シューマン・チクルス2日目:パーヴォ・ヤルヴィ+ドイツ・カンマー・フィル@東京オペラシティ 2010.12.4
パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団のコンビでの演奏です。
昨日の交響曲第1番《春》は素晴らしい演奏だったので、今日も期待しましょう。
まず、今日のプログラムは以下です。
シューマン:マンフレッド序曲 Op.115
シューマン:交響曲第2番ハ長調 Op.61
《休憩》
シューマン:交響曲第3番変ホ長調 Op.97《ライン》
《アンコール》
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番
シベリウス:悲しきワルツ
まず最初はマンフレッド序曲です。非常にロマンの香りの高い曲です。
昨日同様きっちりと整然とした演奏ですが、シューマンらしいロマン性は出ていて、結構よい演奏でした。
次は交響曲第2番。これはあまり馴染みのない曲です。
なんだかぼーっと聴いていましたが、第3楽章にはいると美しい響きに耳を奪われます。続く第4楽章はうって変ってシューマンらしい響きの華やかさに心が躍ります。こういう明朗快活な部分ではこの指揮者とオーケストラの面目躍如って感じです。フィナーレも気持ちよく終わり、満足です。
休憩を挟んで、最後は交響曲第3番「ライン」です。
これはやはりシューマンの代表的な名曲です。実際、この交響曲は事実上最後の交響曲で管弦楽作品の総決算と言ってもいい作品です。
演奏が始まると気分が高揚していきます。でも、演奏は意外におとなしく、これまでの演奏に比べて、より重厚な響きを目指しているようです。思いっきりストレートな《春》のときのような演奏のほうがよさそうにも感じましたが、やはり、シューマン後期のこの曲ではブラームスを意識したような演奏スタイルでの表現を考えたのかもしれませんね。
で、若干、不完全燃焼気味でしたが、それでも第4楽章は圧巻でした。その響きの悲しげで厳かな感じは何とも言えず、本当に素晴らしい。よくぞ、この響きを実現できたものです。
続く最終楽章はこのチクルスの最終を飾るにふさわしい晴れやかなシューマンそのものの演奏です。
そして、感動のフィナーレ。
いろいろ思うところはあるにしても、シューマンイヤーの最後を飾るにふさわしい素晴らしいチクルスでした。
とりわけ、《ライン》の第4楽章の響きの素晴らしさはこのチクルスの白眉でした。手放しによかったのは《春》でした。幸せに満ちた祝祭的な響きの素晴らしかったことは忘れられません。
またまた、作曲家と演奏家のみなさんに感謝あるのみです。
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