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鈴木優人&東京交響楽団、瑞々しいメンデルスゾーンの交響曲第2番/第5番に静かな感銘@サントリーホール 2023.8.19

鈴木優人のメンデルスゾーン、整った演奏の中にも熱い気持ちの込められた感銘のある演奏でした。

まずはメンデルスゾーンの交響曲 第5番「宗教改革」。第1楽章の厳かな雰囲気の演奏に心を打たれます。弦楽器に「ドレスデン・アーメン」が現れると、まるでワーグナーの楽劇《パルジファル》の世界にいるかのようです。そして、主部に入っても、信仰の熱い気持ちが続きます。そして、再び、「ドレスデン・アーメン」が現れて、《パルジファル》の世界です。
第2楽章はメンデルスゾーンらしい軽快なスケルツォ。心が明るくなります。
第3楽章は抒情的な雰囲気の短い音楽で、すぐに第4楽章に入ります。
ルターのコラール「神はわがやぐら」を主題にして、音楽が展開していきます。そして、コーダはそのコラール主題が壮大に盛り上がって、〆。鈴木優人の音楽表現が丁寧に東響をコントロールして、時として、熱い高揚もある素晴らしい演奏でした。

後半は合唱と独唱も加わった交響曲第2番『讃歌』。交響曲というよりもシンフォニックな宗教曲と言ったほうがよさそうです。
第1部は管弦楽だけのシンフォニア。3本のトロンボーンによって厳かに奏される序奏で祝典的な雰囲気が醸し出されます。この序奏動機が全曲を支配的にまとめることになります。第1楽章から第3楽章まで、明快な音楽が続きますが、東響の見事なアンサンブルが爽やかな音楽を奏でてくれます。

第2部は声楽を中心にしたカンタータです。また、印象的な序奏動機が奏されて、合唱が歌われます。大人数の東響コーラスが満を持して、立ち上がって熱唱します。
独唱はソプラノの中江早希がいつものような鋭い歌唱ではなく、優し気で温かみのある歌唱で心を癒してくれます。
テノールの櫻田亮は福音史家のような雰囲気の素晴らしい歌唱。鈴木優人の指揮も含めて、バッハ・コレギウム・ジャパンの世界のようです。でも、音楽はバッハではなく、あくまでもメンデルスゾーンらしい明快で明るい音楽です。
アリアや合唱が続き、最後はフーガの終末合唱。形式はバッハの構成を借りて、メンデルスゾーンの世界が展開されました。
第2部の音楽構成は一昨日、ベルリン・フィルの演奏の記事で書いたばかりなので、ここでは割愛します。
ちなみにベルリン・フィルの演奏との比較なんていう野暮なことはやめておきます。ただ、ベルリン・フィルの演奏では、モンテヴェルディ合唱団があまりにも強力な合唱を聴かせてくれたのが脳裏に刻み付けられています。

全体として、鈴木優人と東京交響楽団のメンデルスゾーン尽くしのプログラム、非常に気持ちよく聴けました。これも曲よし、演奏よしと評価できました。大満足のコンサートでした。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

  指揮:鈴木優人
  ソプラノ:中江早希
  ソプラノ:澤江衣里
  テノール:櫻田亮
  合唱:東響コーラス
  合唱指揮:辻博之
  管弦楽:東京交響楽団 コンサートマスター:小林壱成

  メンデルスゾーン:交響曲 第5番 ニ短調 Op.107 「宗教改革」

  《休憩》
  
  メンデルスゾーン:交響曲 第2番 変ロ長調 Op.52 「讃歌」


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のメンデルスゾーンの交響曲 第5番「宗教改革」を予習したCDは以下です。

 ロリン・マゼール指揮ベルリン・フィル 1961年4月4-6日、イエス・キリスト教会 セッション録音

若きマゼールの熱い演奏が聴きものです。


2曲目のメンデルスゾーンの交響曲 第2番「讃歌」を予習した演奏は以下です。

  サー・ジョン・エリオット・ガーディナー指揮ベルリン・フィル
    ルーシー・クロウ(ソプラノ)
    アン・ハレンベリ(メゾソプラノ)
    ヴェルナー・ギューラ(テノール)
    モンテヴェルディ合唱団
            2022年3月19日、ベルリン・フィルハーモニー セッション録音

ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールの配信を聴きました。素晴らしい演奏でした。詳細は以下の記事に書きました。

  https://sarai2551.blog.fc2.com/blog-entry-4804.html



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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aokazuyaさん

コメントありがとうございます。デジタルコンサートホールは当面、これきりですが、毎週末、聴かれているんですね。ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲ

03/03 23:32 sarai

DCHは私も毎週末、楽しみに聞いています。
・スーパースターには、ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトの名も挙げたいところです。
・清水直子さん後半のみ登場、D

03/01 19:22 aokazuya

金婚式、おめでとうございます!!!
大学入学直後からの長いお付き合い、素晴らしい伴侶に巡り逢われて、幸せな人生ですね!
京都には年に2回もお越しでも、青春を過ごし

10/07 08:57 堀内えり

 ≪…長調のいきいきとした溌剌さ、短調の抒情性、バッハの音楽の奥深さ…≫を、長調と短調の振り子時計の割り振り」による十進法と音楽の1オクターブの12等分の割り付けに

08/04 21:31 G線上のアリア

じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
思えば、もう10年前のコンサートです。
これがsaraiの聴いたハイティンク最高のコンサートでした。
その後、ザル

07/08 18:59 sarai

CDでしか聴いてはいません。
公演では小沢、ショルティだけ

ベーム、ケルテス、ショルティ、クーベリック、
クルト。ザンデルリング、ヴァント、ハイティンク
、チェリブ

07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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