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東京音大の清冽なラフマニノフ 東京藝大の熟達したレベルのチャイコフスキー 音楽大学オーケストラ・フェスティバル@東京芸術劇場 2023.11.4

先日、ミューザ川崎のフェスタで初めて、学生オケを洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団で聴き、感心したので、少し、最近の学生オケを聴いてみようと、音楽大学オーケストラ・フェスティバルに足を運びました。今日、聴くのは東京音楽大学と東京藝術大学です。桐朋学園大学も聴きたかったのですが、スケジュールが折り合いませんでした。
期待は半ば満たされましたが、さすがに過大な期待は禁物でした。

最初は東京音楽大学によるラフマニノフの交響曲第2番です。学生オケがこんな曲を大丈夫なのって訝っていましたが、見事に演奏しきってくれました。弦は次第に調子を上げて、第4楽章では素晴らしい響き、鮮烈とも思える響きで魅了してくれます。もっともプロの在京オケと比較するのは酷です。それでも、若者らしく、活き活きした演奏を聴かせてくれました。

後半は東京藝術大学によるチャイコフスキーの交響曲第5番です。これは実に熟達したレベルの素晴らしく安定した演奏です。このオーケストラも徐々に調子を上げて、第4楽章は圧巻の出来で聴くsaraiも姿勢を正して聴き入りました。安定感の反面、挑戦的な突っ込みに欠けていたのが残念でしたが、それは贅沢というものでしょうか。無論、この学生オケもプロの在京オケと比較するのは酷です。それだけ、今のプロの在京オケのレベルは超高いということです。それに予習に世界に冠たるベルリン・フィル、それもキリル・ペトレンコの指揮を聴いたのは申し訳けなかったと思います。

両大学のオーケストラとも今の日本の音楽水準の高さを反映して、素晴らしいと思います。プロの演奏としても十分に通用するでしょう。ただ、saraiはいつも読響、都響、東響、日本フィルを一流指揮者の共演で聴いているので、さすがに同列に並べて、聴くわけにはいかないというのが正直なところです。もっとも、両大学とも第4楽章の演奏レベルで全曲を演奏してくれれば、saraiの思いも改まるかもしれません。なかなか面白い体験でした。ちなみに聴衆の質がかなり落ちたのは演奏者に気の毒でした。多分、演奏者の親族がかなり詰め掛けてきていたのでしょう。


今日のプログラムは以下のとおりでした。

 第14回 音楽大学オーケストラ・フェスティバル
 
  東京音楽大学(指揮:ジョン・アクセルロッド、コンミス:遠井 彩花)
  
  東京藝術大学(指揮:迫 昭嘉、コンミス:足利 水月)
  
    
 ファンファーレ
  中村陽太:「序奏とファンファーレ」(東京藝術大学)
 ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 作品27(東京音楽大学)

  《休憩》
  
 ファンファーレ
  髙井亮佑:「鐘のファンファーレ」(東京音楽大学)
 チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 作品64(東京藝術大学)


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のラフマニノフの交響曲第2番を予習した演奏は以下です。

 キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 2021年3月20日 ベルリン・フィルハーモニー ライヴ収録 (ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール)

いやはや、見事な演奏です。実に芸術的。


2曲目のチャイコフスキーの交響曲第5番を予習した演奏は以下です。

 キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 2019年3月9日 ベルリン・フィルハーモニー ライヴ収録 (ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール)

キリル・ペトレンコの登場でベルリン・フィルも新時代を迎えたとの感を強くする素晴らしい演奏です。



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