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今更ながら名曲であることを実感したチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番をイノン・バルナタンが圧巻の演奏 小泉和裕&東京都交響楽団@サントリーホール 2023.11.24

名曲の誉れ高いチャイコフスキーのピアノ協奏曲。その素晴らしい実演を聴いて、今更ながら、この曲の凄さ、素晴らしさに魅了されました。冒頭、都響の音響が凄い! 何という素晴らしい響きでしょう。その壮麗な響きに圧倒されていると、独奏ピアノが入ってきます。ピアノのイノン・バルナタンは初めて聴きますが、これは只者ではありませんね。実に美しい音色で、パワーもあります。音楽性も問題なし。何を弾かせても素晴らしい演奏をするでしょう。無論、このチャイコフスキーも魅惑的な演奏で聴く者を惹き込みます。序奏部だけでもう圧巻の演奏でした。主部に入っても、都響を向こうにまわし、素晴らしいピアノで圧倒します。小泉和裕指揮の都響も素晴らしい演奏でワクワク感がたまりません。ピアノとオーケストラが一緒に演奏するところではバランスがよい協奏を聴かせてくれて、独奏とは違った魅力も感じます。やがて、カデンツァに入り、バルナタンのまさに一人舞台。心技体揃った演奏に魅了されるだけです。そして、カデンツァが終わるとすぐにコーダで音楽が最高に盛り上がります。凄い第1楽章でした。
第2楽章、冒頭のフルートのソロが素晴らしい演奏で魅了してくれます。一体、誰がフルートを吹いているんでしょう。見ると小柄な女性。首席奏者の松木さやのようです。知らないのも当然。今年の8月に入団したばかりなんですね。以前はオーケストラ・アンサンブル金沢に所属していたようです。都響は次々と他のオーケストラから逸材が入団してきますね。今日のコンマスはまた、ゲストとして、東響のコンマスだった水谷晃が弾いています。少なくとも2度目です。彼も都響のコンマスに横滑りするんでしょうか。都響はますます充実しますね。そんな感じでフルートに感心していたら、バルナタンのピアノが極めて美しい響きで抒情的な旋律を奏でます。魅惑的な楽章でした。
第3楽章はバルナタンのピアノが激しく鍵盤を叩きつけて、爆演気味です。ちょっとやり過ぎかな。爆演が続き、未曾有の高揚感になります。圧倒的な音楽の高揚の中、曲を閉じます。
チャイコフスキーのピアノ協奏曲はとても有名なので、知り尽くしているつもりでしたが、まだまだ、分かっていない部分が多々あることを知りました。素晴らしい演奏に感銘を覚えました。独奏ピアノのイノン・バルナタンの実力も凄く、そして、小泉和裕指揮の都響は壮麗で情感あふれる演奏を聴かせてくれました。となると、後半のプロコフィエフが楽しみです。

後半はプロコフィエフの交響曲第5番。素晴らしい演奏を期待しましたが、第1楽章はどうにも理解できない演奏。モダニズムに徹した演奏を期待しましたが、まるで、マーラーか、リヒャルト・シュトラウスの情感を目指したような中途半端な演奏で、音響的にもうるさいだけ。第2楽章以降は何とか持ち直しましたが、やはり、この音楽の持つ新古典的なモダニズム、あるいは社会主義的なリアリズムのようなすっきりした演奏とは程遠い熱過ぎる演奏でプロコフィエフとは無縁な世界にはまりこんでいます。無論、そういうことは分かった上で新しいプロコフィエフ像を作り上げようとしたのでしょうが、saraiには到底理解できませんでした。演奏後、盛大な拍手と声援が上がったので、こういう演奏を好まれる聴衆が多かったようです。saraiの感性がきっとおかしいのでしょうね。人それぞれ、好みは違いますね。

今日は前半のチャイコフスキーのピアノ協奏曲が素晴らしかったので、よしとしましょう。都響の音響は最高だしね。


今日のプログラムは以下のとおりです。

  指揮:小泉和裕
  ピアノ:イノン・バルナタン
  管弦楽:東京都交響楽団 コンサートマスター:水谷晃(ゲスト)

  チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23
   
   《休憩》
   
  プロコフィエフ:交響曲第5番 変ロ長調 Op.100
   

最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を予習したCDは以下です。

 マルタ・アルゲリッチ、クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィル 1994年12月 ベルリン、フィルハーモニー ライヴ録音

絶頂期のアルゲリッチ。何も言うことはない。


2曲目のプロコフィエフの交響曲第5番を予習したCDは以下です。

 ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団 1959年10月24日、30日 オハイオ州クリーヴランド、セヴェランスホール セッション録音

素晴らしいの一語。



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首都圏の様々なジャンルのクラシックコンサート、オペラの感動をレポートします。在京オケ・海外オケ、室内楽、ピアノ、古楽、声楽、オペラ。バロックから現代まで、幅広く、深く、クラシック音楽の真髄を堪能します。
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aokazuyaさん

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03/03 23:32 sarai

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じじいさん、コメントありがとうございます。saraiです。
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07/08 15:53 じじい@

saraiです。
久々のコメント、ありがとうございます。
哀愁のヨーロッパ、懐かしく思い出してもらえたようで、記事の書き甲斐がありました。マイセンはやはりカップは高く

06/18 12:46 sarai
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