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ハーディング+マーラー室内管@Bunkamuraオーチャードホール 201.6.7

今日は久しぶりに国内で海外のオーケストラのコンサートを聴きます。震災前のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団以来でしょうか。

ちょうど家からコンサートに出かけるときにEメールを開くと、今月末に来演予定だったドレスデン・フィルが公演キャンセルになり、チケットの払い戻しだということです。がっくり。でもまあ、考え方によっては、今日のコンサートは実に希有なコンサートだともいえます。こんな折りに日本公演をやってくれるのは本当にありがたいですね。今日のコンサートはしっかり大事に聴かせてもらいましょう。

さて、今日の演奏は以下です。

 指揮:ダニエル・ハーディング
 ソプラノ:モイツァ・エルトマン
 管弦楽:マーラー・チェンバー・オーケストラ

で、プログラムは以下。

 マーラー:《花の章》
 マーラー:歌曲集《子供の不思議な角笛》より
       「むだな骨折り」
       「この世の生活」
       「ラインの伝説」
       「美しいトランペットが鳴り響く所」
       「だれがこの歌を作ったのだろう」

   《休憩》

 マーラー:交響曲第4番ト長調

今日はチェンバー・オーケストラということですが、楽団員45名のところを来日メンバーは70名に増員しての公演だそうです。それでもマーラー演奏としてはずい分少ないメンバーになりますね。一体どんな感じの演奏になるのでしょうか。興味津々といったところです。
ところで、実は今日のコンサートの出演メンバーはすべて生聴きとしては初めてなんです。特にハーディングは今までまったく縁がありませんでした。これも今日の楽しみのひとつです。

さて、最初に演奏される《花の章》ですが、これは交響曲第1番《巨人》のために作曲された曲ですが、結局、最終的に使われず、《花の章》という単独の曲として演奏されます。この曲は、実はsaraiも初の生聴きなんです。CDでも今回の予習で初めて聴きました。あまり演奏の機会のない曲です。
静かに曲が始まり、木管の美しい響きがゆったりと流れます。ゆったりと美しい響きが続くものの曲は短く終わります。マーラーにしては実にあっさりとした曲です。それほどインパクトのない曲ですから、あまり、オーケストラの実力は判断できません。

次は歌曲集の角笛です。黒いドレスに美しい肢体を包んだモイツァ・エルトマンがゆっくりと立ち上がり、表情豊かに角笛の曲を次々と歌います。エルトマンはふくよかでピュアーな声のソプラノというタイプではなく、少し粗削りなスープレットという感じで、ボーイソプラノ的な響きの声です。意外にマーラーには向いているようです。声も容姿も少女らしさを失っていないという感じで、この年齢のときのエルトマンを聴けるのは幸運かも知れません。特に「美しいトランペットが鳴り響く所」の美しい歌の響きが印象的でした。角笛がこんなに面白く聴けるとは思っていなかったので、それがなかなかの収穫でした。伴奏のオーケストラも表情豊かな演奏で、マーラーの歌曲らしく、マーラーチックなメロディーが散りばめられていて、面白く聴き通せました。

休憩後はいよいよ、交響曲第4番です。第1楽章、第2楽章とオーケストラのアンサンブルはパーフェクトではありませんが、彫の深い演奏です。ハーディングが実に丁寧な指示で強弱、リズムの細かくダイナミックな変化を曲に与えようとします。オーケストラもよくその指示に応えますが、ここまでやると完璧というわけにはいきませんね。パッセージの頭に強いアクセントをつけていたのが、いい場合もそうでない場合もありましたが、独自の表現で面白く聴きました。まあ、ウィーン・フィルのような美しい響きというわけにはいきませんが、とても気持ちのなごむ優しい響きのオーケストラです。このあたりが人気の秘密でしょうか。
第3楽章はsaraiが特に好きな楽章ですが、とてもスローなテンポで旋律を歌わせ、ぎりぎりのところまでテンポを引っ張り、それが破綻しないのはさすがで、うっとりと聴きいってしまいました。納得の演奏です。それにしてもハーディングの実に丁寧な指示には恐れ入りました。オーケストラもしっかりとそれに合わせ、これはこれでなかなかの演奏です。この長い楽章もうっとりと聴きいっているうちにあっと言う間に終わり、すぐに終楽章に突入。
再び、エルトマンの歌唱ですが、これは実によかったです。声の響きがこの曲にぴったり。もっと美しいソプラノもいますが、この初々しさは出せないでしょう。短い楽章もまだ聴き足りないと思っているうちに終わり、しみじみ・・・
マーラーの熱い思いとか、彼岸への憧れ・恐れといったものとは、この曲も演奏も遠い感じですが、それはそれで、ほのぼのと楽しい音楽がそこにあり、曲を聴き終えた後は何か嬉しい感じが心に残ります。

ハーディングはカリスマ的な指揮者ではなく、真摯にていねいに音楽を作るタイプですね。マーラー・チェンバー・オーケストラは手兵とあって、ハーディングにぴったりと寄り添って、気持ちのよい音楽を作り上げていました。

音楽の余韻に浸りながら、配偶者とは言葉を交わすこともなく、無言で帰途につきました。こういうときに言葉をしまっておけるのは、長く一緒に人生を歩んだ夫婦ならではと、密かに配偶者に感謝です。

マーラーを聴いた後って、寡黙になりたくなりませんか?



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ジャンル : 音楽

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オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

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えりちゃさん、お久しぶりです。saraiです。

なかなか、海外渡航の見通し、立ちませんね。来年あたりはどうでしょうね。長期戦覚悟で我慢するしかありませんね。

こちら

04/10 02:37 sarai

saraiさま、
お久しぶりです!
お元気にコンサートや旅行を楽しんでおられますね!
ブログ、楽しく拝見しています。おフランス、良いね😊
私は春だというのに、仕事と用事以

04/09 05:29 えりちや

気になってたずねても 
誰にも知らんと言われなんやろ
と思いつづけて居ました❗
写真みつけてこれだと思いました❕スッとしました
教えて下さって嬉しいです
ありがとうご

02/13 22:26 みーちゃん

みーちゃんさん、saraiです。

あの謎の建物は雄琴沖総合自動観測所という施設で琵琶湖の水質を測定しているそうです。

https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/repo

02/13 21:40 sarai

ずーと前にうきみどうに行きました
やはり、琵琶湖の真ん中の建物が何なのか気になったままです
分かりましたか
教えてください

02/13 20:54 みーちゃん

五十棲郁子さん、コメントありがとうございます。

水道水のこと、tap waterって言うんですね。知らなかった。単にwaterで通していました。ましてや、フランス語はほとんど

02/11 00:12 sarai

フランスも地方へ行くと英語が通じないでしょう。tap water ぐらいフランス語で言えないとね。

02/10 12:54 五十棲郁子
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