クレー+東京都響@サントリーホール 2010.10.25
ドイツの指揮者ベルンハルト・クレーによるエルガーとブルックナーという面白い組み合わせのプログラムです。
本日のプログラムは以下。
エルガー:チェロ協奏曲
チェロ:ボリス・アンドリアノフ
《休憩》
ブルックナー:交響曲第4番《ロマンティック》
で、予習したのは以下のCD。
エルガー:チェロ協奏曲
これはやはりこれしかないでしょう。
デュ・プレのチェロ、バルビローリ指揮ロンドン交響楽団
名盤CDです。
久しぶりに聴きましたが、素晴らしい演奏です。文句なし。
ブルックナー:交響曲第4番《ロマンティック》
ギュンター・ヴァント指揮 ベルリン・フィル
いつもはヨッフム盤を聴いていますが、今回はこれ。
ベルリン・フィルは機能性が高く、演奏力はありますが、ドイツ的な重厚さに欠けるのが惜しい。ヴァントの指揮はドイツ的で手堅い印象です。
さて、1曲目はエルガーの有名なチェロ協奏曲。
冒頭からエルガーのメロディアスな曲が流れ、気持ちよく聴けます。
ただ、チェロのアンドリアノフは気合の入った演奏で上手いのですが、この曲はもっと自然流で演奏してもらいたいものです。秘めた熱情、あるいは抑制された熱情って感じのほうがsaraiの好みです。ステージに近い席で聴いていたので、彼の鼻息まで聴こえてきたので、さらに興冷めしますね。
オーケストラはやはり都響らしく弦の響きが美しい。時々、アンサンブルが乱れますが、響きが美しいので許せます。
トータルには、よいエルガーの演奏で十分楽しめました。
で、休憩を挟んで、2曲目はブルックナーの第4番。
まあ、大曲ですね。後期の7番、8番、9番に比べると深みがもう一つの感はありますが、その分、聴きやすさはあります。
最初のあたりの演奏はやはりドイツ系のオーケストラに比べると、重厚さ、深さがまだまだという感じでしたが、第4楽章あたりになると、響きがよくなっていき、満足できるレベルです。
なかなか破壊力に満ちた演奏です。荒っぽいというのではなく、ダイナミックな迫力でブルックナーらしさが十分出ていました。それでいて、都響の特徴の強力な弦セクションの流麗さに満ちた面もなかなかのものです。
この曲も一部アンサンブルが乱れるところもありましたが、響きのよさで救われました。
クレーの指揮はダイナミズムをあおるような指揮ではなく、音楽の流麗な流れを作るという方向のようで好感が持てます。要するに上品な指揮です。
ただ、彼もそれなりのご高齢で3楽章、4楽章あたりでは、息があがって、苦しそうでした。もう、ヴァントのようにあまり棒を動かさない指揮を目指したほうがいいかも知れません。ブルックナーは大曲過ぎますからね。
今夜のコンサートは大感動とまではいきませんでしたが、エルガーはエルガーなりに、ブルックナーはブルックナーなりにそれなりによい演奏で楽しい時間が持て、満足でした。
明日はまたサントリーホールでアーノンクール+ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスでバッハのロ短調ミサ曲を聴きます。西洋音楽の最高峰の一つとも言われる超名曲を現在最もふさわしい最高のメンバーでの演奏で聴けるという幸せ。期待するなといっても期待しちゃいますね。
ウィーン・フィルのコンサートに先駆けて、ウィーンの音楽の精菓のひとつを味わい尽くしたいと思います。
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