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メトロポリタンオペラ特別コンサート@サントリーホール 2011.6.14

ネトレプコの降板など、すったもんだもありましたが、新たな出演者、新たなプログラムでメトロポリタンオペラ特別コンサートの日がやってきました。ネトレプコのファンであるsaraiはやっぱり、正直なところ残念です。チケットも高額でしたからね。

まず、今日のプログラムは以下です。

 ベッリーニ:歌劇《ノルマ》序曲
 ベッリーニ:歌劇《清教徒》より、リッカルドのアリア「おお、永遠に君を失った」
  バリトン:マリウシュ・クヴィエチェン
 ベッリーニ:歌劇《清教徒》より、エルヴィラのアリア「優しい声が私を呼んでいる・・・さあ、いらっしゃい愛しい人よ」
  ソプラノ:ディアナ・ダムラウ
 R・シュトラウス:交響詩《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら》Op.28

  《休憩》

 ヴェルディ:歌劇《運命の力》序曲
 ヴェルディ:歌劇《イル・トロヴァトーレ》より、レオノーラのアリア「穏やかな夜」
  ソプラノ:バルバラ・フリットリ
  メゾ・ソプラノ:エディタ・クルチャク
 ヴェルディ:歌劇《仮面舞踏会》より、リッカルドのアリア「永遠に君を失えば」
  テノール:ピュートル・ベチャワ
 R・シュトラウス:交響詩《ドン・ファン》Op.20

  《アンコール》
 プッチーニ:歌劇《マノン・レスコー》間奏曲

 演奏:ファビオ・ルイージ指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団

会場はもちろんサントリーホールです。オペラと違って、ステージの前で歌う歌手が近くで聴けるのがいいですね。それに今日の席は前から4列目の中央。最高のポジションです。

まずは聞き慣れた《ノルマ》序曲です。まあ、特別に感じるところはありません。普通の演奏です。悪いというわけじゃありません。

次は《清教徒》のリッカルドのアリアをクヴィエチェンが歌います。昨年、バイエルン国立歌劇場で《フィガロの結婚》でアルマヴィーヴァ伯爵を聴きましたが、とても素晴らしい声だったので今日も大変期待しました。ですが、今日はもうひとつ声が響かない感じです。それなりの歌で終わってしまいました。曲の選択の問題か、喉の調子が今一つだったかはわかりませんが、不完全燃焼です。オペラ本番では是非、実力を発揮してもらいたいと思います。

で、次はいよいよ期待のダムラウです。2002年にウィーン国立歌劇場でツェルビネッタを聴いて以来、ほぼ10年ぶりに聴きます。10年前はまだ若手でそんなに存在感はありませんでした。それにその頃はグルベローヴァの素晴らしいツェルビネッタを聴いていたので、それほどの歌唱には思えませんでした。もっともグルベローヴァが凄過ぎるといえば、そうなんですけどね。
今日は登場からして、もう押しも押されぬ世界のソプラノとしての貫祿(オーラ)が感じられます。今日は《清教徒》の狂乱の場です。今回はオペラ本番で《ルチア》も歌うので、何と続けて、狂乱の場を2つも聴けるんですね。嬉しいことです。(4月にはウィーン国立歌劇場でネトレプコの歌う《アンナ・ボレーナ》の狂乱の場も聴いたしね。)
で、まずは正気を失ったエルヴィラが切々と歌いあげる聴かせどころ。ここはもう一つ、ピュアーな声が響いてきません。泣かせどころなのに残念。このあたりはグルベローヴァやネトレプコはさすがに聴かせるんですが・・・。
後半のコロラテューラの技巧を駆使するところになり、ダムラウの本領発揮です。実に磨き上げられた光沢感のある声の響きで聴かせます。エンジン全開で超高音を張り上げて、圧倒してきます。素晴らしい!! さすがに超1級のソプラノです。
ですが、saraiとしては、この曲ではそれでもやはり、グルベローヴァやネトレプコに軍配をあげてしまいます。ダムラウは最近出たCDでは、ティーレマン指揮ミュンヘン・フィルでR・シュトラウスの歌曲を歌っていますが、それは次元の違う素晴らしい歌唱でした。やはり、R・シュトラウスを聴きたかったのが本当の気持ちです。もっと、素晴らしい歌声が聴けたでしょう。

前半最後は交響詩《ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら》です。ルイージのお手並み拝見というところ。曲の組み立て方はよいのですが、オーケストラがR・シュトラウスにしっくりこないという感じです。以前、ルイージがシュターツカペレ・ドレスデンでR・シュトラウスを演奏したときは無理のないよい演奏でした。あれは《ツァラトゥストラはかく語りき》だったでしょうか。曲こそ違え、演奏の本質は同じ。やはり、ルイージはオーストリア・ドイツ系のオーケストラがぴったりと合うようです。少なくとも、R・シュトラウスはね。それでも、フィナーレの叙情的な部分の演奏はその前の高揚した部分と対比させて、しみじみと感じさせてくれました。ドイツ的な響きに不満はあるものの楽しめた演奏ではありました。さすが、R・シュトラウスに入れ込んでいるルイージの指揮棒さばきですね。ところで、そのルイージの指揮ぶりですが、バッタのように跳んだり、撥ねたり、とても激しく忙しいものでした。何とか、自分のイメージに合わせようとする精一杯の努力だったんでしょうか。確かに十分なリハーサルはつめなかったでしょうからね。ご苦労様です。

これで休憩です。まあ、よかったんじゃないでしょうか。

休憩後、《運命の力》序曲です。まあ、これは名曲ですし、メトも得意でしょう。なかなか聴かせてくれました。以前、ウィーン国立歌劇場で聴いたのには及びませんが、素晴らしい演奏ではありました。

で、いよいよ大好きなソプラノのフリットリの登場です。今日もなかなか美しい。彼女が《イル・トロヴァトーレ》を歌うとは知りませんでした。でも、第1声から、あのフリットリの澄みきった天上の声です。後半に向けて、切々と叙情的に歌うのではなく、かなり、劇的に歌うので、天上の聖なる声もほぼ第1声だけで残念でしたが、ドラマチックな歌唱も素晴らしく、呆然と聴き惚れてしまいました。やはり、フリットリは素晴らしいソプラノであることを再確認しました。曲を選べば、ネトレプコと覇を競えるのは彼女だけです。かえすがえすも、フリットリが《ドン・カルロ》のエリザベッタを歌わないのは残念。今、彼女以上にエリザベッタを歌える人はいません。かくなる上はフリットリが昨年以上のミミを聴かせてくれることを期待するだけです。

次はベチャワが《仮面舞踏会》のリッカルドのアリアを歌います。これはよかった。オペラ全体を聴きたいくらいです。誰がアメーリアを歌うかが問題です。ダニエラ・デッシーあたりがいいかも知れません。もしかしたら、マッティラあたりもいいかも知れない。それにしても、ベチャワはいいテノールになってきました。最近はいいテノールが増えてきたので、いい傾向です。saraiはどうしてもソプラノ好きなので、テノールに対する注文はそんなに厳しくありません。そういう意味ではベチャワを始め、いいテノールが目白押しです。

最後はまた、R・シュトラウスの交響詩《ドン・ファン》。オーケストラの響きへの違和感はともかく、特に叙情的な部分の演奏が楽しめました。強奏はあまり美しく響いてこなかったのが残念です。ルイージの曲の構成力は文句なしで楽しめました。

で、アンコールですが、オーケストラの演奏では、これが最高によかったです。《マノン・レスコー》間奏曲のプッチーニ節が胸にびんびんきました。プッチーニには痺れますね。メトもオペラになると俄然、実力発揮です。これはどうもフリットリが歌う《ラ・ボエーム》に期待でしょうか。

明日から、3夜連続で《ドン・カルロ》、《ランメルルーアのルチア》、《ラ・ボエーム》を聴きます。もちろん、毎日、ブログに感想を書きますので、是非お読みください。



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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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