ベルリン・フィルの新シーズンは首席指揮者、キリル・ペトレンコの指揮で開幕:夢見心地で聴く《英雄の生涯》@ベルリン・フィルハーモニー(ライヴ配信) 2023年8月25日19時(ベルリン時間) 26日2時/20時(日本時間、ライヴ配信/再配信)
今回は初のライヴ鑑賞。ベルリン時間で19時のコンサートですから、日本時間では真夜中の2時。いつものように防音室でオーディオシステムの大型スピーカーで聴くわけにはいかず、PCにヘッドフォンを繋いで聴きます。しかし、どんな形で聴こうとも、素晴らしい音楽は心に響くものです。
今日のベルリン・フィルの2023/2024年新シーズン開幕コンサートでは首席指揮者キリル・ペトレンコ指揮でR.シュトラウスの交響詩の最高傑作《英雄の生涯》が演奏されます。キリル・ペトレンコは、2019/20年のシーズンからベルリン・フィルの首席指揮者兼芸術監督に就任していますから、今シーズンは5シーズン目になります。ペトレンコとベルリン・フィルの息もぴったりと合って、蜜月状態になってくる頃です。R.シュトラウスの素晴らしい演奏が楽しみです。
夜中のコンサートは聴いたことがないせいか、夜更かしはお手の物のsaraiですが、少し、頭がぼーっとしています。
1曲目はレーガーの《モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ》です。最初に主題がオーボエで奏でられます。懐かしい旋律です。あれっ、これ、何だろう? 徐々に脳裏にその旋律が定着して、雰囲気を探り始めます。そして、その懐かしい旋律が何かが分かります。何と、ピアノ・ソナタ第11番 イ長調 K. 331の第1楽章の変奏曲の主題です。ピアノ独奏曲から管弦楽曲の主題をとったんですね。オーボエで主題を演奏しているのは、アルブレヒト・マイヤー。名人ですね。そして、変奏が始まりますが、第2変奏あたりで仰天します。頭が混乱するような響きです。明快で美しい響きですが、まるで無調のような調子外れの響きで頭がおかしくなりそうです。しかし、変奏が進むにつれて、その奇妙な響きに慣れてきて、美しく感じ始めます。第8変奏は素晴らしい演奏です。そして、圧巻だったのはフーガです。弦楽器が軽快に受け継いでいくフーガは素晴らしい響き。管楽器も加わって、音楽が高潮していきます。最後は全楽器で主題が壮大に歌い上げられます。見事な演奏でした。
20分ほどの休憩があり、いよいよ、リヒャルト・シュトラウスの交響詩《英雄の生涯》です。冒頭から、低弦とホルンの素晴らしい響きで英雄の主題。もう、この時点で心が持っていかれます。もう、あとは何も語る言葉がありません。キリル・ペトレンコ率いる強大なベルリン・フィルの凄まじい響きを夢見心地で聴き入るのみです。大編成のオーケストラの隙のない完璧な演奏。saraiの生涯でこれに並ぶ演奏はベルナルト・ハイティンク指揮のシカゴ交響楽団の圧倒的な演奏をみなとみらいホールで聴いただけです。一生、これを超える演奏は聴けないと思っていましたが、今日の演奏も凄い! 無論、翌日の夜の8時からの再配信も聴いてしまいました。恐れ入るような演奏です。完璧を通り超したようなスーパーな演奏であることを再確認しました。これが11月に本当のライヴでサントリーホールで聴けるとは・・・。英雄のテーマでは何度も心が震えました。何と言う素晴らしい音楽でしょう。
この日のプログラムは以下です。
2023年8月25日19時(ベルリン時間)、ベルリン・フィルハーモニー
指揮:キリル・ペトレンコ
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
マックス・レーガー
モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ op. 132
《休憩》
リヒャルト・シュトラウス
交響詩《英雄の生涯》op. 40
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