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ブルックナーの交響曲第4番《ロマンティック》の圧巻の名演 ベルナルト・ハイティンク&ベルリン・フィル@ベルリン・フィルハーモニー(配信) 2014年3月15日

ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールの鑑賞記です。
近く、読響でマリオ・ヴェンツァーゴ指揮でブルックナーの交響曲第4番を聴くので、予習も兼ねて、聴くことにしました。
無論、巨匠ベルナルト・ハイティンクが振るブルックナーは過去の映像とは言え、聴き逃がせません。ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールでは、ハイティンク指揮によるブルックナーの交響曲第5番・第7番・第9番も聴くことができます。マーラーの作品と同様に順次、聴いていくことにしましょう。

冒頭、弦のトレモロの中、シュテファン・ドールのホルンのソロが響きます。続いて、その旋律を木管が引き継ぎます。フルートはエマニュエル・パユ、クラリネットはヴェンツェル・フックス、オーボエはアルブレヒト・マイヤーという鉄壁の布陣です。そして、トゥッティでこの第1主題が刻まれ、いきなり、高潮します。その後、いくつもの山や谷を形成しながら、長大な第1楽章は圧巻の展開を見せます。ハイティンクの堂々たるブルックナーが提示されます。
第2楽章は一転して、静謐で美しい音楽が展開されて、うっとりと魅了されます。ハイティンクの表現力の冴えが際立ちます。ベルリン・フィルの弦楽、木管、金管、すべてが最高に機能して、素晴らしい響きです。この楽章も長大ですが、ぐっと惹き付けられるような演奏です。
第3楽章は狩りの音楽を思わせるスケルツォ。シュテファン・ドール率いるホルン奏者たちの重奏が勇壮に響きます。次いで、金管すべてが咆哮します。トリオののんびりした音楽の後、また、ホルン、そして、金管が響き、比較的、短い楽章が終わります。
第4楽章は最も長大な楽章です。ここでもシュテファン・ドールのホルン、そして、木管トライアングルの名手たちの活躍が目立ちます。山も谷もあるブルックナー節が全編を覆い、ベルリン・フィルの強力なアンサンブルをハイティンクが導きながら、フィナーレに向かいます。コーダではトロンボーンの奏でるコラールが高揚し、最後はまた、シュテファン・ドールのホルンが締めくくります。そして、全楽器が怒涛の響きをあげて、圧巻のフィナーレ。ハイティンクの素晴らしいブルックナーでした。

ハイティンクとベルリン・フィルによる2010年以降のブルックナーとマーラーのいくつかの作品が聴けるだけでも、このベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールは価値が大きいと言えます。大半はCDになっていないので、ここでしか聴けません。


この日のプログラムは以下です。

  2014年3月15日、ベルリン・フィルハーモニー

  指揮:ベルナルト・ハイティンク
  管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

  ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調《ロマンティック》
  
  
なお、この日のコンサートでは、その他、以下の曲も演奏されました。(未聴)
  
  モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 K. 271《ジュノム》
  ピアノ:エマニュエル・アックス
  


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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

       ハイティンク,

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07/08 18:59 sarai

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07/08 15:53 じじい@

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久々のコメント、ありがとうございます。
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