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アンナ・ヴィニツカヤ凄し! パガニーニの主題による狂詩曲の決定的名演 尾高忠明&東京都交響楽団@サントリーホール 2023.5.29

アンナ・ヴィニツカヤの都響との3度目の共演はラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲です。過去を紐解けば、2016年はプロコフィエフのピアノ協奏曲 第2番、2019年はプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番でした。いずれも異次元とも思える超絶的にして、音楽性の高い演奏でした。そして、コロナ禍で来日が遠のいた末に選んだ曲がラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲とは意外でした。少し軽すぎる気がします。しかし、そんなsaraiの思いをはねのけるような圧倒的な演奏をヴィニツカヤは聴かせてくれました。冒頭から並みのピアニストとは音の粒立ちが違います。あー、ヴィニツカヤはこんな音の響きだったと驚愕する思いです。そして、前半から超絶的な演奏を繰り広げます。こんなに前半から超絶的なパートがあったのかと驚きます。そして、シンプルな演奏でも超絶的な演奏でも粒立ちのよい美しい響きは微動だにしません。あのプロコフィエフのピアノ協奏曲 第2番を弾きこなす彼女にとって、これくらいはたやすいことなんでしょう。中盤から音楽が次第に高揚していき、saraiは完全に魅了されていきます。遂に第18変奏の美しい旋律が歌われます。主題の反行形でこの旋律になるのは魔法のようなものです。ヴィニツカヤのピアノはそして何と美しい音色なんでしょう。その旋律はオーケストラに引き継がれ、ピアノは和音を激しく叩きます。オーケストラが2度目の繰り返しでフォルテッシモに盛り上がり、ピアノもさらに鍵盤を強く叩きつけて、音楽の頂点を極めます。そして、潮を引くように音楽は静まり、ピアノが最後に美しい旋律を振り返ります。ここから、音楽は急速に階段を駆け上がり、第19変奏以降、ピアノが高速モードにチェンジ。超絶技巧のてんこ盛りでヴィニツカヤが溜めていた能力のすべてを開放します。物凄いピアノ演奏です。ばりばりと弾き進めていきます。第2主題と言っていい怒りの日も絡み合わせながら、第22変奏では音楽が大きく展開されて、音楽的高みに再び上り詰めて、目のくらむような景色が広がります。第23変奏では再現がなされて、音楽の〆にさしかかります。ヴィニツカヤのピアノの壮大なスケールは圧巻です。そして、最後の第24変奏に突入。ここからコーダにかけての激しさは物凄いものです。最後に怒りの日の旋律が高々に歌われて、感動するうちにあっけないフィナーレ。
いやはや、ただただ凄いとしか形容のできないヴィニツカヤの演奏でした。
ヴィニツカヤはアルゲリッチ以来の逸材と言っていいでしょう。次はラフマニノフのピアノ協奏曲第3番しかありませんね。極め付きの演奏になるでしょう。是非、来シーズンにでも聴かせてもらいたいものです。

尾高忠明&東京都交響楽団のエルガーの交響曲第2番は徹頭徹尾、美しさを極める演奏でした。ここまでやる演奏はなかなかありませんね。都響のアンサンブル力ならではのものです。都響は現在、絶好調。次々と素晴らしい演奏を続けています。
次はミンコフスキが振るブルックナーの交響曲第5番ですから、きっと素晴らしい演奏になること、間違いなしです。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:尾高忠明
  ピアノ:アンナ・ヴィニツカヤ
  管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:矢部達哉

  ラフマニノフ(レスピーギ編曲):絵画的練習曲集より《海とかもめ》Op.39-2
  ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
   《アンコール》ラフマニノフ:絵画的練習曲集 Op.33 より 第2番 ハ長調
   
   《休憩》
   
  エルガー:交響曲第2番 変ホ長調 Op.63


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のラフマニノフ(レスピーギ編曲)の絵画的練習曲集より《海とかもめ》を予習したCDは以下です。

  大植英次指揮ミネソタ管弦楽団 2000年 セッション録音

冒頭からはっと虚を突かれるような美しい演奏に魅了されます。


2曲目のラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を予習したCDは以下です。

   ユジャ・ワン、クラウディオ・アバド指揮マーラー室内管弦楽団 2010年4月 フェラーラ,テアトロ・コムナーレ セッション録音

ユジャ・ワンは凄い演奏です。テクニック抜群で音も美しいです。そして、煌めくような音楽表現に魅了されます。アバド指揮のマーラー室内管とのバランスも見事です。これ以上の演奏はないでしょう。


3曲目のエルガーの交響曲第2番を予習したCDは以下です。

  エードリアン・ボールト指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 1975年11月、1976年1月 ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ セッション録音

ロンドン・フィルの実力を過小評価していたことが分かりました。名人ボールトが振れば、こんな美しい演奏ができるんですね。



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ジャンル : 音楽

       ヴィニツカヤ,

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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

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京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

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08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
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クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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