月23日 ニューヨーク、カーネギー・ホール ライヴ録音 モノラル

物凄い演奏。冷静でいて、熱く燃え上がる名演中の名演。(1960年のリヒテル・アメリカ・デビュー・ツアー第2夜)



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ジャンル : 音楽

       アヴデーエワ,

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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
たまには、旅ブログも書きます。

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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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