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素晴らしき哉!シューマンのピアノ五重奏曲 日下紗矢子とベルリンの仲間たち@王子ホール 2024.4.23

やっぱり、シューマンのピアノ五重奏曲は途轍もない名曲でした。なかなか聴く機会に恵まれないのが残念ですが、今日の演奏は何も文句の付け所のない素晴らしい演奏でした。シューマンの室内楽の最高峰とも思える音楽を満喫しました。それにしても、日下紗矢子がシューマンの音楽を愛してやまないというのは何とも趣味がよいというsaraiの主観的意見です。

シューマンのピアノ五重奏曲はプログラムの最後に置いて、今日のメンバーが総登場して、満を持した感じで演奏。今日のコンサートはこの曲を演奏するためのコンサートだと言っても間違いないでしょう。葵トリオの小川響子はこの曲のためだけに駆けつけてくれた感じです。

第1楽章は光り輝くような第1主題で素晴らしいスタート。以後もこの第1主題を中心にスケール感のある明るい演奏にとても魅了されます。日下紗矢子のヴァイオリンがとても素晴らしく、アンサンブルを引き締めていました。
第2楽章は葬送行進曲が中心となって、とても印象的な音楽がロンド形式で奏でられます。
本当に素晴らしかったのは第3楽章からです。力強いスケルツォに優美な2つのトリオが絡まり合い、憂愁な音楽を形成します。日下姉妹のヴァイオリンとピアノが見事に響き合います。とてもうっとりと音楽に聴き入ります。
続いて第4楽章も素晴らしい演奏です。きびきびした音楽が進行し、最後は終楽章の主題とともに第1楽章の主題が壮麗なニ重フーガで形成し、バッハの対位法の音楽を研究した成果が華々しく結実しています。ここに来て、小川響子のヴァイオリンの力強い響きも前面に出て、日下紗矢子と素晴らしい音楽を奏でていきます。そして、高潮したコーダで全曲を締めくくります。圧巻の演奏に会場が沸きました。

シューマンのピアノ五重奏曲の前は日下姉妹によるクララ・シューマンの3つのロマンス。日下紗矢子のヴァイオリンが歌うこと! ドイツロマン派の隠れた名曲ですね。無論、夫のロベルト・シューマンのヴァイオリン・ソナタ3曲は何ものにも代えがたい魅力を持った作品ですが、クララのこの作品ももっと演奏機会が増えてもいいのかもしれません。それほど、魅惑的な演奏でした。

前半はマーラーとバッハという思い切ったプログラム構成。
マーラーのピアノ四重奏断章はマーラーが17歳で書いた唯一の室内楽曲です。実はこの曲、saraiは大好きなんです。今日もロマンの極みという感じの素晴らしい演奏に終始、魅了されました。未完の作品というのが何とも残念です。

続いて、J.S.バッハ/シトコヴェツキー編のゴルトベルク変奏曲です。弦楽三重奏版という珍しい構成。美しい演奏でしたが、やはり、この曲は鍵盤楽器のほうが好みです。ピアノの澄み切ったタッチで演奏されるゴルトベルク変奏曲は古今東西の名曲中の名曲。日下紗矢子のヴァイオリン演奏によるアリア、特に最後のアリアはとても風情に満ちてはいました。


今日は大変素晴らしいシューマンを聴いて、気持ちが高揚しました。saraiは大のシューマン好きです。


今日のプログラムは以下です。

  日下紗矢子とベルリンの仲間たち
  
  日下紗矢子(ヴァイオリン)
  小川響子(ヴァイオリン)
  フェリックス・シュヴァルツ(ヴィオラ)
  アンドレアス・グレーガー(チェロ)
  日下知奈(ピアノ)

  マーラー:ピアノ四重奏断章 イ短調
   日下、シュヴァルツ、グレーガー、日下
  
  J.S.バッハ/シトコヴェツキー編:ゴルトベルク変奏曲 BWV988より
    ~アリア、変奏1、3、12、13、16、25、28、30、アリア ※弦楽三重奏版
      日下、シュヴァルツ、グレーガー

   《休憩》

  C.シューマン:3つのロマンス Op.22
   日下姉妹
  
  R.シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44
   日下、小川、シュヴァルツ、グレーガー、日下


最後に予習について、まとめておきます。

1曲目のマーラーのピアノ四重奏断章は以下のCDを聴きました。

   クレメラータ・ムジカ 1994年5月、6月 ノイマルクト セッション録音
    ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)
    オレグ・マイセンベルク(ピアノ)
    ヴェロニカ・ハーゲン(ヴィオラ)
    クレメンス・ハーゲン(チェロ)

奇才クレーメルとロッケンハウス音楽祭常連の凄腕音楽家たちによる見事な演奏。


2曲目のJ.S.バッハ/シトコヴェツキー編のゴルトベルク変奏曲は以下のCDを聴きました。

 ジュリアン・ラクリン(ヴァイオリン)
 今井信子(ヴィオラ)
 ミッシャ・マイスキー(チェロ)
   2006年2月 ドレスデン、ルカ教会 セッション録音
  
ミッシャ・マイスキーは1984年に、編曲のドミトリー・シトコヴェツキー(ヴァイオリン)、ジェラール・コセ(ヴィオラ)とともにゴルトベルク変奏曲を録音しており、これはその後、22年ぶりの再録音です。共演メンバーに不足はなく、素晴らしい演奏を聴かせてくれます。


3曲目のクララ・シューマンの3つのロマンスは以下のCDを聴きました。

 リサ・バティアシヴィリ、アリス=紗良・オット 2012年10月 ミュンヘン セッション録音

これはリサ・バティアシヴィリとアリス=紗良・オットが抜群の演奏。この曲が名曲であることを認識させられました。


4曲目のシューマンのピアノ五重奏曲は以下のCDを聴きました。

 田部京子、カルミナ四重奏団
 (マティーアス・エンデルレ、スザンヌ・フランク、ウェンディ・チャンプニー、シュテファン・ゲルナー)
  2008年1月24〜27日 チューリッヒ ZKO-Haus(チューリッヒ室内管弦楽団の本拠地) セッション録音

矢部京子の素晴らしい演奏。



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最後までレビューありがとうございます。最後は時間の都合がつかず視聴できず、非常に残念でした。

アンコールも含め好評のレビューを見てますます残念ですが、お陰様でど

04/02 12:33 

michelangeloさん

saraiです。大変、ご無沙汰しています。
このたびは過分なご評価いただき、恐縮しています。

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03/31 01:42 sarai

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03/29 21:28 michelangelo

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