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ヘンデルの復活、どこをとっても素晴らし過ぎる演奏に深く感銘 鈴木優人指揮バッハ・コレギウム・ジャパン@東京オペラシティコンサートホール 2023.5.7

バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)のバッハ演奏の素晴らしさは毎回味わっていますが、実はヘンデルの演奏も見事です。毎年、年末に恒例になっているメサイアを聴けば、それが分かりますし、2020年のオペラ「リナルド」も素晴らしい演奏でした。

今日のヘンデルのオラトリオ《復活》もヘンデルの音楽の素晴らしさを堪能させてくれる最高の演奏でした。オラトリオと言っても、イエス・キリストの復活を題材にしていて、さながら、コンサート形式のオペラを聴いている風情でした。

第1部と第2部に分かれている、この作品は各部の冒頭に置かれた導入のオーケストラ曲を除くと、ほとんどがアリアとレシタティーボという5人のソロ歌手の歌唱になっています。各部の終曲だけは合唱曲になっています。したがって、歌手のソロの歌唱を楽しむ構成になっていますが、今日の5人の出来が素晴らしく、それをサポートするBCJの演奏も極めて美しく、ただただ、賛美するだけです。

ヘンデルのほかの作品と同様にどの曲も旋律の美しさが尋常ではありません。そして、その旋律を修飾する楽器群の多彩な表現が見事です。BCJはそれを完璧過ぎるほどに演奏しますので、終始、その楽趣の素晴らしさに陶然として聴き入るのみです。

5人の歌唱ですが、まずはマッダレーナ(マグダラのマリア)役のソプラノのキャロリン・サンプソン。力強い表現の歌唱で音楽を盛り上げてくれました。無論、悲しみの表現も見事でした。
クレーオフェ役のアルトのマリアンネ・ベアーテ・キーラントは勢いのある歌唱から胸を突かれる表現まで、実に魅力的な歌唱で惹き付けられました。存在感で言えば、一番という印象でした。
天使役のソプラノの中江早希はオーケストラの後方で歌っていたので、位置的に不利ではありましたが、持ち前の美声で明るい天使の賛美的な歌唱を聴かせてくれました。
聖ジョヴァンニ役のテノールの櫻田 亮は得意のエヴァンゲリスト的な歌唱を聴かせてくれました。
ルチーフェロ役のバスの加耒 徹は悪役にふさわしい深みのある声を聴かせてくれました。
5人それぞれの役どころをおさえた歌唱で実にバランスがとれたアリアの連続で素晴らしいものでした。
もっとも、それ以上に素晴らしかったのは1部、2部の最後だけ登場するBCJの豪華な合唱隊。これだけしか歌わないのはもったいないほどの合唱でした。

BCJの器楽演奏も素晴らしく、若松夏美率いる弦楽アンサンブルの透き通るような演奏はヘンデルには欠かせないものです。三宮正満のオーボエを始めとする管楽アンサンブルも達人揃いの素晴らしい演奏。通奏低音にヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、テオルボなどを加えた多彩な演奏も驚くほどの演奏です。

そして、すべてを統括した指揮の鈴木優人の才人ぶりは今日も不動のものでした。

このヘンデルのオラトリオ《復活》は初めて聴く作品で、ヘンデルとしては珍しいイタリア語の作品ですが、実に素晴らしい作品です。同じイタリア時代のヘンデルのオペラ《アグリッピーナ》を聴きたくなりました。


今日のプログラムは以下です。


  指揮:鈴木優人
  マッダレーナ(ソプラノ):キャロリン・サンプソン
  天使(ソプラノ):中江早希
  クレーオフェ(アルト):マリアンネ・ベアーテ・キーラント
  聖ジョヴァンニ(テノール):櫻田 亮
  ルチーフェロ(バス):加耒 徹
  合唱:バッハ・コレギウム・ジャパン
  管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン コンサートマスター:若松夏美
   フラウト・トラヴェルソ:鶴田洋子  
   オーボエ:三宮正満、荒井豪
   トランペット:斎藤秀範 
   チェロ:山本徹
   ヴィオラ・ダ・ガンバ:福澤宏


  G.F. ヘンデル:オラトリオ《復活》HWV 47 第1部

 《休憩》

  G.F. ヘンデル:オラトリオ《復活》HWV 47 第2部



最後に予習について、まとめておきます。

 エマニュエル・アイム指揮ル・コンセール・ダストレエ
  天使:カミラ・ティリング(ソプラノ)
  ルチーフェロ:ルカ・ピサローニ(バス・バリトン)
  マグダラの聖マリア:ケイト・ロイヤル(ソプラノ)
  聖マリア・クレオフェ:ソニア・プリーナ(コントラルト)
  福音史家、聖ジョヴァンニ:トビー・スペンス(テノール)
      2009年4月15,17,18日、リール・オペラ座、フランス ライヴ録音

あのティリングがヘンデル?とも思いましたが、圧倒的な歌唱でアジリタも見事です。女性指揮者アイムの表現も素晴らしいです。あっ、無論、ソニア・プリーナの迫力ある歌唱も素晴らしいです。



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       バッハ・コレギウム・ジャパン,

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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

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03/01 19:22 aokazuya

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10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
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07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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