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リスト・イヤーならではの東京都響定期演奏会@東京文化会館 2011.6.20

本来はサントリーホールの東京都交響楽団の定期演奏会に行くのですが、先週はメトロポリタンオペラと重なったため、今日の東京文化会館の定期演奏会にチケットを振り替えました。
おかげで、滅多に聴けないリストのオーケストラ曲を聴くことができました。今年はリスト・イヤー(生誕200年)ですから、こういう曲を聴く絶好のチャンスではあります。

今日のプログラムは以下。

 小泉和裕指揮東京都交響楽団(コンサートマスター:矢部達哉)
 ピアノ:マルクス・グロー
 テノール:福井敬
 男声合唱:二期会合唱団

 リスト:ピアノ協奏曲第2番イ長調S.125
  
  《休憩》

 リスト:ファウスト交響曲S.108

リストのピアノ協奏曲といえば、普通は第1番のことです。チャイコフスキーの場合と同じですね。いずれもまだ第2番は聴いたことがありません。それが今年は両方とも聴けますが、今日はまずリストを聴きます。
ピアニストはドイツ人のマルクス・グロー、この人も今回初めて知りました。指揮の小泉和裕も多分初めて聴きます。なんだか、初物尽くしの感があります。
リストの1番は大変、派手なヴィルトゥオーゾ的な曲ですが、ほぼ同時期に作曲された2番はかなり趣が異なり、ロマン的・神秘主義的な傾向の曲です。2番はある意味、1番に比べると、捉えどころがないとも言えますが、精神性が高いとも思えます。
都響の弦セクションとグローのピアノが精妙な音楽を作り上げていきます。とても感性に優れた表現です。これがフランス音楽ならば、エスプリに満ちた演奏というのでしょうが、ドイツロマン派の音楽ですから、ロマン性にあふれた演奏というのでしょう。とても気持ちよく、聴けました。まあ、音楽ミーハーとしては通常は1番を聴いて、すかっとしたいところです。が、たまにはこういう曲を聴くのもいいものです。新鮮ですからね。
ピアニストのグローはタッチが美しく、粒立ちのよい響きでなかなか優秀なピアニストです。この曲だけでは判断できませんが、今後、注目しましょう。40代の中堅ピアニストです。グローと都響の共演はとても息があって、素晴らしいバランスでした。

休憩後は大曲のファウスト交響曲です。滅多に聴けない曲だと思っていたら、さすがに今年はリスト・イヤーということで盛んに演奏されているようです。もうひとつの秘曲ダンテ交響曲はほとんど聴けないようです。
で、なかでも指揮の小泉和裕がこの曲にかなり入れ込んでいるようで、既に大阪でも演奏したそうです。
ファウスト交響曲は3部からなり、2部まではオーケストラだけで演奏。3部の最後の5分間はテノール独唱と男声合唱がはいります。

第1部は《ファウスト》という題名で真理を探究するファウストを表現しています。曲想は後期ロマン主義を先取りしたような感じで、ワーグナーのトリスタンへ続く道を連想します。ということは、なかなかの名曲・・・かのバーンスタインもリストの最高傑作と評価し、2度も録音したとのこと。事前にそのバースタインのCDを聴きましたが、素晴らしい演奏でした。
都響は定評のある(saraiが勝手に言っている)弦楽セクションが絶好調。特に第1ヴァイオリンの女性奏者たちの素晴らしい演奏には舌を巻きます。切れ込みの鋭い演奏で、ユニゾンはぴたっと合い、一糸も乱れぬ素晴らしい響き。パーフェクトです。さぞや、指揮者の小泉和裕と練習を積んだことでしょう。その成果が表れた演奏です。

第2部は《グレートヒェン》という題名です。ファウストの憧れの女性、グレートヒェンを連想させる優美な楽想に満ちています。ここでも都響の強力な弦楽セクションがその実力を十分に発揮して、美しい響きでホールを満たします。

第3部は《メフィストフェレス》という題名で悪魔の暗い世界をグロテスクに表現しますが、楽想自体はこれまでのものを用いており、音楽の一貫性を志向しているようです。この曲の成り立ちにはベルリオーズがかかわっており、幻想交響曲でも使われたイデーフィクス(固定楽想)の影響があるのでしょう。
最後に《神秘の合唱》と呼ばれる男声合唱がハ長調ではいってきます。暗黒の世界に差す光を表現したとのことですが、鈍感なsaraiには明確には感じられません。むしろ、テノール独唱と合唱による劇的な表現のほうが耳に感じられます。お恥ずかしいことです。神秘性よりもドラマチック性を感じます。saraiのせいか、演奏の問題か、判断するほど、この曲を聴き込んだわけではありません。
まあ、ともかく、劇的にファウスト交響曲はフィナーレです。

感動というよりも爽快感が感じられた演奏でした。リストらしいと言えば、そうですね。オーケストラ曲としては最高傑作かも知れませんが、リストはピアノ曲のほうがやはり、好みです。ロ短調ソナタとか、巡礼の年とか、感動できる名曲がありますものね。
ただ、リストの滅多に聴けない曲をしっかりした演奏で聴けたので、収穫は多く、満足したコンサートでした。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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