FC2ブログ
 
  

エル=バシャ・ピアノ・リサイタル@ひまわりの郷 2011.2.13

最近は何故かピアノ・リサイタルを聴くことが続いており、今日は上大岡のひまわりの郷コンサートシリーズでアブデル・ラーマン・エル=バシャのピアノ・リサイタルに行ってきました。

エレーヌ・グリモー、仲道郁代と続いた美貌ピアニストシリーズは終了し、理知的な男性ピアニストのピアノ・リサイタルです。エル=バシャのピアノはテレビで少し聴いたくらいであんまり聴いたことがなく、初聴きに近い感じです。
先入観なしに聴いてみましょう。

今日のプログラムは以下です。

 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第9番ニ長調 K.311
 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番ニ短調「テンペスト」Op.31-2
 シューベルト:即興曲第2番 Op.90 No.2 

  《休憩》

 ショパン:夜想曲第1番 Op.9-1
      ワルツ第1番「華麗なる大円舞曲」Op.18
      夜想曲第2番 Op.9-2
      ポロネーズ第6番「英雄」Op.53
 ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
      「鏡」~洋上の小舟
      「鏡」~道化師の朝の歌

  《アンコール》
  エル=バシャ:アンダルシアの歌
  バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻第12番よりプレリュード

1曲目はモーツァルトのピアノ・ソナタです。このところ、モーツァルトのピアノ・ソナタを聴く機会が多かったのですが、今日の演奏はsaraiの感覚に一番合った演奏で終始楽しく聴けました。特別個性に満ちた表現ではありませんがモーツァルトの様式美に満ちた演奏であると感じました。ピアノのタッチも粒立ちのよい、いかにもモーツァルトという感じでよい響きです。そう言えば、今日のピアノは珍しいベヒシュタインのピアノです。このピアノの印象は中低域の響きは深く素晴らしいのですが、高音域の最強音が鋭く響くのが難に感じました。スタインウェイはもっと華麗な響きがしますね。ピアニストの弾き方の問題かとも思いましたが、休憩中の調律を聴いているとやはりピアノの特性のようです。このベヒシュタインはエル=バシャの特別の要望で準備したそうです。それもホールに馴染ませるために2日前に搬入したそうです。ご苦労さまでした。

次はベートーヴェンのテンペストです。saraiのとても好きな曲です。
先程のモーツァルトと違って、とても重厚で思い入れたっぷりの弾き始めでぐっとこちらの気持ちも引き込まれます。あまり恣意的な演奏をするタイプのピアニストではありませんが強い情熱を秘めた演奏でこちらも熱くなります。1楽章途中のピアニッシモの部分で客席から長々と携帯の受信音が鳴り響きましたが、それも何のその、フォルテッシモの演奏で何もなかったかの如く引き続け、お蔭でこちらの集中力も切れずに済みました。サンキュウ! でもこういうことって勘弁してね。
第2楽章も緊張感のある演奏です。このピアニストはピアノの響きと無音の対比・使い分けに感じ入るものがあります。もっとも無音の部分など実際にはほとんどありませんが何故かそう感じさせられる演奏です。じっくりと聴きいってしまいます。
第3楽章はもうあの有名なメロディが最初から美しく響き、満足!満足! 一気にフィナーレまでいってしまった感じです。
なかなか感銘を受けた演奏でした。決して押しつけがましい表現ではなく、聴くものの感性に感じ方を委ねたともいえる演奏で一人一人受け止め方は異なるでしょうが素晴らしい演奏でした。

次はシューベルトの即興曲です。これも基本的には同様に客観的な演奏ともいえます。美しい演奏ですが何か物足りないような気もしました。楽しく聴かせてもらったので贅沢な感想ではあります。作品142の第2曲なら、どんな演奏だったかとも思います。きっとこのピアニストには合っているような気もしました。

ここまでがドイツ音楽のピアノ曲でしたがすっかり満足して、ここでこのリサイタルが終わってもよかったくらいです。
で、休憩の後は一転してショパンとラヴェルです。

まずはショパンの名曲集。次々と有名な曲が流れます。このピアニストは実にレパートリーが広い。見事に美しいショパンです。特に最初のノクターンの1番の美しかったこと、うっとりです。ゆったりしたテンポであの美しいメロディーがロマンティックに奏でられます。何も言うことなし。

次はラヴェルです。ラヴェルってsaraiは結構苦手な作曲家です。でも「亡き王女のためのパヴァーヌ」の丁寧な美しい響きにはうっとりしました。「鏡」の2曲はやっぱり苦手かな。

アンコールの最初の曲はラヴェルかアルベニスかなって思って聴いていたら、何とエル=バシャの自作の曲。スペイン風の曲ですが彼ってレバノン出身だとのこと。面白いですね。
で、今回のリサイタルで一番心に沁みたのはアンコール最後のバッハ。何の衒いもなく自然な表現でしたがそれがとても心に響きました。やはりバッハはこんな作為のない演奏がいいなって感じるようになってきました。

初めて聴くエル=バシャのリサイタルでしたが、また聴きたいと思わせられる心に残る演奏でした。



↓ saraiのブログを応援してくれるかたはポチっとクリックしてsaraiを元気づけてね

 いいね!



関連記事

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

人気ランキング投票、よろしくね
ページ移動
プロフィール

sarai

Author:sarai
オペラ・美術が大好きでヨーロッパの旅にはまっています。音楽の聖地ウィーンが中心で、イタリア、フランス、ドイツも巡っています。国内外のオペラ・コンサートの体験もレポートします。

来訪者カウンター
CalendArchive
最新記事
カテゴリ
指揮者

ソプラノ

ピアニスト

ヴァイオリン

室内楽

演奏団体

リンク
Comment Balloon

ありがたいコメント、嬉しいです。マーラーのファンのかたにこそ、読んでいただきたかったので、気持ちを共有できた思いです。自然の中にこそ、マーラーの音楽の本質はあり

04/23 23:45 sarai

マーラーの作品を聴きながら、ブログを読ませていただいています。
読みながら画像を見て、マーラーの過ごした風景に想いを馳せて楽しんでいます。
素敵なブログをありがと

04/23 21:47 

マーラー6番ですか・・・ハンマー打撃は勘弁してほしいものです。あったとしても、3回目の打撃だけは・・・

04/11 18:10 sarai

まさにマーラー6番な状況です笑

04/11 17:51 kico

お互い、残念でしたね。今年でヨーロッパ遠征を終わりにする予定でしたが、悲劇的な状況になりました。天はまだ我に旅を続けよというご託宣を与えたのでしょうか。1年延期

04/11 03:13 sarai

以前にもコメントさせていただいた者です。来ましたね、楽友協会からのメール。私たちはとりあえず1年延期としましたが、どうでしょうね。困っている人が多い中贅沢な悩み

04/11 00:33 kico

お返事ありがとうございます。
本当に!私もレイルジェットや美術館の手配もしているので、祈るような気持ちです。

03/10 19:06 kico
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR