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次期首席指揮者カーチュン・ウォンと日本フィルハーモニー交響楽団によるプレ披露公演は明快で雄大な《展覧会の絵》、そして、素晴らしきアンコール@ミューザ川崎シンフォニーホール 2023.8.9

次期首席指揮者カーチュン・ウォンの就任記念コンサートは10月のマーラー、交響曲第3番ですが、それに先駆けての言わば、プレ披露コンサートみたいなものなので、これは聴き逃がせません。

メインは後半のムソルグスキー(ラヴェル編曲)の組曲『展覧会の絵』です。ここから、緊張して聴きます。冒頭の金管によるプロムナードは無難な入り。第1曲の小人はアンサンブルの揃った明快な演奏です。以降もカーチュン・ウォンの丁寧な指揮で引き締まった演奏が続いていきます。第9曲のバーバ・ヤガーあたりから、高潮した演奏になっていきます。そして、最後のキエフの大門(キーウの大門?)は圧巻の演奏です。期待に違わぬカーチュン・ウォンの素晴らしい演奏と言いたいところですが、saraiはもう一つ上の演奏を期待していました。カーチュン・ウォンならば、もっと凄い演奏になる筈でしたが、もしかしたら、リハーサル不足だったのでしょうか。

10月のマーラーの交響曲第3番は万全の演奏を期待しています。

ところで、今日は何とアンコール曲が演奏されました。予想外のことで、saraiも肩の力が抜けていました。ウーン、これは何の曲だ? 何やら厳粛な雰囲気の曲。よく知っている曲です。記憶を辿ります。あー、エルガーのエニグマですね。英国では、この第9変奏のニムロッドは戦没者の追悼などに演奏されるそうです。米国のバーバーの『弦楽のためのアダージョ』みたいなものです。何とも素晴らしい演奏に感銘を受けます。本編で演奏された曲よりも素晴らしい演奏です。これぞ、カーチュン・ウォンの実力! じっと聴き入りました。よく考えてみれば、本編の組曲『展覧会の絵』の終曲の《キエフの大門(キーウの大門?)》はウクライナ戦争に思いを馳せる曲です。その後にこのニムロッドということは、明らかにウクライナ戦争の被害者への追悼。それに今日は長崎の原爆投下の日でもありました。これほど、アンコールにふさわしい曲はありません。カーチュン・ウォンと日本フィルの素晴らしい演奏に感謝しつつ、戦争の犠牲者に追悼の心を送ります。カーチュン・ウォン、ありがとう・・・。


前半のヴェルディの歌劇『運命の力』序曲も圧倒的に素晴らしい演奏でした。そして、菅野祐悟のサクソフォン協奏曲はサックスの須川展也の素晴らしい演奏にうっとりしていました。ちょっと甘過ぎる曲ですが、まあいいでしょう。


今日のプログラムは以下です。

  フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2023

  指揮:カーチュン・ウォン(首席客演指揮者、次期首席指揮者)
  サックス:須川展也
  管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団  コンサートマスター:田野倉雅秋

  ヴェルディ:歌劇『運命の力』序曲
  菅野祐悟:サクソフォン協奏曲『Mystic Forest』
   《アンコール》真島俊夫:シーガルより
  
   《休憩》

  ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲『展覧会の絵』
  
   《アンコール》
    エルガー:『エニグマ変奏曲』Op.36 より 第9変奏 "Nimrod" (ニムロッド) 変ホ長調、アダージョ
     
最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のヴェルディの歌劇『運命の力』序曲は以下のCDを聴きました。

  ジョルジュ・プレートル指揮スカラ座フィルハーモニー管弦楽団 2016年2月22日 ミラノ、スカラ座 ライヴ録音

プレートルは高齢になった後、思い出に残る数々の演奏を聴かせてくれました。ベートーヴェン、ヴェルディ、オッフェンバックとラヴェルの作品のプログラムで聴衆と演奏者を魅了し大成功を収めたこの2016年2月22日のミラノ・スカラ座でのコンサートが最後のコンサートとなりました。この『運命の力』序曲はラストコンサートとは思えぬ、勢いに満ちた、いかにもプレートルらしい素晴らしい演奏です。


2曲目の菅野祐悟のサクソフォン協奏曲は予習していません。


3曲目のムソルグスキー(ラヴェル編曲)の組曲『展覧会の絵』は以下のCDを聴きました。

  セルジュ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィル 1986年9月23日 ベルリン ライブ録音

レーベルはAUDIORの伝説的なCDです。最後のキエフの大門でチェリビダッケの気合を入れるような声が響き渡り、ぞくぞくってします。中古盤を大枚をはたいて入手した宝物です。チェリビダッケのファンならば、このCDとブルックナーの交響曲第8番のリスボンライブは必聴です。いずれもレーベルはAUDIORで高価な海賊盤の中古盤を購入することになりますが・・・報われることはsaraiが保証します。と言いつつ、配偶者には、その遅い演奏が不評でした。残念です。やはり、個性的な演奏ですから、好みが分かれます。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       カーチュン・ウォン,

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