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《エフゲニー・オネーギン》は東響の美しい響き、圧巻の新国立劇場合唱団、シウリーナ、アンティペンコの素晴らしい歌唱など、聴きどころ満載@新国立劇場 2024.1.27

ロシアものにも積極的に取り組む新国立劇場はチャイコフスキーの名作、歌劇《エフゲニー・オネーギン》が今月の出し物です。
このオペラはsaraiには特別の思いがあります。ヨーロッパの歌劇場に遠征して最初に聴いたオペラがこのオペラだったんです。
1990年のゴールデンウィークに初遠征して、ウィーン国立歌劇場で初めて、本格的なオペラを見て、そのときはまだオペラの初心者だったsaraiはそれこそひっくり返りました。豪華なオペラハウスの建物、そして、初めて聴くウィーン・フィル(正確にはウィーン国立歌劇場管弦楽団)の何とも美しい響き、素晴らしい歌手たち(ドヴォルスキー、ブレンデル、トモワ-シントウ、ギャウロフ)、強力な合唱団、何ともお洒落な聴衆・・・。第3幕のポロネーズが鳴り響く中、舞踏会のシーンの光景はありありと目に焼き付いています。ウィーン国立歌劇場のステージの奥の方から着飾った紳士・淑女が腕を組んで、行進してきました。オペラの舞台がこんなに広いとは驚きでしたし、膨大な数の出演者のなんともきらびやかなこと! それにウィーン・フィルの圧倒的な響き! これがsaraiをオペラのとりこにして、1回だけのウィーン遠征の筈がその後、ヨーロッパ遠征を繰り返す端緒になりました。結局、コロナ禍で遠征を断念するまで、ヨーロッパで100回以上もオペラを鑑賞することになりました。その1回目がこの歌劇《エフゲニー・オネーギン》でした。

てなことを考えながら、今日のオペラを鑑賞しました。素晴らしいプロダクションでした。さすがに35年ほど前のウィーンには及びませんが、十分に聴き応えがありました。いつのまにか、日本でもオペラが本格的に鑑賞できるようになり、ヨーロッパ遠征をやめたsaraiも日本にいながらにして、オペラを楽しめる時代になりましたね。

今日のオペラの主役はピットに入った東響の美しい演奏です。チャイコフスキーの交響曲を聴いているような気分になる見事な演奏でした。弦の響きの美しいこと、それに木管、特にクラリネットのわびし気な音色。どこをとっても魅惑的でした。指揮者のヴァレンティン・ウリューピンもまだ若いもでしょうが、ツボを押さえた指揮でチャイコフスキーの美しく哀しい音楽を表現していました。第3幕のポロネーズも圧巻でした。

次いで、新国立劇場合唱団の強力な合唱が今日はいつも以上に見事でした。第1幕の農民合唱は残念ながら舞台裏からでしたが、第2幕の田舎の宴会での合唱は圧倒的でした。

歌手では【タチヤーナ】役のエカテリーナ・シウリーナが涼し気な美声で高音を綺麗に歌ってくれました。公爵夫人になってからの威厳があれば、もっとよかったのですが、その美声は本物です。特に手紙の場面は見事でした。
【オネーギン】役のユーリ・ユルチュクはなかなかの美声でしたが、この複雑な人間像を歌いこなすところまではもう一つ。
【レンスキー】役のヴィクトル・アンティペンコはとても素晴らしいテノールです。まっすぐな若者像を余すところなく表現し、最高の出来でした。聴かせどころの決闘前のアリアはこの日一番の素晴らしさ。
【グレーミン公爵】役のアレクサンドル・ツィムバリュクは出番は少ないのですが、舞踏会シーンでタチヤーナへの愛情を吐露するアリアは出色の出来でした。ちなみに35年前のウィーンでは、今は亡きニコライ・ギャウロフが何とも素晴らしい歌唱を聴かせてくれたことを今でもはっきりと覚えています。あれ以上の歌唱は考えられません。
ということで歌手陣もなかなかの好演でした。

演出と装置、衣装も伝統的なスタイルで好ましいものでした。衣装はもっと豪華だったらと思うところもありましたけどね。

トータルには、久々に聴いたチャイコフスキーの名作オペラを十分に楽しみました。


今日のキャストは以下です。

  ピョートル・チャイコフスキー
   エウゲニ・オネーギン
    全3幕

  【指 揮】ヴァレンティン・ウリューピン
  【演 出】ドミトリー・ベルトマン
  【美 術】イゴール・ネジニー
  【衣 裳】タチアーナ・トゥルビエワ
  【照 明】デニス・エニュコフ
  【振 付】エドワルド・スミルノフ
  【舞台監督】髙橋尚史
  【合唱指揮】冨平恭平
  【合 唱】新国立劇場合唱団
  【管弦楽】東京交響楽団 コンサートマスター:小林 壱成
  
  【タチヤーナ】エカテリーナ・シウリーナ
  【オネーギン】ユーリ・ユルチュク
  【レンスキー】ヴィクトル・アンティペンコ
  【オリガ】アンナ・ゴリャチョーワ
  【グレーミン公爵】アレクサンドル・ツィムバリュク
  【ラーリナ】郷家暁子
  【フィリッピエヴナ】橋爪ゆか
  【ザレツキー】ヴィタリ・ユシュマノフ
  【トリケ】升島唯博
  【隊 長】成田眞
  

最後に予習について、まとめておきます。

 メトロポリタン・オペラ A・ネトレプコ主演《エフゲニー・オネーギン》
 
  2013年10月/アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク メトロポリタン歌劇場
  
  マリウシュ・クヴィエチェン(オネーギン)
  アンナ・ネトレプコ(タチヤーナ)
  ピョートル・ベチャワ(レンスキー)
  オクサナ・ヴォルコヴァ(オリガ)
  アレクセイ・タノヴィッツキー(グレーミン)
  メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
  ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

  演出:デボラ・ワーナー
  
ネトレプコがタチヤーナを歌い、ゲルギエフが指揮。さらにベチャワがレンスキーを歌うとなれば、これ以上はありませんね。 



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最後までレビューありがとうございます。最後は時間の都合がつかず視聴できず、非常に残念でした。

アンコールも含め好評のレビューを見てますます残念ですが、お陰様でど

04/02 12:33 

michelangeloさん

saraiです。大変、ご無沙汰しています。
このたびは過分なご評価いただき、恐縮しています。

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03/31 01:42 sarai

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03/21 00:27 sarai

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